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鬼龍院翔が歌う、“ど真ん中”の90年代ヒット曲 J-POP愛溢れるカバーアルバムの意義

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 乃木坂46のアルバム『生まれてから初めて見た夢』が3作連続の初登場1位。わずかながら前作の初動を上回り、自己最高記録を達成した。モデル業や写真集といった主要メンバーの個人仕事が好調な一方でグループの未来を担う3期生がすでに抜群の存在感を見せるなど、乃木坂46というブランドの価値はますます高まっているように思える。楽曲面においても、アップテンポでもバラードでも彼女たちの歌声を丁寧に聴かせる作りに非常に好感が持てる。

 さて、今回取り上げるのは10位にランクインした鬼龍院翔の『オニカバー90’s』。ゴールデンボンバーのボーカルとして知られる彼の初のソロアルバムは、90年代の楽曲を中心としたカバーアルバム。今年の年初に個人ブログにて「90年代辺りのJ-POPを歌うカバーのライブ」の開催を発表した際に「オケを作るんならせっかくならカバーアルバム的な感じで後で形にするかもm(_ _)m」と予告していたが(参考:https://ameblo.jp/kiryu-in/entry-12234034474.html)、晴れて5月24日にリリースされた。

鬼龍院翔『オニカバー90’s』

 「90年代J-POPを愛してやまない鬼龍院が「これぞ90年代!」と言える名曲を選びカバー」というのがこのアルバムの紹介コピーだが、まさにその説明に偽りなしという感じで往年の大ヒット曲ばかりで構成された今作。ここ最近世間を賑わせている「おしゃれな時代としての90年代」「渋谷系再評価」といったムーブメントに背を向けるかのようにひたすら「ベタな曲」が並ぶ曲目は、さながら普通のアラフォーがカラオケに行った時の選曲履歴のようである。濃い音楽ファンではなくてもこの時代を体験していれば誰でも聴いたことのある、そんな曲がぎっしり詰まっている今作は90年代のカラオケボックスの空気(「クラブ」でも「レコード屋」でも「ライブハウス」でもない)をわかりやすく伝えてくれる作品である。シャ乱Q「ズルい女」、WANDS「世界が終わるまでは・・・」といった最近ではあまり参照されることのない当時のヒットソングが収録された今作は、「若いリスナーにとっての90年代入門編」としても最適だろう。鈴木雅之と菊池桃子によるデュエットの名作「渋谷で5時」をベッド・インと一緒に歌うというアイデアも気が利いている。

 曲目を見るだけで鬼龍院の90年代J-POPへの愛が十分に伝わってくるが、1曲目の大事MANブラザーズバンド「それが大事」のカバーを聴くことでその印象はさらに強くなる。原曲を徹底的に研究したと思われるメインボーカルの重ね方やコーラスの乗せ方からは、「この時代の音楽は歌とメロディこそ最も重要」という彼なりの90年代解釈が垣間見える。「Dance My Generation」でaccessの浅倉大介をアレンジャーとして起用したり、「†ザ・V系っぽい曲†」で『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演した際にはDIR EN GREYの『Mステ』での行動を踏襲したりと鬼龍院は様々な場面で90年代の音楽に対する批評行為を行ってきたが、その集大成が今回の『オニカバー90’s』なのだろう。

      

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