くるり、Mr.Childrenらが雨の中で“名演”見せた『京都音博』 兵庫慎司が全アクトをレポート

くるり主催『京都音博』レポート

 2016年9月18日に行われたくるり主催の『京都音楽博覧会2016 IN 梅小路公園』。今年、2つの大きな“開催10回目にして初”のことがあった。

 ひとつは、過去出演アクト数は7〜12組だったが、今年は「くるり with 森信行」「Tété」「矢野顕子」「Mr.Children」「QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchester」の5組だったこと。

 そしてもうひとつは、悪天候による雷の危険性のため、そのうちのトリの「QURULI featuring Flip Philipp and Ambassade Orchester」の演奏を待たずに途中終了になってしまったことだった。

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くるり with 森信行

 トップは岸田繁・佐藤征史にオリジナルメンバー=森信行が加わった3人で登場、「東京」「虹」「尼崎の魚」「夜行列車と烏瓜」「さよならストレンジャー」と初期の5曲をプレイ。バンドの結成日である9月1日に、彼らが出会った音楽サークル、立命館大学「ロックコミューン」の部室からライブを配信したり、9月9日には『ミュージックステーション』に出演したり、11月21日にはスペースシャワーの番組用の招待ライブが決まっていたりーーと、結成20周年記念の活動のひとつとしてこの3人でのライブは何度か行われているが、このようなオープンな場でのステージは初めてとあって、会場を埋めたファンの間には、なんとも言えない感慨が広がった。

 二番手は、“日英米以外からもすばらしいミュージシャンを招聘する”というこのフェスのセオリー、セネガル人とカリブ海出身のフランス人のハーフでパリ在住のミュージシャン、Tété。

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Tété

 アコースティック・ギター1本、曲によってはストンプを足しながら8曲を歌い、ワールドワイドで百戦錬磨な人懐っこいパフォーマンスで初見のオーディエンスをどんどん巻き込んでいく。ラストのMCでは、雨の中観てくれたことにお礼を言い、「明日ライブがあってこれからすぐパリへ帰らないといけない、それでもほんとに来れてよかった」みたいなことを言って、みんなを驚かせたりもした。

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矢野顕子

 そして、2009年以来の出演、矢野顕子。いきなり「春咲小紅」でスタート、続いてくるりの「ばらの花」、2年前に作った伊勢丹のオフィシャルソング「ISETAN-TAN-TAN」、そして「谷村新司さんが作った歌ですけども」と山口百恵の「いい日旅立ち」! 京都だからですか? あと、他の曲はわかるけど、3曲目はなんでですか? 京都駅の駅ビルに伊勢丹入ってるからですか矢野さん! などと、ここまでですでにオーディエンス(というか私ですね)、びっくりしまくりだったが、さらに岸田を呼び込み、2006年にふたりで共作した「PRESTO」でしめくくった。大拍手。

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矢野顕子、岸田繁

 なお、朝から降り続いていた雨は、この時点ではほぼやんでおり、彼女は最初にそのことに触れてからライブをスタートした。

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