Perfumeはどこまでも夢を追い続ける 電気グルーヴ&チャットモンチーと共演した2日間

Perfumeはどこまでも夢を追い続ける

 Perfumeが対バン相手を招いて開催する『Perfume FES!!』。2013年に初めて行われて以来、マキシマム ザ ホルモン、9nine、秦基博ら、毎回ジャンルを飛び越えさまざまなアーティストと共演してきたが、4回目となる今回は「前夜祭」の6月2日には電気グルーヴ、3日にはチャットモンチーが出演した。本稿では、その二日間の模様をレポートする。

6月2日(金):電気グルーヴ×Perfume

 電気グルーヴの石野卓球とピエール瀧は、最近ではおなじみのサポートメンバーagraphこと牛尾憲輔を引き連れてステージに現れた。今年3月にリリースしたアルバム『TROPICAL LOVE』より「人間大統領」からライブをスタートし、その後もノンストップで曲を繰り出していった。「プエルトリコのひとりっ子」ではレコーディングにも参加したトミタ栞がステージに登場、同曲に「いちご娘」をマッシュアップした「いちご娘はひとりっ子」では卓球もDJブースを離れてフロントに登場し、3人でパフォーマンスを見せた。

電気グルーヴ(撮影=上山陽介)

 幕張メッセという大舞台、電気グルーヴ側の気合いも十分に感じられた。客席の中央にまで伸びた花道、そして照明やレーザー、VJも取り入れられており、その環境を最大限に活かしたステージングだった。電気グルーヴのVJを担当するDEVICEGIRLSは、かつてPerfumeのツアーのVJを手がけた経験もある映像制作ユニットだ。今回の電気グルーヴのVJのなかにも、Perfumeの過去作へのオマージュと見受けられるものが多数あった。

 中盤では、1993年発売のアルバム『VITAMIN』より「新幹線」、電気グルーヴのアンセムとも言える一曲「N.O.」、石野卓球のソロ曲「Love Domination」も披露。そして最後は再び最新アルバムより「UFOholic」で締めた。全12曲、およそ60分、ノンストップミックスにより、絶えることのない快感と笑いを提供し続けた電気グルーヴ。テクノ・ミュージックのトレンドにもリーチしながら、あくまで電気グルーヴ流のポップミュージックに変換し、この日のステージにおいても否応なく聴く者の心も体も解放していった。曲中に発せられる石野卓球の自由気まますぎるコールも、ピエール瀧のコミカルなダンスも、普段のライブとは変わらずとも、電気グルーヴなりのやり方で、しっかりとPerfumeに応戦していたようにも感じられた。

(撮影=上山陽介)

 そしていよいよPerfumeの出番だ。電気グルーヴの作り上げた熱狂によって、フロアの温度も最初から高かったはず。暗闇に包まれたセンターステージに多数の照明が走り、カウントダウンとともにかしゆか、あ〜ちゃん、のっちの3人が現れる。オープニングナンバーは最新シングル曲でもある「TOKYO GIRL」。トライバルなビートと音数の少ないAメロ、そしてサビでダンサブルに展開していく流れは、今のPerfumeの新境地とも言える曲。続く楽曲も「I still love U」「FLASH」といったクールなテイストが続き、独特の高揚感と緊張感を生んでいた。

Perfume かしゆか(撮影=河本悠貴)

 MCでは、「憧れの、憧れていいのかもわからないくらいの孤高の存在」(のっち)と電気グルーヴへの愛を語ったPerfume。初めて電気グルーヴのライブを観たのが、中田ヤスタカの楽曲の良さを知るために、2004年の『WIRE』(石野卓球オーガナイズのレイヴイベント)に行った時だという。「当時はなんで大人たちが盛り上がってるのかマジでわからなかったの。ステージ上ではおじさんがふざけるのね、セグウェイ乗ったりしとって。『なんじゃこりゃ!』って(笑)」「でも、その良さに気づいてからは今は大ファンになって。対バンが叶ったっていうのがほんと夢のよう!」とあ〜ちゃんが語った。

 中盤では「いじわるなハロー」「宝石の雨」といったシングルのカップリング曲も披露。歌詞を可視化する振り付けには女性らしい可憐さを取り入れながらも、3人の一糸乱れぬフォーメーションは見るたびに洗練されている印象だ。さらに、そこからはフロア映えする楽曲で会場をヒートアップさせていく。「GAME」ではライトセイバーを使った振り付けと近未来的な映像演出を使い、「エレクトロ・ワールド」では観客からもコールが沸き起こった。

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