CORTIS、『Lollapalooza 2026』に残した強烈な爪痕 逆境の40分――発揮した真価と美学に触れて

CORTIS『Lollapalooza』に残した強烈な爪痕

 8月1日(現地時間)、アメリカ・シカゴでは前夜から豪雨が続き、3日目を迎えた『Lollapalooza 2026』は、開演時間とタイムテーブルの変更を余儀なくされた。出演時間が短縮、あるいはライブ自体がキャンセルとなったアーティストも多く、少なくともポジティブな出来事ではなかったのは確かだろう。だが、世界有数のフェスティバルに初めて出演することになったCORTISは、その真価を発揮する絶好の機会を手にしたのかもしれない。急遽、出演時間を10分短縮した40分のセットを披露することになった彼らは、逆境を力に変え、豪華なラインナップが並ぶ同フェスティバルのなかでも見事な爪痕を残していた。

 昨年8月のデビュー以来、まさしく破竹の勢いで躍進を続け、「今、最も注目するべきアーティスト」の一組となったCORTIS。曇り模様のステージには、見渡す限りの大観衆が詰めかけていた。タイムテーブルの変更に伴い、彼らは数時間ほどの待ちぼうけを食らってしまった『Lollapalooza』の観客を前に、フェスティバルで最大の規模を誇る「T-MOBILEステージ」のトップバッターを務めることになったのである。

 この日のDJを務めたDJ Ankle Sandwichがステージに登場して観客を煽ると、客席からは悪天候を吹き飛ばすかのような歓声が返ってくる。もしかしたら、ようやくフェスティバルを楽しめるという渇望感もあったのかもしれない。「これは予想以上にすごいことになるのでは」とワクワクしていると、The 1st EPのイントロ曲「GO!」とともに、CORTISの5人がステージに勢いよく飛び込み、爆発的なエネルギーで踊り始め、一瞬でアリーナにうねるような大きな波が生まれていく。5人が荒々しく放つ「GO!」のシャウトが本能のままに響けば、観客も負けじと大音量で応戦する。

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 最初はどこか緊張しているようにも見えたCORTISメンバーだが、コールアンドレスポンスを完璧に返す大盛り上がりのオーディエンスを前に、すぐに彼ららしい自由で荒々しいスタイルが解き放たれていく。K-POPに限らず、ダンス&ボーカルグループのステージといえば、もともとのコレオグラフィを起点に構築される場合が多いが、彼らの場合はひたすらに観客とエネルギーを分かち合いながら、ここぞという楽曲の見せ場でビシッと振り付けを決めて見せる(それでも、一部のメンバーが別のところで好き勝手に踊っていたりするのが痛快だ)。アメリカの、それも大規模なフェスティバルのステージとなれば、このスタイルが合わないわけがない。

 そうして互いにグルーヴを高めていったステージがついに爆発の瞬間を迎えたのは、やはり大ヒット曲「REDRED」だった。イントロが鳴った瞬間に凄まじい悲鳴が会場に鳴り響くと、あとはうねり続けるトラックに身を任せるかのように、どんどんエネルギーが膨れ上がっていく。観客のなかには同じ振り付けを踊っている人もいて、同楽曲のヒットがこの地・アメリカにも届いていることを証明していた。

 さらに、この日はサプライズゲストとして、Three 6 Mafiaのメンバーとしても知られるラップレジェンド・Juicy Jが登場。発表されたばかりの新曲「MOTION (feat. Juicy J)」の初パフォーマンスが実現した。Juicy Jのルーツでもある90年代のメンフィスサウンドからの影響を感じられる硬質なトラックは、レイジラップの影響も色濃いCORTISにとって、新たなチャレンジとなったのかもしれない。だが、メンバー自身(特にMARTIN)が幼い頃からThree 6 Mafiaに夢中になっていたという過去が物語るように、普段のパフォーマンス以上に、自由なエネルギーを放ちながら軽快にトラックを乗りこなしていく。

 Juicy Jも今回のコラボを相当に気に入っているようで、まるでずっと前から友達同士だったかのように何度もメンバーと肩を組みながら、グループの一員となってグルーヴィーなラップを放ちまくる。そのマイク捌きに触発されるかのように、自分のパート以外でも踊りまくり、叫びまくるCORTISの姿が微笑ましい。両者のシナジーは最高で、これまでさまざまなビッグアーティストとコラボレーションを実現してきたK-POPの歴史のなかでも、ひと際印象的なステージを作り上げていたのではないだろうか。

CORTIS (P)&(C) BIGHIT MUSIC

 この日は全楽曲において「そのすべてを出し切ってやろう」という貪欲なエネルギーが満ち溢れていたことも、今回の『Lollapalooza』のパフォーマンスが特別になった理由のひとつだったのかもしれない。セットリストの後半では、「YOUNGCREATORCREW」「TNT」「FaSHioN」と、自身の楽曲のなかでも特に獰猛なエネルギーを誇る楽曲が次々と放たれ、同じく貪欲なオーディエンスの熱狂とともに、その盛り上がりぶりはいよいよ手がつけられなくなっていく。DJ Ankle SandwichがDJブースからステージへと繰り出して火に油を注ぎ、「TNT」ではフロアへと降りたメンバーが観客と一体となって、さらなる爆発を生み出していた。

 ライブの最後を飾った「FaSHioN」のラスト、全身を汗で濡らしながら、本能のままに叫びまくるメンバーの姿には、型に縛られることなく、とにかくその場を全力で楽しみ尽くそうとするCORTISの美学が詰まっていた。きっと、彼らにとっても相当な手応えがあったはず。メンバー全員が、どこか充足感に満ちた表情を浮かべていたのが印象に残っている。

 今回のステージには、5万人もの観客が集まったとも報じられている。悪天候によるトラブルのなかで見事なトップバッターを務めてみせたCORTISだが、今後はさらに大きなステージで、彼らの姿を見ることになるのではないだろうか。

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