Mr.Children「HANABI」で歌われているテーマとは? 『REFLECTION』ツアーで語られた思い

 Mr.Childrenの「HANABI」が、7月17日より放送のドラマ『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』の主題歌に起用されている。

Mr.Children『HANABI』

 「HANABI」は、2008年の1stシーズン、2010年の2ndシーズンとこれまでにも主題歌として起用されてきた楽曲。ドラマの公式ページにて増本淳プロデューサーは、「『HANABI』という曲は言うなれば6人目の登場人物というか、あの5人の若者と一緒に1stシーズン、2ndシーズンと歩んできた、もはや『コード・ブルー』に欠かすことのできない登場人物の一人」とコメントしているように、『コード・ブルー』あっての「HANABI」、「HANABI」あっての『コード・ブルー』という切っても切れない関係となっている。

 2008年リリースのシングル『HANABI』。当時、NHK北京オリンピック・パラリンピック放送のテーマソングだった「GIFT」と同タイミングで発売だったと言えば、当時の記憶がより鮮明に思い出されるはずだ。『GIFT』『HANABI』の2作品は、アートディレクションをMr.Childrenの作品ではおなじみの森本千絵、写真を瀧本幹也が手がけている。『HANABI』のジャケットのテーマは「氷の中の花火」。そのテーマが物語るように、「HANABI」はセンチなアコースティックギターのイントロから始まり、サビでは<決して捕まえることの出来ない/花火のような光だとしたって>と、触れられない、届かない存在を歌っている。転調を続け、徐々に熱を帯びていくバンドサウンドの一方で、楽曲にはある種の物悲しさ、切なさも漂う。

 「HANABI」は、ファンの間でも人気が高く、ツアーでも披露されることの多い楽曲だ。<もう一回/もう一回>と何度も繰り返されるフレーズでは、ファンが人差し指で「1」を作り、桜井和寿と共に口ずさむ。以前、筆者がミスチルのツアーへ足を運んだ際に、「HANABI」にまつわるエピソードを桜井が話していたことが、今でも印象に残っている。それは『TOUR 2015 REFLECTION』でのことだ。

 多くの種類のペットを飼っている桜井は、休日になるとその時間のほとんどをペットの世話に当てているという。ペットの一つである金魚は、水槽に入れて飼っていると水が段々と濁っていく。桜井は、あらかじめ水をためて、そこに塩素を除去する薬を入れ、水を替えていった。2回、3回……と水を替える度に衰弱していく金魚。その光景を見て焦った桜井は、ペットショップに電話をかける。そこで、教えられたのは、水は絶えず動いて新鮮な空気を取り込まないと腐り、死んでしまうということ。その話を聞いた桜井は、人の心も水と似て、楽しんだり、悲しんだり、常に揺れ動くことで、澄んだ心になると思った。そのエピソードが当てられたのが、「HANABI」のDメロの歌詞にある<滞らないように/揺れて流れて/透き通っていく水のような/心であれたら>だという。

Mr.Children「HANABI」 Tour2015 REFLECTION Live

 その桜井のエピソードがあってから、バンドは「HANABI」を演奏する。ライブやテレビ演奏では、半音下げでパフォーマンスされることが多い楽曲だが、このツアーでは原曲キーで歌われた。特に、大サビに入ってからの桜井の張り上げるような<もう一回/もう一回>は、何度も披露されてきた「HANABI」の中でも群を抜いていた。

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