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『DIRT』インタビュー

OBLIVION DUSTのK.A.Zが語る、バンドを続ける理由「音でハッピーになれる感覚がある」

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 7月20日に4年ぶりの新音源になるミニアルバム『DIRT』をリリースし、8月上旬に5本のツアーを行ったOBLIVION DUST。そのツアーは8月11日渋谷O-EASTでファイナルを迎えたのだが、このバンドが「鳴った瞬間に違う」「そもそもが違う」「何から何まで違う」圧倒的な音を持っていること、そういうライブ・パフォーマンスをやる存在であることを、改めて見せつけるステージだった。ボーカルのKEN LLOYDは日英のハーフで英語ネイティヴだし、ギターのK.A.ZもベースのRIKIJIも、サポート・ドラマーのARIMATSUも含めて、音やプレイそのものにキャラが出るような凄腕だが、そういうことをもってして「日本人離れ」とか「洋楽レベル」とか言いたいわけでもない。洋楽と同じだったらすばらしいのかというと、そういうことでもないし。

 ラウドだが爆音なだけではない、ストレートにヘヴィだがまっすぐなだけではない、鳴った瞬間にいきなりオリジナルであることが伝わってくる、そんな音の存在感なのだ。解散と再結成を経験しているキャリアの長いバンドだし、昔からそうだったのもしれないが、曲がシンプルな方向に向かいつつある分、それがいっそう浮き彫りになっているように感じる、今のOBLIVION DUSTは。

 リアルサウンドでは『DIRT』のリリース・タイミングで、この作品がどういうものなのか、そもそもOBLIVION DUSTとはどのようなバンドなのかについてのレビューをアップしたが(こちら:OBLIVION DUST、新作『DIRT』でロック最前線へ! 兵庫慎司がバンドの歩みと現在地を読む)、ひき続きギタリストのK.A.Zのインタビューを行った。『DIRT』がシンプルな新鮮さに満ちた作品になったのか、今のこのバンドがどういう状態なのか、あるいはHYDEとのバンドVAMPSでの活動など多忙を極める中で、それでもOBLIVION DUSTでの活動をストップさせない理由はなんなのか、などについて訊いた。(兵庫慎司)

『DIRT』をセッションで制作した理由

20160828-kaz.jpgK.A.Z

──『DIRT』をリリースしてツアーをやってみて、いかがでした?

K.A.Z:新曲自体、4年ぶりくらいだったので。一昨年、去年とツアーをやって、セットリストに少し飽きがきていたというか。今の感じを続けていても新鮮味がない、というような。なので、新曲を交えてやったことで、バンドも気持ち的な潤いができたというか、新鮮にやれましたね。

──去年まで音源を作れなかったのはスケジュールの問題?

K.A.Z:そうですね、僕個人のスケジュールもそうですし、3人のスケジュールがなかなかうまく合わなかったりもして。ただ、制作自体は……曲を作っている時に「あ、これはオブリにいいな」という曲は、自分のパソコン上の「オブリ用」っていうボックスに入れてあったりはしたんですけど。

ただ、結局、そうやってそれぞれが曲を持ち寄るんじゃなくて、みんなでスタジオに入って、「さん、はい」で一緒に音を出して曲を書く、という方法で作ったんですね、『DIRT』は。そうやって作ったのなんて、何年ぶりか……たぶん結成当時以来だと思うんですけど、今回やってみて。

  3人で集まって一緒にひとつのものを作るのって、労力が要るんですね。意見の違いだったりとか、「この曲の方向はこっち」っていうところでの衝突だったりとか。それはなるべく避けて通りたいので、ひとりで曲を作って、メンバーそれぞれ持ち寄っていたりしたんですけど。でも今回一緒にやってみたら、自分だけのアイディアではない、ほかの人のテイストが入ってくるのが新鮮だった、という部分もありますね。

あと、メンバーそれぞれ曲を作って持ってきましょう、っていう方法で、ストレスなくできるかというと、やっぱりストレスを持っている人もいたりとか。それで、再結成したけどまたぎこちなくなってきた、みたいになっちゃうと、楽しみにしてくれているファンに失礼なことになってしまうので。もっとOBLIVION DUSTらしいものを作るには、こうして初心に戻って一緒に作るのが正解だったかもしれないですね。

──でも解散前の頃を思い出すと、そうやってメンバー同士向き合って、意見を戦わせて作ると、このバンドの場合、すごい修羅場になりません?(笑)。

K.A.Z:そうですね。今回ももちろん、うまくいかなくて、スタジオの空気が止まったりした時もあったんですけど。でもそこに、みんなの興味を惹くような新しいアイディアとかをポンと落とすと、やっぱりみんな気分が変わって、体温が二度三度上がったような感じになって、また曲が動き出したり。そういうおもしろさがあった。やっぱりものづくりって、「みんな仲良しでやろうね」っていうわけにはいかないもんだなとは思ってるところもある。

──できあがってみていかがでした? 今回はそうやって作ってよかったと思えました?

K.A.Z:思えましたね。作ってる最中はまだ……それが今回正解だったかどうか、しばらく時間が経たないとわからなかったけど、できあがって、ライブでやってみて「あ、これでよかったんだな」と思いましたね。ライブでの感触がとてもよかったので。

──とにかくシンプルな作品にしよう、というのはありました?

K.A.Z:ああ、ありましたね。最近のバンドを悪く言うわけではないんだけど、1曲の中に5曲とか6曲の要素があって……そういう曲のおもしろさも、もちろんあると思うんだけど、やっぱり自分が聴いて育ってきた音楽は、そういうものではなかったし。もっとすごいシンプルで、一個のことをずっとやってるんだけど、ちょっと洗脳的に覚えさせられるくらいの曲だったりとか。

  たとえばメタルにしてもハードロックにしても、昔のほうがシンプルで聴きやすい感じがあったりするんですよね。よけいなものを削ぎ落として、「これもいらない、これもいらないよね。これでどう?」っていう、そのシンプルさに王道みたいなものが出てるのかな、というか。聴いていて飽きさせてしまうようなものだったらダメですけど、シンプルだけど飽きないものってあるので。

──ただ、今のOBLIVION DUSTがやっているシンプルさって、ほかのシンプルな音とは違いますよね。たとえば、すべての楽器の音を決めるのに、すごい手間をかけてたりしません?

K.A.Z:ああ、かけてますね。だから、レコーディングはすごく時間かかりますね。ドラムの音ひとつでアルバム全体の音の印象が決まっちゃったりするので。ドラム録りって、ロック・バンドだったらすごいこだわるものだと思うんですけど、そこにあまり重きを置いてないアルバムを、よく耳にしたりするから。「いや、そこいちばんやんないと、ほかの音もよくならないよ?」って思う。ドラムの音って基礎の部分だから、時間がかかって当然だと思うし。

  ただ、音作りは時間がかかって当然なんだけど、いかにドラマーを疲れさせないように、いかにテイクを少なくするか、とか……そこまで行くとプロデューサーの領域かもしれないですけど。そういうことも考えながら、いかにいい音作りをするかというのは考えてますね。ドラムだけじゃなく、入っている音すべてに関して。

──だから、すごく細かく詰めた上で、すごくシンプルなことをやっているという。

K.A.Z:そうですね。そういう感じかもしれないですね。

      

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