SMAP中居正広が音楽番組を変える——司会者としての「成熟」と「進化」を検証
数多くの経験を経てきたうえで、新しい一面を見せることになった今回の『Sound Room』。実際の放送ではその役割を果たせているのだろうか。過去10回の放送では、バラエティ性の高い歌手には高いテンションで接しつつ、絶妙なタイミングで核心を突く心情に切り込んでいったり、苦労をしてきた若手アーティストに対しては、これまで音楽の世界で生きてきた先輩として、ねぎらいの言葉をかけるなど、見事にその役割を果たしている。
なぜ中居は音楽番組のMCとしてここまで見事に才能を開花させたのだろうか? その背景には中居にとって音楽への携わり方が変わったことが大きいと思われる。同じ事務所の後輩である「舞祭組(ぶさいく)」のプロデュースがその最たるものだろう。これまでも作詞、作曲で制作に関わることはあったが、初めてプロデューサーとして1つのグループが作る音楽やプロモーションに真摯に向き合ったことによって、彼自身の音楽への価値観が「プレイヤー」から「プロデューサー」目線になった分、貪欲に他の作り手から知識や発想を吸収したいという想いも強くなったのかもしれない。
音楽番組におけるMCとしての功績、実力が徐々に評価されつつある中居正広。プロデューサーとしても同じように道を切り拓いていき、評価される日がくるのだろうか。
(文=編集部)