『We Don't Learn Anything Tour 2013-2014』 ライブレポート
[Alexandros]がライブで見せた”自由奔放”さ ブランキーなどの名曲カバーも
白井のギターがヘビーな音と開放感のある音を行き来する「言え」では、間奏部分でセッションを披露。磯部の安定感あるベースプレイと、パワーのあるドラムを叩く庄村、白井の速弾きと川上のカッティングがぶつかり合う場面を、観客の多くは踊ることを忘れて食い入るように見つめていた。現在の彼らを代表する楽曲と言っても過言ではない「Starrrrrrr」では、一定したリズムと川上の優しい声が心地良いAメロ~Bメロから、各パートが一気に勢いを増すサビへと展開。カラフルな照明も高揚感を後押しし、観客はそれぞれの踊り方や暴れ方で楽しんでいた。そして「You're So Sweet & I Love You」では、客席からこの日一番の大合唱が巻き起こる。
また、川上が「この曲を知ってる人はあまりいないと思うけど」と前置きして演奏した、2010年発売のディスニーのロックトリビュート『Disney Rocks!!』収録の「Supercalifragilisticexpialidocious」は、もはや彼らの楽曲と呼んでも良いくらいにこの日のセットリストに馴染んでいた。はじめは大人しく鑑賞していた観客も次第に盛り上がっていく様子を見た川上は「理屈じゃなくて、『このコード気持ちいいね』とか、『なんかわかんないけどかっこいい』とかそういう感覚を大事にしたい」と語り、バンドとしての懐の深さを見せつけた。
近年の楽曲や今回のツアーで、さらに開放的な方向性へと進みつつある[Alexandros]。その高い演奏力に加え、洋楽ロックスターのような堂々とした立ち居振る舞いも、会場の規模が上がるごとに説得力を増していたように思える公演だった。
(文=中村拓海/写真=AZUSA TAKADA)