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PAX JAPONICA GROOVE×VJyou特別対談

ライブ演出×テクノロジーが次に向かう未来は? PAX JAPONICA GROOVE×VJyou対談

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 黒坂修平によるソロプロジェクトPAX JAPONICA GROOVEが、2018年1月5日に代官山UNITで「音とインタラクティブエキシビジョンの融合」をテーマにテクノロジーを駆使したワンマンライブを開催する。

 同ライブには、VJ/プロジェクションマッピングのクリエイターであるVJyouやMarimosphereをはじめ、レーザーショーチームのVenusLaserといった映像や照明の専門家がステージを演出。そのほか、Tokyo Lighting Designによる音とシンクロさせるサウンドリアクディブライティングや、空中パフォーマンスユニット・GROviARTによるエアリアルパフォーマンスも行われる。また、PAX JAPONICA GROOVEらによるDJはもちろん、和楽器奏者やボーカリストをゲストに迎えたバンドセットでの演奏など、様々なクリエイターが参加する、新しいエンターテイメントの形を追求したステージになるようだ。

 リアルサウンドでは、PAX JAPONICA GROOVEとVJyouにインタビュー。ライブの枠を越える総合エンターテインメントを目指したきっかけから、テクノロジーの進歩によって進化するライブ演出の現在地、音楽作家と映像作家から見た音楽×テクノロジーの未来について語ってもらった。(編集部)

黒坂「演奏するだけであればあまりライブをやる必要はない」

――お二人はこれまでにお仕事をご一緒したことがあるのでしょうか?

黒坂:今回のワンマンライブが初めてになります。自分がライブをやろうと思い立ったときに舞台演出を入れたいと思ってVJや演出について調べてるなかで、VJyouさんのブログを拝見したらすごくわかりやすいことが書かれてたんですよ。それでこの方なら間違いないと思って、面識も全然ないんですけどメールさせていただたんです。

VJyou:初めてメールをいただいたときは「マニアックな方だなあ」と思いましたけどね(笑)。たぶん普通に検索しても僕のブログには辿り着けないと思うので。

黒坂:いやいやいや(笑)。

――黒坂さんはyouさんのお仕事に触れてみてどのように感じましたか?

黒坂:別の現場のリハーサルを見学させていただいたんですけど、やっぱりすごいと思いましたね。今回のライブではホログラムを入れていただくんですけど、自分はそれまで見たことなかったんです。そしたら3Dというかステージの前とか横にもホログラムが投影されてて。

VJyou:そのときに見ていただいたステージが独特でして、ステージを挟んで前と後ろの両方に別々の映像を流して、その真ん中に演者がいる形だったんです。ステージの奥行き感が少し不思議な感じだったんですよね。

――空間全体を使ったようなVJ演出をされていたんですね。黒坂さんは今回PAX JAPONICA GROOVEの初ワンマンライブを行うにあたって、なぜホログラムやプロジェクションマッピングの映像演出やレーザーなどの照明演出などを取り入れようとされたんでしょうか?

黒坂:自分はただ演奏するだけであればあまりライブをやる必要はないと思ってるんですよ。最近は体験の重要性についてよく言われますけど、CDでリリースされてる音源を現場で生で演奏するというのは結構ありきたりじゃないですか。最近は『ULTRA JAPAN』とかの大規模なフェスも多くてお客さんの目も慣れてらっしゃるので、何かおもしろいことをしていこうと思ったんです。

――なるほど。

黒坂:それと自分はPAX JAPONICA GROOVEという名義で活動してますが、この名前には「Peace from Japan=日本からの平和」という意味を込めてまして、日本は多神教の文化ということもあって“融合”を活動のコンセプトにしてるんです。何でもアリじゃないですけど、何を取り入れてもいいですよと。もうひとつは自分の音楽をライブでどうアウトプットするか考えたときに、“目に見える音楽”をコンセプトにしようと思ったんです。

――というのは?

黒坂:ライブのタイトルにも『EN:VISUAL& Extended』とありますが、PAX JAPONICA GROOVEが持ってる世界観を視覚化させて、それを拡張させることで体験してもらいたいと思ったんです。

――音楽だけでなく、視覚やさらに別の感覚を融合させたようなステージが狙いとしてあると。

黒坂:まさにそうですね。みなさん曲を聴いたらそれぞれいろんなイメージを持たれると思うんですけど、今回はそのイメージを遥かに超えた、ガツンとくるものが提案できたらと思ってます。

黒坂修平(PAX JAPONICA GROOVE)

――VJyouさんはそういったコンセプトを聞いて、どう思われましたか?

