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『Future Soundtrack』インタビュー

ストレイテナー ナカヤマ&大山&日向、初の3人インタビューで明かす“バンド円満”の秘訣

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 今年メジャーデビュー15周年、バンド結成20周年を迎える4人組ロックバンド、ストレイテナーが通算10枚目のアルバム『Future Soundtrack』を5月23日にリリースする。

 前作『COLD DISC』からおよそ2年ぶりとなる本作は、ホリエアツシ(Vo/Gt/Pf)の歌を全面的にフィーチャーしており、メロディの美しさや声の艶やかさ、言葉の一つひとつがまず耳に入ってくる。その一方で、後ろでせめぎ合うバンドアンサンブルは相変わらずプログレッシブかつクレイジー。そうした多層的な構造により、聴けば聴くほど新しい発見がある作品に仕上がっているのだ。

 昨年、先行リリースされた秦基博とのコラボ曲「灯り」を含め、全曲がラブソングというのもバンドにとって画期的。ここにきて新たなフェーズに入ったストレイテナーは今、どのような心境にいるのだろうか。

 今回は、ホリエ以外のメンバー、つまり日向秀和(Ba)、大山純(Gt)、そしてナカヤマシンペイ(Dr)の3人に話を聞くというユニークな試み。この組み合わせでのインタビューは初めてということで、貴重な内容となった。(黒田隆憲)【※インタビュー最後にプレゼント情報あり】

『Future Soundtrack』サウンドへのこだわり

ーー今作『Future Soundtrack』を聴かせてもらいましたが、とても素晴らしいアルバムでした。作り終えていまの心境は?

日向:手応えをすごく感じていますね。最近はホリエくんの書く楽曲に対して、自分のアプローチがとてもシンプルになってきていて。それも成長の一つなのかなと思っています。より人間らしいプレイができるようになりましたね。

ナカヤマ:ホリエアツシが作った「楽曲」を活かすというよりは、ホリエアツシ「そのもの」を前に出すという意識が年々強くなっていて。このアルバムも、それがうまくいったかなと思っています。

大山:メロディがとってもいいんですよ、最近のホリエくんは。それに対して自分のアプローチは、プラスアルファ耳につくフレーズというのをずっと意識していて。それが今作も上手くいったかなと。メロディを邪魔することなく、歌えるギターフレーズというのができた気がしますね。

ーー制作自体はいつ頃から始まったんですか?

左から日向秀和、ナカヤマシンペイ、大山純

ナカヤマ:最初はアルバム制作というよりは、楽曲単体でツアーなどの合間に作っていきました。例えば、「月に読む手紙」はタイアップ曲だから(『シャープさんとタニタくんRT』テーマソング)、彼も作っている段階でアルバムのことなんか考えていなかっただろうし。

日向:そうだね。なんとなく(アルバムのイメージが)見えてきたのは、「Future Dance」ができたときかな。

ーーアルバム制作に入る前は、「今回はこんな感じで」みたいな話し合いはするんですか?

ナカヤマ:するとしたら、ひなっち(日向)とホリエが新幹線の中で、バカ話の合間に話すくらいかな(笑)。みんなで打ち合わせみたいなことは、僕ら今まで一度もないですね。

日向:そうだね。飲みもないしミーティングもない。

ナカヤマ:飲んだとて、「この酒、うまいな」しか言ってないよね(笑)。アルバム全体のコンセプトを考えるというよりは、ホリエが持ってきた曲単位でいつもアプローチを考えています。

ーーホリエさんはいつも、どんな状態で楽曲を持ってくるのですか?

大山:大抵は弾き語りです。スタジオでみんなが集まった時に、その場で披露して。そこに音を重ねていくような感じ。

日向:前もってデモが送られてくる時もあるけど、その場で弾き語りというパターンが圧倒的に多いかな。

ーーホリエさんの中では、弾き語りの段階で完成形のイメージってあるんですかね?

ナカヤマ:おそらく、ほとんどないと思います。曲によっては、例えば「The Future Is Now」は、『デジモンリアライズ』主題歌の書き下ろしと決まっていたので、ある程度ビジョンなどあると思うんですけど、そうじゃない場合はスタジオで僕らの出方を見るっていう。

日向:待ってるよね。

ナカヤマ:完成形をイメージしたところで、この2人(日向と大山)のアプローチは予想不可能なんですよ(笑)。「うお、そうきたか、なるほど!」って僕も毎回思ってますから。だから面白いんです。よほどのことがない限り、ホリエくんから何かリクエストされることもないし。逆に、弾き語りで披露した後に「この曲、テンポどうしよう?」って相談してきますから。

ーーそれすらもメンバーに委ねてるわけですね。となると、3人のその時のモードが重要になってくるのかなと思うんですけど。レコーディング前、あるいはレコーディング中にどんな音楽からインスパイアされましたか?

