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4thミニアルバム『スキ?』インタビュー

杉恵ゆりかが、ラブソングで表現する人の本音 「みんな一対一で感じる世界を生きている」

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 シンガーソングライターの杉恵ゆりかが、10月26日に4thミニアルバム『スキ?』をリリースした。先日掲載したコラム(「シンガーソングライター杉恵ゆりかは“女子の本性”をどう歌ってきた? デビューから最新作まで分析」)では、今作にいたるキャリアを辿りながら、杉恵ゆりかが歌うラブソングの特徴を分析した。そして今回、彼女が音楽を表現手段として選び取った理由や、歌詞の背景にある恋愛観を探るインタビューを企画。自身の音楽が「最高の逃げ場になれれば」「ファンタジーにしたい」と語る、杉恵ゆりかの感性と詩世界に迫った。(編集部)

「寂しさや辛いことから逃げるために創作している」

ーー杉恵さんの歌は、ほとんどが好きな人に向けられたラブソングです。作る上で聴き手は女性をイメージされているのかなって思えるんですが、どうでしょうか?

杉恵:私自身、歌の中やステージの上だけでは、自分を開放しよう、自分を許そうっていう気持ちがあって。世の中には、自分に甘くなりたいけど自分に厳しくなってしまう人が多いと思うんですよね。子どもの頃は泣きわめけたけれど、大人になったら泣くなって言われて、その中で自分を抑制して、弱い自分を許せなくなっていく。でも、みんなそういうところを許せるようになれればいいなって思って書いているから、そういう意味では女性に向けた歌詞になっているかもしれませんね、無意識ですけど。でも、男の人に聴け!って言ったところで、いやいや、そういう女性の本音はちょっと、みたいな人も多いだろうから(笑)。女性なら、この人も同じ気持ちなんだって聴いて思えれば楽になれると思うし。

ーー杉恵さんご自身も、普段は自分を抑制しているところがあるんですか?

杉恵:はい! 食い気味に(笑)。好きな人にも一切本音が言えないし、自分を抑えていいカッコをしてしまうんです。嫌われるのが怖くて。おそらく友達とかに対しても、そういう気持ちはあって。隠し事があるわけではないけれど、大事な人にほど自分の気持ちを言えないっていうところがあるので、歌とステージの上だけでは自分を開放しようとは、常に心がけています。

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ーーこれだけ開放的な歌を歌っているけれど、本質的にはみんなと一緒なんですね。

杉恵:そうですね。長女に生まれて、当たり前ですけど「お姉ちゃんなんだから」って言われてきたから、そういう生い立ちも関係あるのかもしれません。類友じゃないですけど、友達も何かを我慢してそうな人が多いし、お客さんもそういう人が多いんです。我慢強そうで強がりで、でも本当は弱い人たちが多い気がします。

ーーそういう人たちの代弁者になりたい、という気持ちはあるんですか?

杉恵:それはなくて、勝手に言いたいことを言っていて、それに共感してくれる人がいたら、こんな嬉しいことはないっていう。ただ、私があなたの気持ちを言ってあげるっていう正義感はないです。私なんかがおこがましい、って思ってしまうので。

ーーじゃあ、歌い始めたきっかけも、自分の気持ちを何とかして形にしたいと思ったからなんでしょうか?

杉恵:そうかもしれないです。自分の存在が気付かれないほど寂しいことはないと思っていて。私はここにいるんだ!って主張する術として見つけたのが歌だったっていう。あと、これは最近気付いたんですけど、寂しい時や辛い時に音楽ができるんですよ。どんなに好きな人といても友達といても埋まらない寂しさがあって、そこから逃げるために創作している気がします。物を書いている時は、寂しさを忘れられるから。

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ーーだからこそ人を求める、恋愛の歌が多くなるんでしょうか。 

杉恵:そうですね。複雑な話になりますけど、その寂しさを振り切るために、一人でも歩いてくんだっていう歌詞を歌ってたら、すごく息苦しいだろうなって。寂しさを忘れるために書いていても、そこに本音を入れないと自分も苦しいし。社会からは、大人になったら一人で頑張れって言われるし、好きな人にも僕は忙しいからって言われるし、そういうことに対して耐えていかなきゃいけない人が求める歌って、一人で生きていかなきゃいけないよねっていう歌じゃない気がして。それこそカラオケでグデングデンに酔いながら歌える歌の方が、すっきりするんじゃないかな、泣くのと一緒で。そうすれば心の負担が軽くなるから。

ーー歌う杉恵さんも、聴いた人も、寂しさから逃げられてすっきりできるっていう。

杉恵:そうですね。私も歌にすることで、ある意味ネタになってるから、ちょっと笑える時もあって。リアルすぎる時が一番辛くて、それが歌になって非現実になった時に、ネタとして昇華されているから、冷静に自分の状態を見ることができるんです。

ーーいい響きに聞こえないかもしれないですけど、逃げ場としての音楽って必要ですよね。

杉恵:ありがとうございます。私の歌は、最高の逃げ場になれればいいと思っていて。好き嫌いはあるとは思うんです。生々しい歌が好きな人もいると思うし。でも、私はサウンド面も含めて、少しファンタジーにしていたいんです。リアルなことを歌っていても、曲が明るかったり、浸れるバラードになっていたら、ネタになるので。

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