『ファンタビ』監督インタビュー 「ハリポタ」シリーズとの大きな違いとは?

『ファンタビ』監督インタビュー

 「ハリー・ポッター」の新シリーズ『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が明日、11月23日にいよいよ日本公開される。先週末(11月18日〜20日)に米国で公開を迎えた本作は、週末3日間で約7400万ドル(速報値)の興行収入を記録し、全米興収ランキングで1位を獲得している。(参考:Box Office Mojo調べ

 本作は、魔法動物をこよなく愛する魔法使いニュート・スキャマンダーが、1900年代初頭のニューヨークを舞台に、魔法界を震撼させる事件へと巻き込まれていく模様を描くファンタジー映画。リアルサウンド映画部では、監督のデヴィッド・イェーツにインタビューを行い、「ハリー・ポッター」シリーズとの違いや続編について語ってもらった。

「ハリー・ポッターと全く異なる内容」

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デヴィッド・イェーツ監督

 デヴィッド・イエーツ監督は、J・K・ローリングの脚本に感動し、今回のオファーを引き受けたという。

「私が撮る作品を選ぶ時、なにより大切しているものは脚本なんだ。長期間、朝から晩まで作品を作り続けるためには、作品に対して愛情と情熱を持つ必要があるからね。J・K・ローリングの脚本は愉快で感動的な上、そこで語られるテーマも奥深いものだった。一目見てすぐに興味を惹かれたよ。それに、以前監督した「ハリー・ポッター」とは全く異なる内容であることも決め手になった。私としては、新しい章を開いた感じだよ」

 前シリーズの「ハリー・ポッター」は、ハリー、ロン、ハーマイオニーのトリオがホグワーツ魔法魔術学校を舞台に大冒険を繰り広げていく物語だったが、本作ではニュート(エディ・レッドメイン)、ティナ(キャサリン・ウォーターストン)、ジェイコブ(ダン・フォグラー)、クイニー(アリソン・スドル)の4人組が、勇気と知恵をあわせてニューヨークで起こる大事件に立ち向かっていく。イェーツ監督は過去、「ハリー・ポッター」シリーズの後半4作品を手掛けているが、J・K・ローリングの脚本で制作するのは初めてのこと。監督にとって、「ハリー・ポッター」シリーズと『ファンタスティック・ビースト』では、どんな違いがあったのだろうか。

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「「ハリー・ポッター」と違い、今回はメインキャラに子供が登場しない。しかし、ニュートたちは大人の容姿をしているけど、無邪気な子供心を忘れずに持っているキャラクターなんだ。子供がそのまま大人になった、と言うべきかな。彼らは純真さや皮肉のない理想主義を抱きながら生きている。つまり、大人と子供のどちらの側面も持っているから、様々な描き方ができるんだ。きっと観ている人も、子供時代に持っていたであろう純真さを思い出すんじゃないかな」

 魔法動物にしか関心がないニュート、類まれなる勇気と好奇心を持つノー・マジ(人間)のジェイコブ、仕事に高い誇りを持つが頑固者のティナ、心優しくチャーミングなティナの妹・クイニー。この4人が、時にぶつかり助け合いながら絆を深めていく様子も、本作の見どころのひとつだ。

 さらに、魔法や魔法動物、不思議な魔法道具など、『ファンタスティック・ビースト』の世界を取り巻く魔法の数々は、J・K・ローリングの世界観を忠実に再現していると説明する。「J・K・ローリングの脚本は非常に理解しやすかった。彼女は、魔法や魔法動物のビジュアルについて、とてもわかりやすく明記してくれるんだ。彼女から指標となる地図を渡されて、それをもとに僕やコンセプトアーティスト、そのほかのスタッフチームが一丸となって、『ファンタスティック・ビースト』の世界を実現していくような感覚だったよ。彼女のアイデアを、必要に応じて僕たちが独自に解釈し、制作を進めていくこともあった。そんな時でも彼女は、『あなたたちがやるべき仕事をまっとうして』と僕たちのアイデアを快く支持してくれたよ」

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