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伊藤沙莉と佐久間由衣、ガールズラブをどこまで描ける? 初主演『トランジットガールズ』への期待

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降谷建志
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 渋谷区で同性のパートナーシップ条例が制定されてから、日本国内におけるLGBTへの関心が急激に高まったような印象を受ける。それを証明するかのように、今期は民放テレビドラマでこの題材を扱っている作品の活躍が目立つ。日本テレビで放送されている『偽装の夫婦』では、同性愛者の男が元恋人であった女性と偽装結婚を行うラブコメディで、ここまで10%以上の高視聴率を維持し続けている。

 もっとも、男性同士の恋愛を描いた作品というのは、国内の一般映画のフィールドでは木下恵介の『惜春鳥』を皮切りに、頻繁に題材として取り上げられてきたが、それでもテレビドラマという場においてはあまり重く取り上げられてはこなかった。一方で、女性同士の恋愛に関しても同様で、前述の『偽装の夫婦』の中でも比重は大きくないが描かれているが、こちらは国内の一般映画の中でもあまり深く描かれることはされておらず、どちらかといえば少女漫画的な思春期の少女の、同性への憧憬的なものとして描かれてくることが多かった。

 それを踏まえると、フジテレビで現在放送中の『トランジットガールズ』が、「連続ドラマ史上初めてガールズラブを描く」と紹介されることは、嘘偽りのない看板である。高校三年生の主人公と、義理の姉との恋模様を描くこのドラマは、『テラスハウス』の前田真人が演出を務めているだけあって、随所に〝テラハ〟要素を匂わせる。ひとつひとつのシークエンスで描かれる空間がかなり限定され、カット割りも極力排除しているのであろうか、引きのショットで全体をとらえる長めのカットが目立ち、深夜ドラマという位置付けもあってか、どこかインディーズ映画のような雰囲気も漂わせているのだ。

 父親の再婚によって新しく家にやってきた母娘に困惑したり、幼なじみや友人との関係の中で、異性を理解することの難しさを感じる少女・小百合の姿を描くというのは、いかにも少女漫画で扱われてきたような典型的な描写であり、そこに義理の姉・ゆいとの同性愛を描くという、これまでに避けられてきたテーマを入れることによって、このドラマが少しばかり画期的に映るのである。

 ちょうど半分の第4話までの放送を観ていく中で、直接的に描かれるのは二度のキスシーンのみである。それ以外は二人の距離が徐々に近付いていくことをじっくりと、それでいて淡々と描いているのであって、前述したようなこれまでの国内のガールズラブ作品に多かった、憧憬的な感情はほとんどないものとして見受けられる。それでも、どこか2年前に日本に上陸した話題作『アデル、ブルーは熱い色』から影響を受けているのではないかという気がするのは、このキャスティングのせいであろうか。

     
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