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ツアー『Dance Floor Massive V』特別インタビュー

RIP SLYMEが“史上最長最多ツアー”に挑んだ理由 「基本はライブで生きていくっていう感じ」

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 10月6日より全国32カ所36公演となるツアー『Dance Floor Massive V』を展開中のRIP SLYME。そのツアーでは同タイトルのライブ会場限定CDが発売され、真骨頂といえるフロアチューンが満載だと、好評を博している。今回のツアーはグループ史上最も期間が長く、本数も最多。さらにライブ会場限定盤をリリースするのもグループ史上初めてのこととなる。メジャーデビューから15年を経て、初めて尽くしの試みに挑んだ背景にはどんな思いがあったのか。今回はRYO-ZとILMARIにCDとライブの両面から『Dance Floor Massive V』を語ってもらうことに。収録曲のコンセプトや、ツアーの途中経過、さらに現在のライブ観まで、じっくり話を訊いた。(猪又孝)

「90sは一番得意なところ」(RYO-Z)

ーーまずはCDの方から話を訊いていきたいんですが、今回はライブ会場限定盤となりました。そうしたリリース形態をとった理由や、そもそもライブ会場限定盤を作ろうという発想はどんなところから生まれてきたんですか?

RYO-Z:最初の最初は、フェスで新曲を試していこうという構想があって、今年の春に曲作り合宿をしてたんです。どんどん作ってどんどん試して、ツアーに向けていこうっていう流れを考えていたのに、ボンヤリしてたら、いつの間にか夏フェスに入っちゃってて(笑)。

ーーボンヤリしないでよ(笑)。

RYO-Z:何故そう思ったかというと、今年、RHYMESTERが春フェスの『人間交差点』でいきなり新曲をドロップしたことに衝撃を受けたんですよ。ライブで新曲を試すとか、そうやってライブに打ち込んでいく姿勢がいいなと。それでライブに対応した曲を作ろうというのが初期衝動としてあったんです。

ーーこれまでRIP SLYMEはクリスマスライブでお土産をお客さんに配ったりしていますよね。そういうギフト的な感覚でライブ会場限定盤を作ったところもあるんですか?

ILMARI:それもありますね。昔、RHYMESTERのクリスマスソングのカセットはライブに行かなきゃ買えないとか、あったよね?

RYO-Z:あったあった。白カセね。

ILMARI:そういうのっていいなと思うんです。プレミアム感があるというか、ワクワク感があるというか、ライブに来た人しか手に入らないっていう。今回は先行で配信された曲があるとはいえ、CDショップやネットでは買えないわけだから。ライブに行った思い出にもなるだろうし、いいものがつくれたなと思ってます。

ーー今回の作品には全体を通して90年代ヒップホップや、それ以前のオールドスクールラップのエッセンスが感じられますが、それは当初からの目論見だったんですか?

ILMARI:今回のツアーは90s感でいこう、みたいになってたよね。

RYO-Z:そういうコンセプトがあって、楽曲を後付けしていった感じですね。ライブの構成がそうなってるから逆算的に考えて、っていう。

ーー何故ツアーのテーマが90sに?

RYO-Z:今年の『真夏のWOW』くらいから「ちょっといいよね、この方向」みたいなのがあって。あのときも、ちょっとそういうルーティンを作ったんですよ。

ILMARI:衣装もスパイク・リーが監督した『Do The Right Thing』っぽい感じにしたり。

ーー映画に出てくるピザ屋をイメージしたって言ってましたよね。

RYO-Z:そう。その辺から、徐々にそういうアイデアが膨らんできて、「じゃあ、ツアーはもっと大胆にそっちの方向に舵を切ってみる?」って。

ーー今、グループ内に原点回帰のようなモードがあったりするんですか?

RYO-Z:原点回帰というよりは、昨今、90年代のリバイバル感があるから、「今だったらできんじゃん?」っていう感じ。一番得意なところというか、思いきりリアルタイムで通ってきたところなんだから、時代的にできそうなときにやらない手はないでしょ、っていう。

ーー1曲目「Check This Out」は、どんなふうに作っていったんですか?

RYO-Z:ツアーのテーマが90sに決まって、その方向で最初に手を付けたのがこの曲だったんです。それでデモを作ってたらTimberlandからタイアップの話をもらって。当初、自分たちで付けてたタイトルは全然違ったんだけど、だったらこれをTimberlandをテーマにして書き直していこうと。で、いつものようにお題から連想ゲームをしていったら「チェケラ」っていうワードが出てきて、「じゃあ、Check This Outじゃない?」って。そんな単純なノリなんですよ。「Check This Out」はRUN DMCとかが言ってるから本当は80年代なんだけど、俺らがその言葉を覚えたのは90年代だから、まあいいでしょっていうことで(笑)。全然深く考えてないんです。

ILMARI:でも、90s縛りがあったおかげで、アイデアが出しやすかったですね。ティンバ自体90sなアイテムだし、(マイクロフォン)ペイジャーも当時リリックに入れたりしてたし。

ーーだからか、RYO-Zさんのリリックには、ペイジャーの「一方通行」のリリックを引用した一節が出てきますしね。

RYO-Z:そう。俺は単純に、自分の「Check This Out」なところを言っていくスタイル。「俺をチェックしろ!みたいなことを書いていったんです。

ーーSUさんはTimberlandを擬人化したリリックになってますね。しかも、お得意のちょっとエロティックな方向で。

RYO-Z:SUさんは、女の子が自分に倒れかかってくる、みたいなことを言いたかったんじゃないですか。俺、知らなかったんですけど、木を伐採していて、いよいよ木が倒れるから危ないぞってときに「ティンバー!」って叫ぶらしいんです。リリックに急に「ティンバー!」って出てくるから「なんで?」って聞いたら、そういう掛け声があるんだって言ってて。

ILMARI:本当かどうかわからないけどね、SUさんの言うことだから(笑)。

RYO-Z:そうね、あの人のことだから(笑)。

ーーILMARIさんはいつもと少し毛色の違う、テンション高めのフロウでラップしていますね。トラックもそこでブレイクビーツに変わるから印象的でした。

RYO-Z:イルくんは美味しいパートだよね。

ILMARI:俺のところは、最初、全然ビートが抜けてなかったんです。そしたらラップを書いたあと、FUMIYAがああいう風に変えてくれて。今回はそれぞれのラップのキャラクターにメリハリが出てるんですよ。SUさんがイントロで、PESが歌で、俺のところでブレイクして、RYO-Zくんががっつりラップっていう。

ーーそもそもMC4人の小節数がバラバラですしね。そういう構成の曲はこれまでもあったけど、そこに妙味があるなと思ったんです。こう言っちゃなんだけど、作り方が雑っていう(笑)。

RYO-Z:そう、雑なんです(笑)。でも、その雑さもヒップホップだろうということで。リリックも前の人のリリックの内容を受けず、各々勝手に書いていきましたからね。懐かしいスタイル。そこも90sっていう。

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