“答え”よりも“謎”のある作品をーー銀杏BOYZ峯田と豊田道倫が見据える「2040年の音楽」

峯田「自分がぐっとくる曲は意外とダサかったりする。でも、しょうがねぇやって」

20140309-taidan-02-thumb.jpg90年代の地方の音楽シーンを、リアルに語る峯田。

峯田:豊田さんは、けっこう若いアーティストとか聴かれるんですか。

豊田:なんとなく偶然出会ったりはするかな、対バンとかで。聴いても週に3枚とかに抑えている。あんまりいっぱい聴いても流れちゃうからね。

峯田:僕はスマホで、お客さんが教えてくれますね。メールにYouTubeリンク貼ってくれて。今、パソコン持ってないですけど、パソコン持っているときはそれでけっこうYouTubeとか観てました。でも、関連動画がバッと出るじゃないですか。あれがある時期から「気持ちわりーな」って思っちゃって。「お前はこれ聴け」って聴かされているような感じがして。サッカーの動画とかは観ますけどね。音楽はあんまり、お客さんのメールに貼られてあるヤツ観るくらいですね。あとは試聴します、はい。レコード屋行って、試聴機で……2ヶ月に1回試聴する日があるんですよ。それでこれ買ってみようかなって思ったヤツは買います。でも、たまに音楽、聴けない日とかありませんか?

豊田:いつもあるよ。そんな聴かないよ。今、なんでも聴けるからね。逆にちゃんと聴くっていうのが難しくなったかもしれないね。買うんだけど、買わなくても意外とYouTubeに全部あるから。1枚分の音源アップされていたりとかね。東京にいるとまだ街にCD屋があるから買うけど、田舎にいくとないもんね、CD屋が。聴かない時はなんも聴かない。ラジオとかテレビ、あとは読書とか。スマホもすぐ電源なくなるから移動中も聴かない。

峯田:こないだ女の子が運転する車でドライブしたんすけど、平気でかけるわけですよ、iPodで。昔の人から今の人まで。今のバンドだとクロマニヨンズとか、あとサンボマスターとか、毛皮のマリーズとか、SAKEROCKとか、いろんなのが流れてたんです。ふたりでいる時くらい、忘れたいじゃないですか。聴きたくないじゃないですか。コード進行とか「うっわ、いいなぁ~」とか思っちゃって、「腹立つな〜」とか思って(笑)。んで、一言いったんですよ。ふたりでいるときくらい、こういうの消して、こっちの立場も考えてください、って。じゃあラジオ聴こうかって言って、ラジオ流したら流したで、変な合唱団みたいなの歌っているし、NHK聴いたら、わけわかんないおじいちゃんがボソボソ変なこと言ってるし。彼女も俺と音楽いっしょに聴きたいっていう気持ちで、悪気がないじゃないですか。セレクションもたぶんいろいろ考えて、楽しんでくれると思って流している。でも、きっついんですよね(笑)。……そう考えたら普段あんまり音楽聴いてないかもしれないな。聴こうと思わないと聴かない。ただ聴き方を工夫して聴くくらいで、集中して。たぶん一般のひとより聴いてないかもしれないですね。

ーー音楽を始めた90年代の頃は、どんな風に音楽と向き合っていましたか。

峯田:音楽始めたときは本当になにも考えてなかったですね。初めて彼女できたのがちょうどバンド始めたときだったんで、彼女と会っても言えないようなこと、ラブレターじゃないけど、そういうのを歌詞にしようって思っていたんですよ。今はまた違う感じがしますね。他のアーティストとか、アイドルとかバンドとかも含めて、こういう空気感なんだろうなぁっていうのを、ある程度頭でわかったうえで、じゃあこういう曲を書こうっていうのはありますね。でも結局、何曲か書いてみるんですけど、自分にとってしっくりくるのは、あんまし周りのこととか考えないで、自分がぐっとくる曲なんですよね、結局。それって意外とダサかったりするんです。しみったれてるっていうか。でも、しょうがねぇやって思うんですよ。自分にとってグッとくるのはこれなんだなって。だから時代性とかっていうのは最初考えますけど、残っちゃうのは生活とか、好きなひとへの本当の言葉になっちゃうんですよ、ダサいんですけど。

豊田:90年代、僕は20代で、毎週レコード屋に新譜を買いに行って、毎月いろんなバンドが大阪に来ていて、自分にとっては一番良い時代だった。上京したのは95年だね。

峯田:僕はその頃、高校生で山形にいて、あんまり情報がなかったんですけど、楽しくバンドやっていました。ロッキング・オンとかクロスビートとかはたまに買ったりしてましたけど、ハードコアっていうんですかね、うるさいロック。友達がやっていたんです。雑誌とかに載っていないロック。それがなんか、うわー怖いなとか、でもなんかソワソワするなって思って。んで、友達のバンドを観に行くようになったんですけど、お客さんも同級生とかじゃなくて、大人の人も結構いて。そこでThe マニラ帰りっていうバンドを知ったんです。ZK RecordsっていうところからCD出していて、ボアダムスと共演したっていう噂もあったりして「あー山形にもこんなバンドいるんだ」って思って。そのバンドのガンジーさんっていう人がインディーズのCD屋さんやってたんです。そこにも行くようになった。ビジュアル系のインディーズの人とかノイズの人とか、いろんなアーティスト扱ってて、そこでガンジーさんとしゃべるのが面白かったですね。

豊田:当時はショップが一番だったの。二番目が音楽ファン。三、四がなくって五が雑誌とかメディア。まずレコード屋さんに足を運んで、そこで店員の人と話したりするのが一番の情報だった。でも今、あんまりレコード屋さん行かないね。逆に今はメディアが一番かもしれないし。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる