嵐・松本潤と風間俊介が熱演『99.9』第2話は秀逸だった! 定番テーマ“正当防衛”をいかに描いたか

 それ以外にも、第1話では突発的すぎた小ネタの数々を今回はきちんと活かしていた。例によって解決編の手前で料理を振る舞う深山であるが、序盤で岸部一徳演じる班目とモーニングを食べに行くときに出した調味料セットを駆使し、料理や食材への愛情を感じさせる。さらに、榮倉奈々演じる立花のプロレス技が登場し、言葉と持ち物だけでしか表現されなかったプロレス好きの部分がより明確に表現されているのである。また、重要な証拠を握ったホームレスが名前を聞かれて「丹下段平」ですと言ったときに、香川の表情が映るのはなかなかユーモラスな一コマであった(香川は実写映画版の『あしたのジョー』で丹下段平を演じていた)。

ところで、主人公・深山を演じる松本潤が83年生まれで96年にジャニーズに入所。今回依頼人を演じた風間俊介は同じ83年生まれで97年に入所しているので、松本のほうがわずかに先輩のようだ。ほとんど同期と思っていたが、ドラマとなると、やはり演技経験が豊富な後輩の風間のほうが安定感のある芝居を見せてくれる。ちょうど放送日の前日から、風間がジャニーズ俳優としては珍しくレギュラー声優を務めている『遊・戯・王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』も公開され、なかなかのヒットを飛ばしている。トーク番組で笑福亭鶴瓶から「ジャニーズらしくない」と言われていた風間俊介だが、事務所がどこであるかに関係なく、今後さらに素晴らしい俳優になるのではないかと密かに期待している。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■ドラマ情報
『99.9−刑事専門弁護士−』
出演:松本潤、香川照之、榮倉奈々ほか
脚本:宇田学
トリック監修:蒔田光治
プロデュース:瀬戸口克陽、佐野亜裕美
演出:木村ひさし、金子文紀、岡本伸吾
製作著作:TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/999tbs/

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