>  > THE BACK HORNの“隠されてきた原点”

『With You』&『KYO-MEIツアー ~運命開歌~』 インタビュー

THE BACK HORN 菅波栄純が語る“隠されてきた原点”「自分達の曲はおそらく全部バラードです」

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 THE BACK HORNが10月19日、シングル『With You』とTOUR DVD『KYO-MEIツアー ~運命開歌~』 を同時発売した。

 シングルの表題曲は、亀田誠治がプロデュースを担当し、ピアノとストリングスを取り入れ、歌詞もラブソングを思わせるバラード・ナンバーだ。新たな試みに挑戦しながらも、実はTHE BACK HORNの“隠されてきた原点”に立ち返った曲になっている。昨年11月にリリースしたアルバム『運命開花』以来およそ1年ぶりの新作となる今作で、なぜこのようなストレートなアプローチによって新曲が生まれたのだろうか。そして、今回映像化された『KYO-MEIツアー ~運命開歌~』 は、バンドにとってどういう位置付けのライブとなったのか。聞き手に音楽評論家の小野島大氏を迎え、作詞作曲を手掛けた菅波栄純(G)に話を訊いた。(編集部)

「THE BACK HORN前夜の頃、こういう曲書いてたなあって」

ーー今回はシングルとライブDVDが同時発売ということなんですが、特にシングルの方はいろんな意味でエポックメイキングな作品かなと思います。

菅波:あーそうですね、そうなるであろう気がしてます。

ーープロデューサー(亀田誠治)を立てたということもそうなんですけど、今回のシングルの制作の経緯からお願いします。

菅波:まず、この秋ぐらいにリリースが決まってたってことがあって。で、制作自体はまさにこのDVDのツアー(『「KYO-MEIワンマンツアー」〜運命開歌〜』)を回ってる最中から作り始めてた感じですね。

ーー曲そのものは最近の曲なんですか?

菅波:出来上がったのはツアー終わってからですから、ほんとに最近の最新の曲ですね。

ーーピアノとストリングスを大胆にフィーチャーした曲調ですね。

菅波:11月からのホールツアー(『「KYO-MEIホールツアー」〜月影のシンフォニー〜』)が、ストリングスと鍵盤を入れて、THE BACK HORNの今までの曲をアレンジし直してやるツアーなんです。そういう状況もあったので、ストリングスと鍵盤が入った曲調で作ってみたいなあ、と。

ーーつまり、ある程度こういう曲にしようと、最初から決め込んで作った。

菅波:そうですね、あともう一要素、今回はバラードを久しぶりにシングルで出したいっていう考えもあったりして。

ーーなるほど。

菅波:それが概要なんですけど、結果、曲ができてから自分が感じたことの方がポイントだと思ってるところがあって。こういうバラードで、結構ストレートな歌詞で書き上げたじゃないですか。そういうのが、なんかこう、THE BACK HORNのインディーズ盤(インディーズで出した1stCDは『何処へ行く』1999年)よりも前の頃に、俺こんな曲書いてたなってのを思い出したんですよ。THE BACK HORN前夜の頃、俺こういう曲書いてたなあって、なんとなく思って。

ーーほう。じゃ、ある意味原点回帰的な?

菅波:そうなんですよね。今回他の取材もやって、「THE BACK HORNの新機軸ですね」とか色々言って頂いたんですけど、「あーそうなんだけど、なんかそれだけじゃない感じするんだよな」って思いながら過ごしてきて、昨日なんかふと思い出して。そーかー、むしろ原点回帰な感じがしてるんだよなあ自分は、という。

ーー最近になって気づいた?

菅波:昨日気づいたんです(笑)。

ーーおお、最新のホットな発言が取れた(笑)。

菅波:THE BACK HORNのインディーズ盤に入りきらなかった曲の中にもこういうバラードの曲はあって。もちろん鍵盤が入ってたりするわけではないけど、その曲の詩の部分というか、ストレートなまっすぐな部分ていうのは、なんかほんと同じ感じでやってた。

ーーじゃ、ある意味、初期のTHE BACK HORNにあったけど、あえて出さずに来た部分が、今回のシングルに表れてるということですか。

菅波:……だったことをなんとなく思い出したっていうか、思ったんですよね。

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ーーなぜその時、そういう曲をインディーズ盤に入れなかったんですか。

菅波:それって結構明確で、最初はいろんな方向性の楽曲があって。要はバンドの作りたての頃はいろんな曲が生まれていたんです。だけどその当時は、自分たちが憧れたバンドっていうのがはっきりあって。それがeastern youthだったり、同年代の水戸のCOOK ROACHってバンドだったりして。その憧れたバンドたちのシーンに入っていきたいっていうのが少しあったし、そういう音を自分たちも出したいっていうのもあって、そこから一気にバンドの方向性が見えたんですよね。グランジとかも好きだったからグランジと、歌謡曲も好きだったから歌謡曲と、日本語詩で、でもドロドロとした世界観で、っていう方向性がなんとなく見えたのが最初のインディーズの一枚目の頃だったんです。

ーー自分たちの方向性をある程度決めるっていうことは、その方向性に合わない部分は切り捨てていく、ということですね。

菅波:そう、一回省いたんですよね。エッジを出すために。まあその時一番やりたかった曲たちがあれだったってことなんですけど。たぶん、本人たちにとってみれば。

ーー確かに初期のインディーズ盤にこういう感じの曲が入ってたら、聴く側は混乱したかもしれないですね。

菅波:混乱しますよね(笑)。でもそういうことを思い出しましたね。

ーー今になってそういう方向性というか、自分たちの今まで隠れてた部分が出てきたのは、どうしてなんでしょうか?

菅波:これがバンドとしての本質なのかどうかっていうのは、もはやちょっとわからないとこではあるじゃないですか。ある意味、THE BACK HORN全員の物語を今話してるわけで。だから自分が少なくとも作家として、こういう音楽がそもそも好きだったっていうのが多分あるんですよね。で、自分の考えですけど、『運命開花』ってアルバムを作ったじゃないですか。『運命開花』は自分らのコンセプトとしては「原点回帰だけど最新型の形でやろう」というもので。多分あれをやったから、次のものを書こうと思った時に(今回のシングルのようなものが)出てきたんだろうなっていう推測もあります。変な言い方だけど、ある意味、パラレルワールドのもう一個の側の違うTHE BACK HORNの道筋の楽曲にポンとアクセスしちゃったような感じ。

ーーああ、そのeastern youth的な方向に行かなかったらTHE BACK HORNはこうなってたかもしれないっていう。

菅波:(笑)そう。もう一つのTHE BACK HORNのストーリーに、ポンとアクセスしちゃったかのような感覚が自分はありました、できた時に。だから新しいTHE BACK HORNはこの方向性でいきます、っていう楽曲でも多分ないし、自分もまたこの方向性で書ける自信もないっていうか、なんかそんな感じがしますね。

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