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誰も見たことのないGACKTの姿も!? 沖縄国際映画祭の注目作を厳選レビュー

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 「ラフ・アンド・ピース(笑いと平和)」をメインテーマに、コメディ作品が中心に扱われる沖縄国際映画祭(4月20日~23日)は、すでに開催9回を数え、映画のみならず、お笑い、音楽、スポーツなど、様々なイベントが沖縄全島で開催されるようになり、春の風物詩となっている。

 今回、その取材旅行に参加するなかで、取材と上映スケジュールを選びながら、注目の上映作品をピックアップして鑑賞することができた。GACKT主演作品や、映画プロデューサー奥山和由による監督作、才能にあふれる海外作品など、日本でまだ公開されていない、個性あふれる映画を紹介していきたい。(メイン写真:最終日のレッドカーペットにて)

インドネシアのギャグ&ミステリー映画『HANGOUT ハングアウト』

20170430-okinawa-05th.jpg©Rapi Films

 自然に囲まれた美しい緑の島に集められた招待客9人が、閉鎖的な環境下において一人、また一人と連続殺人の犠牲者となっていくという、ある意味ではありふれた設定のミステリー映画だ。しかし、その殺人描写にはふんだんにギャグが盛り込まれ、笑いと殺人、謎が交錯する奇妙な味わいの作品となっている。日本でいえば、TVドラマ『TRICK トリック』の雰囲気も思い出され、上映会場では何度も爆笑が起こっていた。そのあたり、よしもとのお笑い芸人COWCOWの「あたりまえ体操」が何故かインドネシアでブレイクするなど、日本とインドネシアとの笑いの感覚に近しいところがあることを示す部分なのかもしれない。

 原作、監督、主演を担ったラディチャ・ディカは、コメディアンであり役者であり監督もこなすマルチタレントで、ツイッターのフォロワー数が1500万人以上を誇るインドネシアの超人気者である。それも頷けるほど、彼の紡ぎ出すギャグはクリーンヒットを連発していく。下ネタが多く、殺人を笑いに転化する不謹慎な内容も多いが、そこを上手く洒脱に着地させるセンスを持っているのだ。

 作中でラディチャ・ディカ演じる同名の主人公は、「最近、コメディアンの映画進出が増えている。自分が人気者過ぎることの恨みから命を狙われるのだろうか…」と思い悩むという、この映画自体をすら俯瞰するメタ視点が導入される実験性など、幅広い才能の豊さに感心させられる一作だった。

台湾の「タラレバ娘」映画!?『マイ・エッグ・ボーイ』

20170430-okinawa-09th.jpg©TOUCH OF LIGHT FILMS LTD.

 仕事をバリバリこなしてきたが、恋愛面では上手くいかないアラサー女性が、幸せな結婚や、出産に対する焦りに悩みながら日々奮闘するという内容で、台湾版の『東京タラレバ娘』といえるかもしれない。タラレバ娘では、擬人化されたタラの白子とレバテキが登場し、アラサー娘に現実を突き付けて追い詰めたが、本作ではかわいい衣装に身を包んだ、主人公の卵子が擬人化されて登場する。主人公は最愛のパートナーを見つけ出産する時間的な猶予を得るために、卵子を凍結する道を選ぶのだ。少年によって演じられる冷凍卵子(マイ・エッグ・ボーイ)は、生まれてくるのを待つ多くの仲間(他人の冷凍卵子たち)とともに、保管装置のなかで長い長い冬を過ごす。この現実離れした幻想的なシーンが、本作に映画作品としての強い力を与えている。

 会場にゲストとして登壇し、ハンサムさを印象付けた鳳小岳(リディアン・ヴォーン)が演じる、イケメンシェフとの恋愛や、冷凍食品で繋がった母娘の愛情、そして南国・台湾人のあこがれだという、雪と氷に包まれたアイスランドの静謐な風景、そして晩婚傾向や少子化問題など、様々な要素が登場する本作だが、それらが一本の作品のなかでバランスよく整理され機能しており、観客を飽きさせずにテーマを伝えることに成功している。小説家、脚本家として活躍し、映画監督としても国際的に評価される、沖縄国際映画祭の常連、傅天余(フー・ティエンユー)監督の手腕は見事である。

      

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