SEKAI NO OWARI、初週10万枚の大台へ 強力なライブ動員力がCDセールスを後押し

 その他、今週のベストテンを眺めると初登場はアイドル、V系、K-POPといういつもと変わらぬメンバーであるが、PVが激サイバーでカッコよい7位のBiSとか、韓流とはいえバンド系として息の長い活動を続けてきたFTISLANDが初週売り上げの数字を落とし始めていることなど、注目できる点は意外と多い。しかし特に気になるのはBUCK-TICKの1年4カ月ぶりとなる両A面シングル『LOVE PARADE/STEPPERS -PARADE-』が1万枚を売り上げて9位になったこと。2012年にバンド25周年記念として製作され、2013年公開のドキュメンタリー映画で主題歌となった楽曲を2014年にリリースするというめちゃくちゃ気の長い話であるが、しかしこの鋼のような揺るぎなさこそがいかにもBUCK-TICKという感じである。

 商品構成も初回限定盤と通常盤のみという男らしさであって、今どきのバンドのように複雑な商品構成にすれば売れるかもしれないけど、そもそもそんな必要を感じていない、といった風情である。しかし熱心なファンが買い支えているという意味では、実は彼らも派手に複数枚で展開しているミュージシャンと同じなのかもしれない。おそらく、目指すものが違うのだ。

■さやわか
ライター、物語評論家。『クイック・ジャパン』『ユリイカ』などで執筆。『朝日新聞』『ゲームラボ』などで連載中。単著に『僕たちのゲーム史』『AKB商法とは何だったのか』がある。Twitter

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