NEWSと東方神起がシングル10万枚突破 男性アーティストが安定した地力を発揮

 その女性アイドルで注目したいのは8位の東京パフォーマンスドールで、これは90年代のアイドルを復活させたグループのファーストシングル。結果は2.3万枚で数字的にはそこそこと言ったところだが、ダウンロード販売をうまく利用してカップリング曲を多数用意したり、歌唱だけでなく演劇を重視したライブ活動を行うなど昨今のアイドルグループとしてもかなり新しい試みをやっている。その最初の結果が2.3万枚なのであればこれはなかなかの数字で、今後の伸びがかなり期待できるグループのような気がする。そもそも東京パフォーマンスドールと言いつつ、90年代のグループとは一線を画する活動をしているわけで、名前だけうまく活用してスターダムを目指すという姿勢も含めてやり手の感がある。

 ほか、今週で気になるのは曲の内容が右翼的だとかで物議を醸した椎名林檎だろうか。NHKが使用するワールドカップのテーマ曲ということもあって余計に話題となったのかもしれないが、話題性のわりには初週が1.3万枚。2010年あたりまでは椎名林檎名義でも東京事変でも3、4万枚は売っていたので、たとえアルバムで売っていくタイプのミュージシャンだとしても、ここ3年ほどのシングルの落ち込みは気になるところだ。椎名林檎名義の前作となる2009年のアルバム『三文ゴシップ』はオリコン1位、初週販売枚数12万枚という立派な実績を残しているので、次に予定されているであろうアルバムもこたびのシングルの不調に悪影響を受けず売ってくれることに期待したい。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』『一〇年代文化論』がある。Twitter

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