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森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.71

ドリカム 吉田美和、JUJU、一青窈……J-POP代表する女性シンガーたちの歌声を聴き比べ

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 いつの時代の音楽にも欠かすことのできない女性シンガーたちの歌声。ソロ、ユニット、グループといった表現方法、声質や歌い方の違い、歌うテーマや存在感も含めてそれぞれが個性となり、千差万別の輝きを放っている。今回は、10月11日発売の作品の中からJ-POPシーンを代表する女性シンガーの歌声に焦点を当て、それぞれの特徴や魅力を聴き比べてみたい。

DREAMS COME TRUE『THE DREAM QUEST』

 “止まることのない音楽的冒険”をテーマに掲げた、DREAMS COME TRUEの18thアルバム『THE DREAM QUEST』。70〜80年代のソウル、ファンク、R&Bからジャズ、EDMといった驚くほど幅広いファクターを織り交ぜながら、誰もが一瞬で“ドリカムだ!”とわかるポップソングへと結びつけるテクニックと情熱は現在も上昇し続けているわけだが、“ドリカムっぽさ”を担保しているのはもちろん吉田美和のフロウとボーカル。緻密にして大胆な一筋縄ではいかないトラック、意外性に溢れたメロディラインにきわめて自然に聞こえる日本語の歌を乗せる天性のセンスは本作でも完璧に機能している。特に心に残るのは「秘密」「堕ちちゃえ」といった哀切なラブソング。溢れんばかりの悲しさを、憂いを帯びた旋律とともに描き出す吉田のボーカル(筆者は“吉田美和のダークサイド”と呼んでいます)はやはり絶品だ。

DREAMS COME TRUE「THE DREAM QUEST」SPOT映像
JUJU『いいわけ』(通常盤)

 小林武史がプロデュースを手掛けたJUJUの最新シングル表題曲「いいわけ」は、ソウルミュージック、ジャズ、R&Bの香りを絶妙にブレンドさせた楽曲、生々しいバンドサウンドとクラシカルなストリングスがスリリングに絡み合うアレンジが印象的なナンバー。愛する“あなた”からの言葉を渇望する女性の気持ちを描いた歌詞を含め“大人のラブソング”と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。繊細で複雑な思いを胸に秘めたまま恋愛に巻き込まれる女性を浮き彫りにするJUJUの歌も素晴らしい。生のグルーヴ感をしっかりと捉えて歌詞に生き生きとした抑揚を与えながら、ギリギリのところで感情を抑え、決して品を失うことがないこの曲のボーカリゼーションは、JUJUの真骨頂だと思う。あわせて収録された音楽的ルーツが垣間見えるカバー曲「Stay With Me」(DeBarge/80年代のモータウンを支えたグループ)のスムースな心地よさも、彼女の魅力の一つだろう。

JUJU 10/6配信スタート「いいわけ」(NHKドラマ10『この声をきみに』主題歌)Special Teaser
一青窈『歌祭文 ~ALL TIME BEST~』(通常盤)

 年齢や経験とともに少しずつ歌が変化し、深みを増す。歌い手として理想的な人生を歩んでいることがわかるのが、一青窈のベスト盤『歌祭文 ~ALL TIME BEST~』だ。「もらい泣き」「ハナミズキ」「つないで手」などの代表曲がリリース順に収録された「一青歌祭文」、水野良樹(いきものがかり)の作曲による「七変化」など新曲・CD初収録曲を含んだ「新盤歌祭文」から構成される本作を聴けば、一青窈の言葉と歌が、彼女自身の在り方とともに形を変えていることが伝わってくる。そう、生き方と歌が密接に関わっていることこそが、彼女の最大の特徴であり、武器なのだと思う。アジア的、歌謡的な音楽性を間口の広いポップスへ導いた武部聡志、エレクトロニカの手法を持ち込み、郷愁的な声の魅力をさらに引き出した小林武史のプロデュースワークにも注目してほしい。

一青窈 – 七変化

      

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