VJyou:クラブ界隈だと、プレイヤー自体をあまり目立たせずに、空間演出と音だけで全体を作ることも多かったので、そういった文化とライブハウスの文化を上手く掛け合わせたものが作れたらと思ったんです。それとメディアアートの人にも入ってもらって、クラブとライブとメディアアートでそれぞれ似たことをやっている人たちをガッチンコさせようと。

――なるほど。黒坂さんから具体的な要望やリクエストは?

黒坂:お話させていただいてるなかで、思っていた以上のアイデアがボンボンと出てきまして(笑)。

VJyou:逆にアイデアが膨らみすぎて、ここまでは入れすぎかなあと思ったりして(笑)。アイデアはあるんですけど、それをどうまとめるかが課題としてありましたね。実際に会場に何度も下見に行って、セットを仮設で組んでみたりとかもしまして、「このセット、メンバーより目立ちそうですけど大丈夫ですか?」って聞いたり(笑)。

――具体的にお話できるところまでで大丈夫なのですが、どんな演出が行われる予定なんですか?

VJyou:今回は曲自体にテーマ性があって、全部でワンシーンというより時間帯ごとにテーマを区切ってセットを作ってます。あとは、ある意味全部のパートが音にリンクしてるんですね。映像が歌詞の世界観に連動するときもあればビートに連動するときもあって。それは照明やレーザーでもそのようにしてます。

――音と同期させてるんですか?

VJyou:半分はプログラミングで、半分は手動ですね。メディアアートやクラブ界隈ではプログラミングが進化してるので、その要素を取り入れつつ、ライブの生感も入れた感じです。

――現在のライブ演出はテクノロジーの進化と共にオートメーション化が進んでると思いますが、その進化や恩恵を実感することはありますか?

VJyou:今回で言うと、途中の過程をオートメーション化して、それを手動で追いかけられるようにしたところはありますね。例えば大きなツアーだと、音・照明・映像を全部まとめてプログラミングしたものを流すだけという事もあるんですけど、今回はそれを分割した感じで、演出側もオペレーターがかなりライブな感じで動きます。

――プログラミングで演出の精度を高めつつ、生感も残すと。

VJyou:やっぱりプログラミングで作りこんだものに合わせて演者が動くというのはあまりやりたくなかったので。テクノロジーの上に人が乗っかるのではなくて、人を拡張するためにテクノロジーが使われるというのが理想なんです。外から見たときには違いがわからないかもしれないですけど、やはり勢いみたいな部分が変わってくると思うんですね。今回は映像チームも照明チームもずっと生の現場でやってる人たちなので、原点回帰ではないですけど、ライブならではの演出になってると思います。

 VJyou「イベントの中でいかにストーリーを作るか」

VJyou

――お二人はクラブという空間やクラブミュージックに対して、空間演出やライブ演出の重要性をどのようにお考えですか?

黒坂:昔からクラブは非日常空間というのがありましたから、それがどんどん新しい形で変わっていってる実感はあります。いまは『ULTRA JAPAN』みたいなド派手で瞬発力の連続みたいなものが流行としてあって、そうなってくると曲の作り方も変わったりしますからね。

――youさんは普段クラブでのVJ系のお仕事も多いかと思いますが、いかがですか?

VJyou:クラブのVJも昔はプロジェクターだったのが、いまはLEDビジョンが増えたりと、映像演出はどんどん派手になっていきました。ただ、昔も今も変わらないのは、一つのイベントの中でいかにストーリーを作るかだと思っています。

――それは具体的にはどうするのでしょうか?

VJyou:例えばクラブの場合、みんな一晩のなかでストーリーを作っていくことを考えます。DJが変わるたびに照明やVJの演出も雰囲気をガラッと変えたりするんですよ。特にクラブだと基本ブースにはDJひとりしかいないので、それをいかに飽きさせずに見せるかという感覚があって、今回のライブはその感覚に近いと思います。

黒坂:今回のライブはシーンがいろいろと分かれてるんですよ。お正月なので初めは和テイストのパートがありまして、その後にDJシーンの踊る時間があるんです。そこから生演奏の時間があり、いろんなシンガーの方が出てくる歌もののシーンがあってと、いろいろ続いていくんですよ。youさんにはそのそれぞれの演出をしていただくんですね。

VJyou:ステージに集中させる演出と、客席に向かわせるタイプの演出が交互にくるんですよ。EDMの演出だとレーザーが客席のほうにガンガン当たって、そもそもDJが見えない時間も結構あるじゃないですか。あれはいままでのロック文化にはなかった演出ですよね。

黒坂:あれはテンションあがりますよね。

VJyou:だからフロアが主役の演出と、バンドが主役の演出の両方の魅力を味わえると思います。クラブに行ったことのない人は「こういうカルチャーもあるんだ!」っていう感覚を味わえると思います。ただ、普通のクラブイベントみたいにお客さん同士が語り合うような時間はないですけどね。

黒坂:それはまったくないですね。ステージからは常に目を離さないでほしいです(笑)。

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