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ニューアルバム『Telepathy』インタビュー

SPECIAL OTHERS ACOUSTICが語る、“自然体”の活動論「将来的なビジョンへの近道に」

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 昨年メジャーデビュー10周年を迎え、コラボ作品集第2弾『SPECIAL OTHERS Ⅱ』をリリース、大規模な全国ツアーを開催するなど、充実した活動を行ってきたSPECIAL OTHERSが、アコースティックプロジェクト“SPECIAL OTHERS ACOUSTIC”(以下、S.O.A)を始動させた。5月16日には前作『LIGHT』(2014年10月)以来、約3年半ぶりとなるニューアルバム『Telepathy』をリリース。「STEADY」「WOLF」「Telepathy」などの新曲6曲に加え、スペアザ楽曲「IDOL」「Birdie」「CP」、2005年にシンガーのLeyonaと共作した「ローゼン」のセルフカバーを収録した本作は、アコースティック楽器の響きを活かした豊かなアンサンブルとともにメンバーの息使いやタッチが生々しく感じられる作品に仕上がっている。メンバー4人に本作『Telepathy』の制作エピソード、S.O.Aに対する意識の変化、5月26日からスタートするリリースツアーの展望などについて聞いた。(森朋之)

制約があるのも楽しい(宮原 “TOYIN” 良太)

ーーSPECIAL OTHERS ACOUSTICのニューアルバム『Telepathy』がリリースされます。デビュー作『LIGHT』のときは“新人バンド”という設定で話をしていましたよね。

宮原 “TOYIN” 良太(以下、宮原):お付き合いいただきまして、ありがとうございました(笑)。

又吉 “SEGUN” 優也(以下、又吉):あくまでも設定ですからね(笑)。

ーー(笑)。それから3年半が経ちましたが、S.O.Aに対する意識、スタンスなどに変化はありましたか?

宮原:まずは生楽器の鳴りですよね。SPECIAL OTHERSではできない曲ばかりだし、やればやるほど楽しくなってきて。

又吉:アルバム1枚だけだとライブの組み立て方も難しいけど、今回のアルバムでかなり増えましたからね。やれることも増えるだろうし、もっと楽しくなるんじゃないかなと。あとはSPECIAL OTHERSとS.O.Aを明確に区別できるようになってきたんですよ。

芹澤 “REMI” 優真(以下、芹澤):うん。今回と前回で意識的に差を付けたわけではないんだけど、(スペアザとS.O.Aの)違いは明確になったし、自分たちもまったくの別物として捉えていて。アコースティックバージョンというと「楽器が違うだけで、基本的には同じことをやっている」と思われがちなんだけど、S.O.Aはまったく違うんです。音像も違うし、音楽性もまったく異なるので。『Telepathy』を作ったことで、その認識はさらに深まりましたね。

柳下 “DAYO” 武史(以下、柳下):さっき“新人バンドという設定”って言ってましたけど、ホントにその通りというか、前作は「新しいプロジェクトを始めた」という感覚があったんですよ。今回のアルバムは前作の反省だったり、「こういうふうにやりたかった」ということを実際に試すことができて。レコーディングのやり方も改良しましたからね。

ーーたとえばどんなところが違うんですか?

柳下:細かいことなんですけど……僕、鼻息が荒いんですよ。

宮原:やる気があるっていう意味ではなくてね(笑)。

柳下:そうそう(笑)。S.O.Aのレコーディングはアコースティック楽器の生音をそのまま録るから、感度が高いマイクを使うんですね。前回は鼻息の音が入らないようにマスクを2枚重ねにしてたんだけど、呼吸が苦しくなって、余計には鼻息が荒くなっちゃって(笑)。だから今回はマスクを1枚にしました!

宮原:音と関係ないじゃん(笑)。

ーー(笑)。それくらい繊細に録音していると。

柳下:そうです、そうです。アンプを通さないので、大きい音が出ないんですよ。だからマイクの感度を上げないといけなくて。ちょっとしたニュアンスも感じてもらえると思います。

宮原:そこがいちばん大きな違いかもね。エレクトリック楽器は、音の信号を増幅させているわけじゃないですか。S.O.Aは楽器から出た音をそのまま録ってますからね。音量、音圧がないぶん、しっかりした技術がないとアンサンブルが成立しないというか。それが難しいところでもあり、楽しいところでもありますね。

ーーなるほど。作曲の段階からアコースティックで演奏することを意識しているんですか?

芹澤:そうですね。使う楽器が違えば、自然と曲も違ってくるので。僕の場合、SPECIAL OTHERSではエレピがメインで、S.O.Aのときはグロッケンと鍵盤ハーモニカを使っているんですが、その時点で思いつくメロディも変わってくるんですよ。楽器を変えること自体がクリエイティブな行為なんですよね。

ーー楽器を選んだ時点で作曲が始まっている、と。

芹澤:はい。ピアノに比べたら楽器に慣れていないから、ふだんの手癖とは違うフレーズが出てくることもあるし、上手くなろうとする練習の過程で見えてくることもあって。

宮原:S.O.Aには“持ち運びしやすい楽器を選ぶ”というコンセプトもあるんですけど、そのチョイスでアンサンブルも変化しますからね。同じメロディでも、演奏する楽器が違えば、印象は大きく違うし。「この楽器でやるのはちょっと難しいよね」という感じで無理してやるのもおもしろいんですよ(笑)。

柳下:そうだね(笑)。

宮原:制約があるのも楽しいですからね。僕らは一切オーバーダビングしないので、レコーディングでも、ライブで表現できることしかやってないんです。人間の両手、両足でやれることしかやらないというか。抑揚のつけ方とかニュアンスとか、やれることは無限にあるんですよね。

ーーアコースティック楽器の抑揚が、ダイナミズムの本来の意味ですからね。演奏しているときに偶然起きることも多そうですね。

芹澤:うん、「偶然こうなった」ということはすごくあります。たとえば僕が1音外したときに、誰かに「それ、いいね」と言われて「じゃあ、こっちにしようかな」ということもホントにあるので。予期せぬ化学反応というか。それはバンドスタイルならではだし、独りでコンピューターに向かって作ってるときは、なかなか起きないことかなと。

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