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『We will luck you』インタビュー

オメでたい頭でなによりが語る、楽曲にこめたメッセージ「人を幸せにできる人になってもらいたい」

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 赤飯(Vo)、ぽにきんぐだむ(Gt/Vo)、324(Gt)、mao(Ba)、ミト充(Dr)が「楽しく、幸せに騒げる、底抜けに自由でオメでたいバンド」を掲げて活動している、オメでたい頭でなにより。彼らが、7月7日に配信シングル『We will luck you』をリリースした。表題曲は、7月16日、Zepp DiverCityで行われるワンマンライブ『オメ道楽2018 ~鯛獲るレコ発編~ 本店』の開催を目前に控え、堂々完成させた新アンセムだ。

 リアルサウンドでは、赤飯、ぽにきんぐだむに初インタビューを行い、バンド結成までの道のりや同作収録曲について、さらに彼らが目指すバンドとしてのあり方について話を聞いた。(編集部)

ネガティブなものを全て肯定する

ーーオメでたい頭でなによりの成り立ちについても改めて聞かせてください。

赤飯:僕はソロで言えば10年選手で活動してるんですが、最初は「必ずバンドじゃないと嫌だ」という考えではなくて。もともとバンドは好きでしたけど、ひとまず、自分の声を使って何か笑いが取れないかとか、楽しんでもらえたらいいなというところからスタートしてるんですね。ただ、ライブをやったり、イベントに出たりする時に、やっぱりバンドでやってる時の方がしっくり来るな、自分が一番輝いてるなって感じるようになって。

ーー次第にバンド活動に対する思いが強くなっていった。

赤飯:そうです。あと、途中から人の曲をカバーすることに、あまりモチベーションが上がらなくなってしまったんです。自分の言葉で歌いたい、自分が表現したいことをかたちにしたいという気持ちも強くなって、どうしてもバンドをやりたいと。その後は紆余曲折あって、いろいろ遠回りもしたんですけど、僕のソロのサポートメンバーとして集まってきた今のメンバーたちが「バンドをゼロからスタートさせよう」と言ってくれて。僕は当時ボロ雑巾のようになってたんですけど、みんなに救ってもらいました。

ーーバンドとして赤飯さんを引き入れて、一つのチームになろうとした決め手は?

ぽにきんぐだむ:「この人ってなんでもっと成功しないんだろう」とずっと思っていました。傍からは成功しているように見えていたかもしれないけど、もっと大きくならないとおかしいと。全員彼の才能を認めていて尊敬もしていたので、一緒にやりましょうと話をしました。

ーーぽにきんぐだむさんから見て、赤飯さんはどのような才能を持っていると感じていますか?

ぽにきんぐだむ:爆発力というか、影響力というか。“持ってる”ものでしかないと思いますけど、それに感化されている人たちが多いですよね。

ーー歌声だけではなく、キャラクターも含めて。

ぽにきんぐだむ:そうですね。本当に全部含めて、やっぱり世に出るべき人だなと思っていたので。いろんな才能をお持ちの素晴らしいシンガーさんはたくさんいると思うんですけど、それとはまた違った、僕らが一緒になっていいものが作れそうな人だなと感じさせてくれる人です。

ーーバンドを始めるにあたり、「楽しく、幸せに騒げる、オメでたいバンド」というコンセプトに行きついたのは、なぜだったのでしょう。

赤飯:ソロ時代は「自分が感じたヘイトをそのまま荒々しく吐き出すことがかっこいい」とずっと思ってたんですよ。でも、いざバンドをどういうコンセプトのもとでやっていくのか、何がやりたいのか、どこを目指すのかを考えてみると、それを決めるのに結構時間がかかって。

ぽにきんぐだむ:3~4カ月はかかりましたね。

赤飯:それこそマトリックスを書いて、音楽性はラウド、かっこいい系、おもしろい系……とすでに活躍しているバンドを分類していって「じゃあ自分たちはどこの位置を目指すのがいいんだろう」と理論的に話し合いました。もともと僕がかっこつけることができずに茶化してしまうタイプだったので、だったらもう、そのキャラをそのまま出したらいいんじゃないかという一つの考えはありましたね。漠然とそういう方向はありつつも、でもまだ自分の芯をつかめてないというか、コアがわからない。切腹するじゃないですけど、うわーっと自分の心の中を開いて……。

ーー開いて、中を見てみて。

赤飯:そこで気づいたんですけど、今まで自分はずっとヘイトをそのまま吐き出すことをやっていたけど、実際いろんな楽曲を聴いたり、MVを観ていていいなと思うのは、ポップで明るいものやなって。でもその奥底に、切なさや苦しみが一瞬チラッと見えるもの。結局みんな誰でも苦しかったり、しんどかったりするけど、それを全部噛み砕いて消化したうえで、自分たちはポジティブなスタンスを取っていくんだ、と明るい音楽を届けている人たちに感動していることに気づけたんです。特にバックドロップシンデレラさんやSEBASTIAN Xさんには、本当に感化されました。

