嵐・二宮和也はソロ向きのシンガー? 個性際立つ歌声と作詞術に迫る
いつの間にか恒例(?)となった嵐メンバーの歌唱力分析。前回【嵐の「歌割り」を劇的に変えたキーマン 櫻井翔の歌唱法の変化をたどる】に続き、第三弾となる今回は二宮和也を取り上げる。嵐イチの演技派としてドラマから映画、舞台まで大活躍の彼だが、果たしてシンガーとしての実力は?
二宮和也の歌唱力については「嵐のなかで2番目に上手い」というのがもっぱらの評価だ。ファン投票による「歌がうまいジャニーズランキング」においても8位にランクインしている(1位は大野智)。声量は嵐メンバーのなかでも随一だし、声質そのものが高音寄りでよく響くため、キーの高いパートでは一番しっくりくる。一方で、ライブでの歌唱は好調なときと不調なときの差が見られるが、デビュー時に比べると成長著しい。課題があるとすれば、彼自身の強みでもある声の特徴(声量・声質)が他のメンバーと時にフィットせず、ユニゾンやハモリのパートを聴くと「浮いている」ように感じられることもある点だろう。歌い方が他のメンバーに比べアーティスト然しているのもその一因かもしれない。良くも悪くも「個性」の際立つシンガー、それが二宮和也なのである。
上記のような理由から、二宮の歌が最も映えるのはソロ楽曲であるように思う。彼は歌に抑揚をつけるのが得意だし、楽曲ごとに歌唱を変えることができる。例えば「秘密」ではポップで明るく歌う一方「虹」ではウィスパーボイスに近い声で優しく歌い上げているように、それぞれの楽曲に合わせてスタイルを変えることができる歌い手だ。ユニゾンだと時に「浮いている」ようにも聴こえた歌声もソロ曲だと全く違和感なく、むしろ生き生きとして聴こえるように思う。