『ばけばけ』は10年後さらに凄さが分かる? 夏目透羽ら若手キャスト陣の抜擢理由

『ばけばけ』夏目透羽らキャスティング理由

 髙石あかりがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が現在放送中。松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々を描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

 第20週、舞台は松江から熊本へ。松野家の人々に“何もさせない女中”のクマ(夏目透羽)が登場し、早くも存在感を放っている。

 制作統括の橋爪國臣は「クマは熊本の田舎の方の出身で、身寄りがない中、女中として一生懸命に働いていたんです。けれども、ちょっとしたミスでクビになってしまい、彷徨っていたところをたまたま女中の募集をしていたヘブン(トミー・バストウ)さんに雇ってもらった。その恩に報いるためにも『絶対に失敗してはいけない』という思いが強くあり、責任感が空回りしているキャラクターです」と、裏設定も含めた人物像を明かす。

 演じるのは、21歳の夏目透羽。ヒロインオーディションに参加した俳優の中から、クマ役で再オーディションを実施。クマのセリフを用いた審査を経て、夏目の起用が決まった。

 橋爪は「夏目さんはこれまでほとんどキャリアがない、新人に近い方なんですが、すごくお芝居のセンスがいいなと思います。明るさもあるし、初々しさもある。途中から松野家の中に入るのは大変ですが、そこに体当たりで入ってくれる子がいいなと思って彼女を選びました」とキャスティングの経緯を語る。

「お芝居のうまさは大前提として、クマ役は無垢で損得勘定がなく、純真なお芝居ができる方がいいなと。それから、トキ(髙石あかり)より年上に見えたくないな、ということもありました。トキが頼れる人とか、トキに何か物を言うような人にはしたくなくて、その点も含めて夏目さんかなと思いました」

 現場入りの際には、かなり緊張していたという夏目。橋爪は「初めての朝ドラで、周りには超ベテランの俳優たちが揃っている。しかも、すでにみんなの空気が出来上がっているところへ突然、新人が一人放り込まれることになったので、ガチガチに緊張していました。なので、『こんな芝居をしなきゃ』とは考えず、等身大で、そこに生きている感じでやってもらえたらいいよ、と。彼女はそれができる俳優だと思うので、そういう話をしました」とクランクイン時を振り返る。

 そんな夏目に積極的に声をかけたのは、フミ役の池脇千鶴。司之介役の岡部たかしも俳優陣の食事会に誘うなどして交流を深め、夏目も次第に現場に溶け込んでいった。

「途中から入ってきた人が、自然と家族になっていく。スタジオの中でもそうですし、スタジオの外でもそんな感じでした。夏目さんはすごく人懐っこいし、フランクだし、よく喋る。みんなに愛される子で、スタッフからの人気も高いです」

 実際の芝居についても、橋爪は「オーディションで見せてくれた力をちゃんと発揮している」と高く評価。「みんなに好かれる、印象に残るキャラクターになっていると思います」と手応えを示した。

円井わん&さとうほなみの名演がキャラを作った? 『ばけばけ』オーディションの裏側

朝ドラ『ばけばけ』。サワ(円井わん)となみ(さとうほなみ)はヒロイン最終選考からの起用。なみの結婚やサワの展開は、両名の芝居が制…

 『ばけばけ』ではトキの幼なじみ・サワ役を演じる円井わんが、本作をきっかけに大ブレイク目前。夏目もまた、俳優界の次世代を担う存在として注目を集めることになりそうだ。

 橋爪は「僕としては、オーディションで抜擢した方も含めて、芝居がしっかりできる方を選んだつもりです。なので、そういう方々がきちんと評価されて、正当に“いい役”をたくさん演じて、羽ばたいてくれたら嬉しいなと思いますね。夏目さんもそのうちの一人です」と笑みをこぼす。

「熊本編になって、書生を演じる日高(由起刀/正木清一役)くんと、杉田(雷麟/錦織丈役)くんの登場シーンも増えましたが、彼らもとてもいいですよ。きっと20代前半の俳優の中で、ネクストブレイクの筆頭だと思います。それは、トキとランデブーをした小谷春夫役の下川(恭平)くんもそうです。10年後にこの作品を観たときに、『豪華だったね』と言えるといいなと思います(笑)」

 ベテラン俳優陣のたしかな表現力に加え、若手俳優たちの瑞々しい演技が光る『ばけばけ』。物語の行方のみならず、彼らの今後の活躍からも目が離せない。

■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK

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