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Lenny code fiction、『僕のヒーローアカデミア』との理想的な関係 OP曲のメッセージを読む

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 2016年のメジャーデビュー以降、これまで配信限定を含む4枚のシングルを発表し、妖艶な雰囲気を漂わせるスタイリッシュなロックサウンドと華のある佇まいで10代~20代を中心に人気を集めてきた4人組バンド、Lenny code fiction。彼らが2017年12月の配信限定シングル「AWAKENING」以来となる最新シングル『Make my story』を完成させた。テレビアニメ『D.Gray-man HALLOW』(テレビ東京系)のオープニングテーマに抜擢されたデビュー曲「Key -bring it on, my Destiny-」以降、これまでも様々なアニメとのタイアップを実現させてきた彼らだが、「Make my story」はテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ系)の最新オープニングテーマに決定。8月22日の発売に先駆けて同アニメの7月14日放送回より先行オンエアされる。

 『僕のヒーローアカデミア』は『週刊少年ジャンプ』で連載中の堀越耕平によるシリーズ累計発行部数1500万部を超える人気マンガを原作としたテレビアニメ作品。総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界で、その個性を悪用する“ヴィラン”から人々を守る職業 “ヒーロー”になることを目指して雄英高校に通う主人公・緑谷出久(みどりやいずく)の成長や冒険、仲間や教師たちとの友情/情熱/絆を描く。ヒーローに憧れつつも同世代には珍しく何の超常能力も持っていなかった無個性でいじめられっ子の少年が、自分を顧みず人を助ける資質をNo.1ヒーロー・オールマイトに認められ、彼の能力「ワン・フォー・オール」を引き継いで自分の道を切り開く、ジャンプの王道の系譜に連なる人気作品だ。

 そうした作品の熱気に呼応するように、オープニングテーマはこれまで一貫してロックとの親和性が高いバンド/アーティストが起用され、ポルノグラフィティ(「THE DAY」)、米津玄師(「ピースサイン」)、amazarashi(「空に歌えば」)、UVERworld(「ODD FUTURE」)という錚々たる面々が担当。今回Lenny code fictionの「Make my story」が起用されることとなった。

 今回の「Make my story」は、Lenny code fictionのライブでの熱量全開の演奏を髣髴させるような、キャリア史上最もアッパーで疾走感溢れるロックチューン。絡み合う2本のギターによる強力なフックを持ったイントロが高揚し、ドラムによる人力ダンスビートと高速で動き回るベースが支えるキメや緩急のメリハリが意識されたAメロを経て、サビ前の〈Make my story〉というコーラスを起点に巨大なサウンドと歌が広がっていく。何度転んでも立ち上がる主人公・出久のヒーローに対する情熱をそのまま音にしたかのような、彼らの曲の中でもエネルギッシュな魅力を感じさせる新境地だ。同時に、これまでの彼ららしいブリティッシュな音色/フレーズや、歌とギターが2つの主旋律を担当するかのようなこのバンド特有の楽曲構成は、今回も大きなポイントになっている。

 そして歌詞では、「Make my story」というタイトルにも顕著な通り、「自分たちだけの個性を武器に活動していく」というバンド自身の強い決意を込めるかのように、〈きっといつか泣きそうな日は来る/そんな時に振り返れば進める/道を作っていたい〉と、これまでの活動を経てさらに先を目指すバンドの今を、かつてないほどまっすぐなメッセージで表現。それが様々な経験を経て自分だけの個性を見つける出久の姿とリンクすることで、メジャーデビュー以降快進撃を続けてきた今のバンドと、作品が続いていく中で様々な出来事を経た今の『僕のヒーローアカデミア』の両方をさらにブーストしていくような楽曲が誕生した。Lenny code fictionのメジャーデビューと『僕のヒーローアカデミア』のアニメ放送開始はともに2016年ということもあり、もしかしたらここには「お互いにさらに高みを目指していきたい」という、バンドからアニメ作品へのメッセージも込められているのかもしれない。

 実際、今回の楽曲を聴いていると、片桐航(Vo/Gt)がリリース時のコメントでも触れていた、『僕のヒーローアカデミア』の序盤のあの言葉を思い出す。No.1ヒーロー・オールマイトに憧れ、毎日のように彼の動画を観ていた幼少期の出久は、医師に“個性”が顕現しない体質を告げられ、「諦めた方がいい」と諭される。ショックを受け、涙ながらに「僕もなれるかな?」と聞く出久に対して、母親は「ごめんね」と彼を抱きしめる。何もしてあげられない自分を責める母親の苦悩がよく表われたシーンだ。しかし、彼は決して母親を責めたりはせず、自分の力でヒーローへの道を切り開こうと奮闘する。そしてその少年は、時を経てオールマイトに本当にほしかった言葉を告げられるのだ。「違うんだ、お母さん。あのとき僕が言ってほしかったのは、言ってほしかった言葉は――。“君はヒーローになれる”」。ここには逆境をはねのけて自分で道を切り開く、作品の核となるメッセージが凝縮されていた。

 この「Make my story」は、『僕のヒーローアカデミア』の内容に寄り添いながらも、同時にこの先どんなことがあっても力強く先を目指していくという彼らの決意が込められた、アニメ作品とバンドの思いとが理想的な形で手を取り合った楽曲になっている。シングルに収録されるフルバージョンではそのテーマをより深く掘り下げつつ、フル尺ならではのパートも加えられているため、8月22日のシングルリリースも楽しみにしていただきたい。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

■リリース情報
『Make my story』
発売:8月22日(水)
【通常盤(CD)】
価格:¥1,204(税抜)
〈収録曲〉
後日発表予定。

【期間生産限定盤(アニメ盤)CD+DVD】
仕様:読売テレビ・日本テレビ系TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」オリジナル描き下ろし絵柄デジパック・ジャケット
価格:¥1,389(税抜)
〈収録曲〉
後日発表予定。
〈DVD収録内容〉
後日発表予定。

・配信
「Make my story」(TV size)7月14日(土)より先行配信スタート

■ライブ情報
『Lenny code fiction Presents “讃咬”』
6月28日(木)心斎橋 MUSIC CLUB JANUS(大阪)
出演:Lenny code fiction / シナリオアート

7月10日(火)渋谷WWW X(東京)
出演:Lenny code fiction / Brian the Sun

オフィシャルサイト

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