嵐・松本潤の色気はどこから生まれる? 生まれもったスター性はこうして磨かれた
さて、リアルサウンドは音楽サイトなので、彼の歌についても論じていこう。松本は以前テレビの音楽番組に出演した際「自分は歌があまりうまくない」といった旨の発言をしていた。確かに正直なところ、彼のソロパートでは聴いていてヒヤリとすることもある。しかしこれを松本の歌唱力だけのせいにして責めるのは少々酷な話だ。というのも彼の歌声は地声と異なりハイトーンであり、ソロパート自体も高めのキーに設定されていることが多い。音楽を少しでもかじったことのある方ならご理解いただけると思うが、ハイトーンボイスで声の線が細くなるほどその音程や調子をコントロールするのが難しくなるというのはよく知られた話。さらに松本は歌声に感情を込めて歌うタイプなので(個人的にはそれが彼の魅力でもあると思う)、なおのこと歌を「上手くまとめる」ことが難しいのだ。とはいえ、そういったテクニック的なことはトレーニング等でいくらでも改善できること。むしろ「自分の感情にまっすぐに歌う」といった類のものの方が後天的に身につけるのは難しいのだ。事実、松本の歌唱はキャリアを重ねるにつれ年々良くなっているように思う。昨年発表されたアルバム『LOVE』収録の「Dance in the dark」におけるスイングジャズに乗った歌声しかり、円熟味を増してオトナの甘い雰囲気を醸し出せるようになってきた。元々彼のソロ曲はジャンルをまたがりバラエティに富んだものだったが、今後どういった楽曲にチャレンジしていくのか。アダルティな方向も味があって魅力的だが、個人的には若いころのような元気に満ちた勢いある楽曲も聴いてみたいところだ。
これまで1ヶ月半に渡ってお届けしてきた「嵐シリーズ」もひとまず終了。はじめは一人ひとりについて果たして書くことができるか不安に思っていたが、書き終えて思うのは「まだまだ書き足りない」ということ。それだけ嵐は奥深く、端的に言ってオモシロイ。これは追っかけやファンならずとも同様だと思う(※筆者は男、嵐のメンバーと同性です)。その魅力を多くの人に伝えられるよう、今後も不定期でメンバーに焦点を当てた記事を執筆していきたいと思うので、引き続きリアルサウンドにご期待ください。
(文=北濱信哉)