平野綾×NMB山本×乃木坂松村、欅坂×どうぶつビスケッツ、高橋洋子×水樹奈々、Aqours……『FNS歌謡祭』アニソン企画の“共通点と縁”

 本日12月13日に放送される『2017 FNS歌謡祭 第2夜』(フジテレビ系)では、特別企画として「話題のアニソン名曲メドレー」と銘打ったコーナーが展開される。

 出演者と歌唱曲については、Aqoursが「青空Jumping Heart」(アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』第1期オープニングテーマ)を、高橋洋子と水樹奈々が「残酷な天使のテーゼ」(アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』オープニングテーマ)、どうぶつビスケッツ×PPPが欅坂46と「ようこそジャパリパークへ」(アニメ『けものフレンズ』オープニングテーマ)を、平野綾と山本彩(NMB48)と松村沙友理(乃木坂46)が「ハレ晴レユカイ」(アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』エンディングテーマ)をそれぞれパフォーマンスすることが決定済。本稿では、各コラボレーションの意義のほか、単独出演のAqoursについても掘り下げていきたい。

 まず、高橋洋子と水樹奈々については、ともに幼い頃から歌手の道を目指し、研鑽を積んできたシンガーであり、キャリアのなかで高橋は歌手として、水樹は声優としてアニソンに触れてきた。ともにJ-POPシーンで誰もが知るヒット曲を飛ばし、その歌唱力も後進の歌い手に影響を与えたという意味では、歌い手として共振する部分も多いだろう。そんな2人の並外れた歌唱力を楽しむことができるコラボの瞬間が楽しみだ。

 続いて、どうぶつビスケッツ×PPPと欅坂46による「ようこそジャパリパークへ」。ともにアニソンシーン・アイドルシーンで今年を代表する活躍をしてきた2組だが、世界観も全く違うため、接点がないように思う人も多いだろう。しかし、欅坂46の小池美波は大のペンギン好きということもあり、雑誌『VB』でコウテイペンギン役の根本流風と対談済。つまり、欅坂46はすでに“フレンズ”なのだ。6日放送の第1夜では、平手友梨奈と平井堅の衝撃的なコラボが大きな話題となったが、今回は明るく楽しく、前回と真逆のパフォーマンスに期待したい。

 そして「ハレ晴レユカイ」。ゼロ年代を代表するアニソンだが、原曲を歌唱するSOS団(涼宮ハルヒ役の平野綾、長門有希役の茅原実里、朝比奈みくる役の後藤邑子)は、8月の『Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-(以下、アニサマ)』で11年ぶりの再集結を遂げたばかりということで、再度注目の集まっている1曲だ。

 そんな楽曲をオリジナルメンバーの平野と歌うのは、ともにアニメファンで知られる山本彩(NMB48)と松村沙友理(乃木坂46)。山本はBLやアニメ好きとしてもファンの間で有名で、先述したアニサマの再放送時にも、Twitterで熱狂していた。松村も『月刊ニュータイプ』で連載をもつほか、2018年のアニメ『SNSポリス』にメイン声優として出演するなど筋金入りだ。また、松村は2011年の『乃木坂46コンベンション2011』で、メンバーの川後陽菜ととも「ハレ晴レユカイ」を披露した経験もあるため、今回のパフォーマンスにも注目したい。

 最後に、「青空Jumping Heart」を披露するAqoursにも触れておきたい。彼女たちは、『NHK紅白歌合戦』出場や東京ドーム公演などの快挙を成し遂げたμ’sに続く、『ラブライブ!』の新プロジェクト『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場する、静岡県沼津市・内浦で生まれた9人のスクールアイドルグループ。その活躍は先日掲載したライブレポート( https://realsound.jp/2017/10/post-120625.html )にもあるように順調で、音楽的にも示唆に富んだ楽曲を生み出し続けている。今年は『めざましテレビ PRESENTS T-SPOOK ~TOKYO HALLOWEEN PARTY~2017』にも出演するなど、フジテレビとの関係性も築き上げたうえで、見事出演を果たしたといっていいだろう。

 そんな彼女たちが今回披露するのは、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』1期のオープニングテーマとして、長くライブでも披露してきた「青空Jumping Heart」。前回の音楽番組出演時(2016年10月22日放送、NHK総合『NAOMIの部屋』)にも披露されていた、彼女たちにとっても“勝負曲”のひとつだ。アッパーで明るくキャッチーなこの曲で、Aqoursは新たなファンを獲得し、μ’sのような栄光を掴み取ることができるのだろうか。

 このように、それぞれに付随した文脈を紐解いていくと、意外な共通点や縁が存在する今回の組み合わせ。アイドルファンもアニメファンも、これを読んだうえで同じ“フレンズ”として、仲良く盛り上がる一夜にしたいものだ。

(文=中村拓海)

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