浅利陽介と比嘉愛未に祝福の声 『コード・ブルー』第3話で描かれた“命より大切なもの”

浅利陽介と比嘉愛未に祝福の声

 「命さえあれば、いつか大切なものを失った辛さをも乗り越えられると、医者は信じているから」。7月31日に放送された『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系/以下、3rd season)の第3話。「命とその人が命よりも大切だと思っているもの、どちらかを選ばなければならない。中には、命を捨ててでも、大切なものを選びたいと望む人もいる」という藍沢耕作(山下智久)のナレーションから始まる。そして、「それでも、医者は命を優先する」と続くのだった。

 第3話のテーマは“命より大切なもの”。「結婚しよう」という藤川一男(浅利陽介)の一言から始まる。相手はもちろん冴島はるか(比嘉愛未)だ。藤川のプロポーズに、「私が妊娠してなかったら、結婚しようって言った?」と怒りながら返す冴島。その問いに藤川は「え?」とただ戸惑うばかりだった。

 3rd seasonの第1話で、藤川と冴島が付き合い、同棲するまでに発展していたことを知る。さらには、冴島が妊娠していることも発覚し、視聴者に衝撃を与えた。『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE SECOND SEASON』(フジテレビ系/以下、2nd season)の放送から7年の時を経て、ドラマの中でも着実に時間が流れていたことを実感させられる3rd season。登場人物たちもこの7年の間、しっかりと日々を積み重ねていたのだ。その中でも、藤川と冴島の関係性は最も進展しているのではないだろうか。

 2nd seasonの第5話“愛する人”で、冴島の恋人だった田沢悟史(平山浩行)の容態が急変し、亡くなってしまう。ドクターヘリの要請が入り、愛する人の最期に立ち会えなかった冴島。そんな彼女になんて声をかければいいか悩んでいた藤川は、ドクターヘリのパイロット梶寿志(寺島進)に相談し、「声なんか必要ねえよ。ただ、そばにいてやればいいんだ」というアドバイスを受ける。だが、その“そばにいる”ことですら、中々上手くできない。冴島にとって“光”だった田沢は、あまりにも大きい存在だった。彼を失い、「いなくなりました。私を必要としてくれる人はもう」と力なく口にする冴島。そんな彼女に対し藤川は、一度は目を背けてしまう。自信がなかったのだ。冴島に一途に想いを寄せているも、亡くなった冴島の恋人・田沢は人望も厚く、医師としても優秀。だからこそ、「叶わねえよ、もう……絶対」と一度は諦めようともしていた。

 だが結局、冴島への想いを断ち切ることはできず、藤川らしい言葉と持ち前の明るさで彼女を励まし、そばで支え続ける。藤川の優しさに気付いた冴島もまた、徐々に心を開いていく。そんなふたりだが、2nd seasonでは結ばれることはなかった。だからこそ、3rd seasonで恋人同士になっているふたりの姿をみて、思わず顔がほころんだ視聴者も少なくないだろう。藤川は、冴島の“寄り添える相手”になっていたのだから。

 そんな幸せいっぱいに見えたふたりの関係性も一筋縄ではいかない。先述した冴島の“妊娠”が発覚したことにより、摩擦が生じるのだ。嬉しさのあまり舞い上がる藤川に対し、仕事が今一番楽しい時期だからこそ、手放しに喜べない冴島。さらに、ふたりでゆっくり話し合う時間も取れない上に、藤川が白石恵(新垣結衣)、緋山美帆子(戸田恵梨香)らに妊娠したことを言ってしまい、冴島は怒ってしまう。徐々にすれ違っていくふたり。そんな中、ドクターヘリ内で原因不明の汚染が発生し、冴島が気を失う。原因を解明し、処置を施すも、脳実質の腫れが強く、このまま目を覚まさないで植物状態に陥る可能性があるという現実を突きつけられる。そんな彼女を見た藤川は、「お腹の子のためにヘリ降りてほしい」と、今朝伝えられなかったことを後悔するのだった。

 見守り続ける藤川の横で、冴島の瞼がゆっくりと開く。冴島の“体は生きたがっていた”のだ。お腹の子のために。目を覚ました冴島に、藤川は「俺ね、ずっと考えてたんだ。よくわかんなかった」「はるかが妊娠してなかったとき、俺が結婚したいと思ってたかなんて。だって、そのときには戻れないし」と語り出す。その言葉を聞いて呆れる冴島に、「いや、違うんだ。俺、今の気持ちならはっきりわかる。俺は、はるかと生きたい。お腹にいる子と3人で。もっと増えるならそれもいい。とにかくずっと、はるかと生きていきたい。だから……。結婚してほしい」としっかりと冴島の目を見てプロポーズする。そんな藤川の言葉に涙し、「目を覚ましたとき、私、最初に誰のことを思ったと思う?」「赤ちゃん。私と、あなたの赤ちゃん」とお腹をさすりながら微笑む冴島。ふたりの子が、ふたりの“光”になり、そしてまた、ふたりにとって“命より大切なもの”になったのだった。

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