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BTS(防弾少年団)は新たな“アイドルファン活動”を根付かせた? 米ビルボード1位獲得の理由を分析

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 5月に行われた『Billboard Music Awards 2018』にて、昨年に引き続き2回目のトップ・ソーシャル・アワードを受賞したBTS(防弾少年団)。今回のBTSへの投票割合は90%を越える結果となった。そして新作アルバム『LOVE YOURSELF 轉 ‘Tear’』のリードトラックである「FAKE LOVE」のステージを韓国よりも先に初お披露目という異例のカムバックとなった。

BTS (방탄소년단) ‘FAKE LOVE’ Official MV

 また、その数日後27日(アメリカ現地時間)には、同アルバムがビルボード 200にて、アジア圏アーティストとして初、英語以外の外国語アルバムとして12年ぶりに1位を獲得したことが発表された。

 『LYS Tear』はスティーヴ・アオキや、The Chainsmokersのほとんどの楽曲の編曲を手がけているDJ Swivel、韓国でロングランヒットしているカミラ・カベロ「Havana」の共同製作者アリ・タンポジなどが参加。アメリカでの活動から生まれたコネクションを十分に生かしたと思われるコラボレーションを聴くことができる。欧米クリエイターとのコラボ曲は11曲中7曲と、割合的にも過去最多。楽曲はR&B的なメロディアスなものがさらに増えている。

 ビルボード 200チャートの初週獲得ポイントは13万5000ユニットで、内訳はフィジカル(CD)10万ユニット/SEA(ストリーミング)2万6000ユニット(3910万回換算)/TEA(音源ダウンロード)9000ユニット。目立つのはやはりフィジカルであるCD販売割合の多さだ。同日のチャートで2位だったポスト・マローン「beerbongs & bentleys」が1位を獲得した初週の獲得ポイントは46万1000ユニットだったが、内訳はフィジカル15万3000/SEA28万8000(4億3130万回)/TEA2万であり、ストリーミングの割合が一番多い(ストリーミングは同アルバムから合計1500回聴かれると1ユニット、DLは合計で10曲DLされると1ユニットに換算される)。

 アメリカでの音楽消費傾向はCDとDLが年々減る傾向にある一方で、現在はストリーミングがほぼ主流となっている。よって「一般的なヒットアルバム」のほとんどがストリーミングによって聴かれているのが現状だ。その状況下でのフィジカル販売量の多さは、そのままアイドルとしてのファンドムの大きさを反映していると言ってもいいだろう。『WINGS』(2016年発売のアルバム)のアメリカでの初週売上は1万6000ユニットでCD販売量が1万枚だったことを考えると、2年で10倍という驚くべき成長率と言える。

 以前こちらの記事でも述べたように、アメリカのKPOPファンドム、特にBTSのファンドムは韓国のアイドルファンドムのファン活動スタイルをそのまま継承している。特にアワード投票やチャートへの介入には非常に熱心であり、それがメインのファン活動とも言える。そのような支持を強く受けたアルバムがチャートの1位を獲得するということは、「KPOP」という音楽ジャンルを越えて「韓国のアイドルファンの応援方法」というカルチャーそのものが、アメリカに上陸して根づきつつある証と言えよう。

 一方、アルバムのタイトル曲である「FAKE LOVE」はPSYの「江南スタイル」(2012年)以降初めてHOT100のトップ10にランクインした。音源チャートであるHOT100上位にランクインすれば、一般層から人気を得ている楽曲、というイメージもあるだろう。しかし、その裏側では、アメリカだけでなく多くの海外KPOPファンも韓国のファンと同様スミン(リストで無限にストリーミングを回す行為。韓国のアイドルファンの間では一般的に行われている)を様々なアカウントで呼びかけて、実施されている(韓国のMelonチャートは24時間あたりの固有リスナー数がわかるようになっており、スミンが行われている曲はグラフで目視できる)。スミンの概念は、もともとアメリカには存在していなかったが、元来ビルボードチャートは「純粋な売上のランキング」ではなく「どれだけ聴かれて/見られているか」「話題になっているか」ということが重視されるチャートである。SNSでの盛り上がりや音源・YouTube等での回転数など、KPOPアイドルファンドムが力を入れるポイントと相性が良いと言える。

      

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