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風間俊介、作品に“奥行き”もたらす存在に 『西郷どん』橋本左内役の完璧さ

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 江戸編が始まってから、物語が大きく動き出して俄然面白くなってきた大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)。ときに暴走するカリスマ性の塊、薩摩藩主・島津斉彬(渡辺謙)や、輿入れ間近の篤姫(北川景子)と吉之助(鈴木亮平)の精神的な距離が縮まったことも気になるが、風間俊介演じる越前福井藩士・橋本左内の登場が、作品に奥行きをもたらしたと言ってもいいかもしれない。

 左内の存在によって、これまで描ききれていなかった吉之助の等身大としての内面を垣間みる場面が増えた。時代のうねりに翻弄されながらも、さまざまな出会いを通して吉之助が大きく成長(皆が知る西郷隆盛へと変貌)を遂げる萌芽が見える。

 胸板も厚く、体格のいい鈴木亮平が演じる吉之助の横に並ぶと、小柄な風間俊介はより華奢に見える。ちょっと生意気そうだけど可愛い利発な男子という印象だ。押しが強くなくても、その落ち着いた声は安心感を与え、自然に耳を傾けたくなる。15歳のときに志を記した『啓発録』を執筆して幼い頃から勉学に励み、その非凡な才能を藩主である松平慶永(春嶽)に見出されたという史実の橋本左内のイメージにそのまま重なる。

 西郷は左内のことを、「友として最も尊敬する」と評していたそうだ。おそらく、西郷にとっても、左内にとっても、お互いの人生において特別な出会いだったのだろう。西南戦争で亡くなった西郷の胸元には左内からの手紙があったという。彼にとって、忘れたくない存在であり、一緒に過ごした時間が特別だったという証である。逆境の中にいても、最高の出会いは人生を豊かにしてくれる事実は変わらない。見た目も言動も正反対のように見える2人だが、志の高さや想いの強さなど共感する部分が多かったのかもしれない。

 2人が品川の磯田屋で出会うべくして出会い、ヒー様こと一橋慶喜(松田翔太)を挟んで会話をしている様子も、その緊張感のなさに妙に安心する。このやりとりをずっと見ていたいと思うが、黒船に乗ったペリーは来て開国を迫っているし、徳川家の世継ぎ問題は深刻だ。そして、史実としてわずか数年後に、左内は非業の死を遂げることとなる。

      

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