日向:僕の場合はダンスミュージックが根本にあって、「踊れるアレンジ」というのがずっとテーマとしてあるんですよ。自分のルーツミュージックを、ストレイテナーにどれだけ反映させられるか。それがうまくいった時が快感なんです。プラス今回は、最近のR&B。海外だとインディーロックにも、その辺りからの影響を感じさせるものが多いじゃないですか。ダンサブルなんだけど平熱。そういうグルーヴは今回出したかったですね。そうすることで、ホリエくんの声の艶の部分をフィーチャーしたかったんです。

大山:俺は「サウンド」にインスパイアされることが多かったです。例えば、最近はスティールパンやハングドラムのような音色を使っているバンドが多いなと思っていて。僕自身も最近、新宿の路上でハンドパンという楽器を使って演奏している人のことが、すごい好きになっちゃって。「今度セッションしよう」とか話してるんですけど。

日向:なんだそれ(笑)。

大山:すごく不思議な音色なんですよね。打ち込みっぽくもあるような、それでいて倍音が多くて。グロッケンシュピールやマリンバでは出せなかったメタル感というか。「Superman Song」のギターなどは、そのハングパンをイメージしながらギターで音色を作ってみました。

ーーあの曲のギターサウンドは、ちょっとBattlesっぽくもありますよね。

大山:ああ、そうですね。確かに。具体的には短いディレイをかけて、その成分を1オクターブ上げているんです。

ーーそういう、「ギターを使って“ギターっぽくないサウンド”を作る」みたいな発想は、どこから来ているのですか?

大山:このバンドに加入するとき、別に俺はギタリストである必要もないと思っていたからですかね。バンドがその時々に必要な音を担当すればいいかなと。ただ、ここ最近は「ギタリストでありたい」という欲が出てきてます。それは10年続けて来たからなのかもしれないですけど。

ーーナカヤマさんはいかがですか?

ナカヤマ:僕は、どちらかというと今、原点回帰していましたね。新しいリズムというよりは、例えば80’sっぽいリズムを今のモードで叩いたらどうなるか? とか、そういうことを試していました。実際、最近のR&Bもそういうアプローチの曲って多いと思うんですよ。

日向:確かにそうだね。

ーー80’sっぽいといえば、「月に読む手紙」はそうですかね。あと「The Future Is Now」は、EDMマナーに則ったアレンジで。割とストレイテナーにしては珍しい曲ですよね。

日向:そうですね。ここまではっきりとEDMっぽさを出したことは、今までなかったかな。

ナカヤマ:ドラムも、叩いているのは俺なんですけど、打ち込みっぽい音色に差し替えています。完全に打ち込みでもなく、かといって生ドラムでもなく。その微妙なバランスにこだわった曲ですね。

ーー秦基博さんとのコラボ曲「灯り」は、どのように作っていったのですか?(ホリエと秦による対談

日向:まず、2人が作ったデモを聴いたんだよね。

ナカヤマ:そう。そしたら2人の声がそっくりで驚きました(笑)。

日向:弾き語りの段階で、すでに2人のボーカルが圧倒的だったから、「ここにどうやって楽器を乗せるの? いらないんじゃない?」って。最初はビビりましたね(笑)。たまにそういう時があるんですよ。ホリエくんの弾き語りのクオリティが高すぎて、「もう、足したくない」みたいな。

ナカヤマ:(笑)。ちゃんとバランスを取らないとダメだろうなって思いましたね。ケンカしてもダメだし、勝っても負けてもダメだし。「ストレイテナー×秦 基博」にするためにはどうしたらいいか? がテーマでした。

日向:最終的なアレンジは、秦くんも含めた5人でスタジオに入って詰めました。楽しかったですね。「秦基博、歌うめえなあ!」って(笑)。

ナカヤマ:びっくりしたよね。同時に、「うちのホリエもなかなかやるじゃん」って(笑)。

日向:そう。ホリエくんのすごさにも改めて気付かされた。秦 基博と並んで歌っても遜色ないって相当すごいことなので。

ーーあと、個人的には「Future Dance」と「Our Land」のギターにもグッときました。

大山:その2曲のギターは、ちょっと感情入り過ぎて泣きながら弾くぐらいの勢いでした。なんでしょうね、今まさに出したい音、弾きたいフレーズが指から生まれているような……。それが、バンドの演奏とがっちりハマっている実感がすごくあったんです。そういう経験って滅多にないんですよ。ライブ中は、たまに感極まる瞬間とかありますけど、それに近い感覚がレコーディング中に訪れたのは、すごく印象に残っています。

ーーやはり、大山さんのギターの音色がストレイテナーのカラーを決定づけているところはありますよね。

大山:おっかないですよね。楽曲の最初の印象が、俺のギターによって決まっちゃうじゃないですか。ストレイテナーの空気感をある程度決めてしまうことの、責任みたいなものは感じますね。必死こいてやっています。

日向:OJ(大山)は、歌詞が変わるとギターのフレーズや音色も変えるんだよね。

大山:そう。

      

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