ーー確かにオメでたい頭でなによりの歌詞や楽曲からは、生ぬるい楽しさ・幸福感ではなく、力強い肯定感、痛快さのようなものを感じます。

赤飯:僕の名前、赤飯じゃないですか(笑)。この名前がコンプレックスだったんですよ。ソロで始めた時にその先の展開なんて全く想定してなくて。カラオケに行って友だちを笑かしているようなことをWebにアップロードしたのも、みんなからどんな反応が得られるかなっていう好奇心で始めているし。で、バンドを組むにあたって、その名前を変える選択肢もあったんですけど、いやいやいや、逆手に取ったらええやんと思って。赤飯=どんなイメージですか? オメでたいですよね? じゃあ、オメでたいっていう言葉をバンド名に付けたら、オメでたいバンドにボーカルが赤飯。めっちゃ、イコールで結びつくやん! って。

ーーこれまでの活動の全てをのみ込んで、前に進むというか。

赤飯:そうですね。ポジティブにして、ぶつけたっていうところですよね。

ーーそのイメージについてもみなさんで話し合いながら固めていったんでしょうか。

赤飯:最初に「オメでたい」という言葉を絶対使おうと決めたところで、「頭」も付随してきたんです。今までなかなかうまくいかなくてもバンドに夢をずっと抱いて諦めきれなかったのは、すごく皮肉だけど“オメでたい頭やな”と。あと、「赤飯バンド(仮)」として活動していた時に撮影していたチャレンジ動画で「楽しそうでなによりですね」と、ぽにきんぐだむがいつも言ってくれていたんです。「なによりですね」って、すごく日本語独特の表現じゃないですか。漠然と肯定するというか。「オメでたい頭」につけることで今までの過去、ネガティブなものを全部ひっくるめて肯定できる。まさにやりたいことに合致してくるなと。いつもファミレスであーだこーだ話をしていて行き詰まると、ぽにきんぐだむが鶴の一声でおもしろいアイデアを出してくれるんですけど、バンド名の時もそうでしたね。満場一致で、一瞬で決まりました。

ぽにきんぐだむ:カチッとはまって。この名前、すごくポジティブですよね。このバンド名だからここまでうまく来れた気もしますし。あと、当時、変わったバンド名も流行りの風潮ではありましたし。

赤飯:たまたま時代に合っていたというか。狙いにいったというよりは、ホンマ、たまたまやったので。ありがたいですね。ホンマにツイてる。

ライブがどれだけ楽しい光景になるか

2018年7月7日配信「We will luck you」トレーラー

ーーここからは『We will luck you』について聞かせてください。今作にもあるように、オマージュを楽曲に巧みに取り入れるのがバンドの一つの持ち味となっていますが、そのモチーフはどのように決めているのですか?

赤飯:どれも雑談レベルからスタートしています。それこそ「We will luck you」はTシャツデザインの話をしてる時で。「We will luck you」は文法的にはおかしいんですけど、あえてなんですよ。最初いわゆるロックアティチュード的な中指を立てたモチーフを使おうと思っていたんですけど、ふとその指を2本にするだけで「fuck」が「luck」になってめっちゃ幸運になるよねって。

ぽにきんぐだむ:マイナスをプラスに変換する。

ーーまさに、バンドコンセプトに近い考え方ですね。

赤飯:そう、そこでQueen「We Will Rock You」のドンドンパッ、ドンドンパッのリズムが浮かんできて「We will luck you」やなって。“聴いてくれる君たちの、みんなの幸せを願っているよ”というメッセージを込めた曲になりました。めちゃめちゃまっすぐで、ボケなし。

ぽにきんぐだむ:常にボケがすごいので、ボケないこともボケになる(笑)。何でもやりようかなと思ってます。ドラえもんのジャイアンがいいことしたら、余計にいい人に見えるというか(笑)。普段いいことを言わないからこそ、ちょっといいことを言ってみるのがいいのかなと。

赤飯:とにかく僕らがズルいのは、バンドが掲げている“オメコア”はジャンルではなくて、アティチュードなのでなんでもOKなんですよ。オメでたいがコアにあれば、何でもありなんです(笑)。

ーー作詞にはお二人の名前がクレジットされていますが、どのように作っていきましたか?

