WHITE ASH、新アルバムでR&Bやヒップホップに大胆接近 『THE DARK BLACK GROOVE』試聴会レポ
アルバム全11曲の余韻が残る中、会場にはのび太とドラムの剛が登場。大きな拍手で迎えられた。さっそくトークを開始しようとすると、会場の後方から突然、「ちょっと待った!」との呼び声が。観客たちが振り返ると、ギターの山さんがベースの彩を引き連れ、テツandトモの「なんでだろ~」を弾き語りながら登場。「アルバム試聴会なのに僕ら呼ばれてないのなんでだろ~」などと歌いながら、ステージに上がる二人。山さんのハイテンションとは対照的に、無言で後ろをついていく彩とのコントラストも可笑しく、会場は笑いに包まれた。
その後、メンバーはアルバムの制作秘話を続々と披露。のび太は「今まではある程度曲数がたまってきたら、それをまとめてアルバムにしていたけれど、今回はコンセプト・アルバムとして、コンセプトありきで曲を作っていった。今まで以上に統一感のある作品になっているんじゃないかなって思います」と、今回のアルバムのポイントを語り、剛はこれに対し「逆にやりやすかった。いつものび太からデモを聴かせてもらった後に、ものすごく抽象的な指示があるんですけど……神聖な感じとか、近未来な感じとか(笑)。今回はテーマが一貫していることで、方向性や完成予想図があまりぶれなかった」と明かした。また、1曲目の「Orpheus」では、のび太から「イメージとしては闘技場、コロシアムで戦士が今にも戦いを始めようとしている。戦士はグラディエーターみたいな格好をしていて、武器は棒の先に金属の丸いのが付いていて、それを『ドンドン!』ってやっている感じ」という指示を受けた剛が、スタッフたちから鍵の束を集め、それを靴ひもに結びつけてバスドラを打ち、独特の音色を作り出したという裏話も語った。ほか、山さんが「Night Song」でピアノ演奏に初挑戦したり、彩が「King With The Bass」で歪みのあるベース音を作るのにとことんこだわったことなど、メンバーそれぞれのエピソードも語られた。
トークの後は、アコースティック編成でのミニ・ライブを披露。バレンタインにちなんだ「Would You Be My Valentine?」や、アルバム収録曲の「Hopes Bright」などを、生音の質感たっぷりに演奏して、観客たちは静かに聴き入った。普段のライブとは異なる貴重なセッションに、WHITE ASHの新たな側面を発見したリスナーも多かったのではないだろうか。
4月にはアルバムを提げたワンマンツアー『DARK EXHIBITION』の開催も決定しているWHITE ASH。メンバーはもちろん、熱心なファンも納得の仕上がりとなった本作は、2015年の日本のロックシーンにたしかな足跡を残しそうだ。
(取材・文=松田広宣)
■リリース情報
『THE DARK BLACK GROOVE』
発売:3月4日(水)
価格:¥2,800+税
※初回生産分:三方背ケース付き
収録曲
1. Orpheus
2. Just Give Me The Rock ‘N’ Roll Music
3. King With The Bass
4. Teenage Riot
5. Walking In A Cloudy
6. Night Song
7. Quandata
8. Speed It Up
9. Zero
10. Hopes Bright <※学校法人・専門学校 モード学園(東京・大阪・名古屋)テレビCMソング>
11. Gifted
■ライブ情報
『WHITE ASH One Man Tour 2015 "DARK EXHIBITION"』
4月4日(土) 札幌PENNY LANE24 Open 17:00 / Start 18:00
4月10日(金) なんばHatch Open 18:00 / Start 19:00
4月17日(金) 新木場STUDIO COAST Open 17:30 / Start 18:30
■イベント情報
3月5日(木) タワーレコード渋谷店1F インストアライブ&サイン会 19:30~
3月10日(火) ツタロックフェス2015
@TSUTAYA O-EAST、O-WEST、O-nest、O-Crest (4会場同時開催)
※対象商品の購入者対象の完全招待制イベント。
3月11日(水) タワーレコード梅田NU茶屋町店 インストアライブ&サイン会 19:00~