赤飯:これまでは僕が勢いで書いていたんですけど、だんだん作り方が変わってきていますね。

ぽにきんぐだむ:僕、音楽の専門学校を出ているので、途中からだんだん赤ペン先生みたいになってきて(笑)。その時、作詞の勉強も専攻していたので、こういうアプローチをしたら伝わりやすいのではというアドバイスをするようになりました。

ーーディスカッションしながら作り上げることで一人で書く時とは違ったものが見えてくる?

赤飯:たぶん僕のセンスではここまで通用しなかったですよ。アングラ臭がすごいので(笑)。

ぽにきんぐだむ:でも、その独特のセンスを全ては崩したくないという思いもあるんです。

赤飯:最初僕が作ってきたものに対して、お互いの考えをラリーして作っていってるような感じですね。

ぽにきんぐだむ:「We will luck you」に関しては、7回くらいは直してる。

赤飯:いや、9回はいってるんじゃない? 最終的なアウトプットがどうしても僕なので、自分にとって結果が一番しっくりする感じじゃないと、嘘くさくなるんです。このバンドで嘘つくぐらいなら、もう、解散したらええやんと思うし。嘘ついてまで、わざわざアウトプットする必要ないですからね。

ーー今回の曲は、リスナーとの関係にもフォーカスしていますよね。こういったリスナーが引っ張られるような強いメッセージを入れるということは最初から想定していたのですか?

ぽにきんぐだむ:僕らは曲作りにおいてライブの想定しかできていないのが、悪いところでもあり、いいところでもあるんですけど、結局はライブバンドなので。ライブが自分たちの本心というか、ありのままの姿なんです。そこにリーチできる楽曲や歌詞を今は作るべき時なのかなと思って作っています。そこをすっ飛ばしてラブソングを歌っても、何か違うと思うし。

赤飯:現場至上主義なんですよ。どうしても現場が主戦場やし、そこで歌うことをイメージしたものが出てきちゃうんですよね。ライブがどれだけ楽しい光景になるか、こんな光景を作りたいという思いありきで曲作りを始めるので。

ーー楽曲面については、いかがですか?

ぽにきんぐだむ:最初のかたちからかなり変わりましたね。作曲者の意図をぶっ壊したというか(笑)。最初は4~5分の長い曲だったんです。Aerosmithをイメージしたような。サビも別のサビが前にあって、今のサビが後に来てたんですけど。Bメロいらない。サビのサビもいらない。で、ギターソロもいらない。このサビだけを伝えたいと。全部なくして、Aメロ~サビ~Bメロ~サビでドーンと伝わるようにしました。

赤飯:めちゃめちゃそぎ落としたね。

ぽにきんぐだむ:(作曲の)324はイラっとしてたと思うんですけどね(笑)。

ーーメッセージが早く届く、シャープな曲になっています。

赤飯:本当に。こぶしを挙げて「オー!」ってどれだけ近道で言えるかですよね。

ぽにきんぐだむ:この曲を聴いた時、ライブで演奏している時の光景がパーッと浮かんできて。その絵が浮かんだがサビの部分だったので、そこを一番気持ちよく歌えて、演奏できる構成にしなきゃと思ったんです。

ーー逆に言うと、サビがそれだけよかったと。

ぽにきんぐだむ:そうですね。バーッとイメージが出てきました。

赤飯:彼は本当に鶴の一声師匠(笑)。でも、たいがいそれがいい感じに納まるし、みんなが納得できることを言ってくれるので、それはホンマ助かってますね。

ーーサウンドに関してはどうですか?

ぽにきんぐだむ:レコーディングの音もミックスの音も、実は僕たち知らないんですよ。全て324(Gt)、mao(Ba)、ミト充(Dr)に任せているので。ただ、最後の仕上げにちっちゃいスピーカーで絶対聴くようにしています。僕は居酒屋で流れてきた時にいかに耳に入るかどうかを一番大切にしていて。ふと流れてきた時に歌詞がサッと入るとか、すごく印象的なリフが聴こえてくるとか、そういうところがたぶん一般の方の聴いてるところかなと思うので、そこだけは大切にしていて。

赤飯:あとは、聴きやすいかどうか。うちら二人が音に関しては職人じゃないので、わりと一般的な耳で聴けているのではないかなと。

ぽにきんぐだむ:そのへんで売ってる1,000円くらいの安いイヤホンで聴いてみたりもします。

ーーそういった部分でも、あくまで現場主義というか。職人肌のメンバーに加えて、お二人がいることで良いバランスがとれているのかもしれないですね。あまりコアになりすぎても、リスナーがついてこられないということもありそうですし。

ぽにきんぐだむ:そうですね。バンドが陥りやすいパターンというか、自分たちを常に俯瞰で見るようにしないといけないなとは思っています。

赤飯:彼らに任せておいたら、ちゃんとしたクオリティになっているから。安心して手放しで任せられるんですよね。

      

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