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ミニアルバム『Quest』リリース記念対談

『モンスト』楽曲はどのようにして生まれる? 同作サウンド担当×WHITE ASHが語る制作秘話

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 WHITE ASHが8月17日、ミニアルバム『Quest』をリリースした。同作はスマートフォン向け人気ゲームアプリ『モンスターストライク』のYouTubeアニメ版『アニメ モンスターストライク』に関連するタイアップ楽曲を数多く収録しており、なかには同アプリのテーマ曲をサンプリング的に使用した楽曲も存在する。そこで今回リアルサウンドでは、同アニメ・アプリに関連するサウンドを手掛けるXFLAG ARTS SOUNDの中井博規氏と、メンバー4人による対談を行なった。中井氏が語るWHITE ASH起用の理由や、メンバーにとっては初めての経験が多く、改めてWHITE ASHらしさを見つめなおしたという同作の制作過程について、興味深い話が次々に飛び出した。また、記事の最後には読者プレゼントもあるので、こちらも要チェックだ。(編集部)

「それぞれの『らしさ』が再確認できた」(山さん)

ーー今回のミニアルバム『Quest』は、丸ごと「モンスト」タイアップという珍しい形の一枚となりました。まずはその経緯から教えていただけますか?

中井博規(以下、中井):そもそものきっかけからお話すると、スマホゲームアプリ『モンスターストライク』のアニメを去年の10月からYouTubeで配信しています。で、そのエンディングテーマをどうしようかという話を社内でディスカッションしていくなかで、WHITE ASHさんの名前が挙がり、僕のほうからお声を掛けさせていただきました。

のび太(Vo./Gt.):「モンスト」の存在自体は知っていたし、自分たちもプレイしたりはしていたんですけど、YouTubeでアニメをやっているのは、そのときはまだ知らなくて。で、そのアニメの曲を一緒にやりたいですというお話をいただいて、しかも「モンスト」のゲームのメインテーマのメロディをもとに、曲を作っていきたいということで。アニメの曲を一緒にやる場合、基本的にはオープニングかエンディング、どちらか一曲じゃないですか。でも、今回はいざフタを開けてみたら、エンディングテーマのバリエーションがたくさんあって。それで、いろんな曲を一緒に作っていって、結果こういうミニアルバムになったんです。

ーータイアップ自体は、これまでも結構やられていますよね?

のび太:そうですね。ただ、今までのものといちばん大きな違いとしてあったのは、すでにあるメロディをもとに曲を作るということで。それは今までにないチャレンジだったので、そのなかでどう自分たちらしさみたいなものを出していくかが課題になるのかなとは思っていましたが、実は中井さんが僕らの音楽をかなり聴きこんでくれていたんですよね。WHITE ASHらしさや、WHITE ASHの良さみたいなものを、ちゃんと分析して整理してくれていたんです。だから、一緒にゼロから曲を作って行くなかでも、「こういうところがWHITE ASHらしさだと思うんで、こういう要素を入れていきましょう」とか、そういう話をしながら曲作りを進めていけたので、ある意味では、いつもよりも目標というかゴールみたいなものが明確にあって、そこに向かって曲を作っていくような感じだったんですよね。

山さん(Gt.):やっぱりWHITE ASHというのは、のび太の作り出すメロディが、ひとつの大きな要素になっているので、最初は正直不安だったんです。でも、その分メンバーそれぞれが「WHITE ASHのサウンドの持ち味って何だろう?」ってことを考えたり気づいたりする瞬間が、今回作業しているなかで結構あったんです。たとえば僕だったら、メロディに負けないギターのフレーズを作ることを毎回テーマにしているので、それをサビのメロディにぶつけていくというトライをしてみたり。そうやって、メロディの一部が縛られることによって、それぞれの「らしさ」みたいなものが再確認できたと思います。

彩(Ba.):タイアップなので「もっとこうして欲しい」という注文が結構あるのかなと思っていたら、私自身は結構自由にやらせていただいて。だから、私は割といつも通りのベースを弾きながら、そこにプラスアルファとして少し攻めた音作りをしてみたり。ホント、自由にやらせてもらいましたね。

剛(Dr.):僕も前作、前々作ぐらいからの経験を活かしながら、ドラムのアプローチの部分では、結構今までのやり方を踏襲しながらやれたところがあって。そういう感覚でトライできたのは、すごく良かったなって思います。

のび太:デモの段階とかでは、結構「モンスト」の世界観に寄せていった曲とかもあったんですよね。だけど、それを中井さんに渡したら、「もっとWHITE ASHらしさを出しちゃっていいですよ」と言われたりして。それぐらい、僕らの音楽性を尊重してくれたんですよね。

20160819-whiteash3.jpgWHITE ASH・のび太(左)と中井博規氏(右)。

ーーちなみに、中井さんの言う「WHITE ASHらしさ」とは、どういう部分になるのでしょう?

中井:やはり、シンプルでストレートなサウンドですね。4月に一週間ぐらいスタジオにこもりきりで、朝から晩までずっと一緒にレコーディングをしていたのですが、最初は「モンスト」らしさのようなものをどんどん足し算していくという作業でした。ですが、「やっぱりWHITE ASHは、シンプルなのがいちばんカッコ良いのではないか」という形で互いに納得し、例えば彩さんのベースも、シンプルでカッコ良いからそのままでいいんじゃないですかと話し合ったりしました。

彩:何かの曲で、結構いろいろなことを試してみたんですけど、中井さんと話すうちに、今まで通りシンプルなのが一番という結論になりました。

中井:例えば、今回のミニアルバムに「Drop」という曲が入っているのですが、その曲の始まりは、山さんと彩さんのリフのユニゾンで始まっていて……それは、サビを気持ち良くするために、あえて抑え目に弾いてもらっているものなんです。

ーー細かいところまで話し合いながら作業をされたんですね。

のび太:そう、今回のミニアルバムに入っている曲って、一曲ごとにーーたとえば、この曲はアニメに出てくるこのキャラクターのメインテーマとなるような楽曲に仕上げたいから、曲の雰囲気としてはこういうのが良くて、歌詞の内容としてはこういうのが良くてっていうところから、Aメロの雰囲気はこう、サビの雰囲気はこう、で、全体構成としてはこういう感じとか、中井さんのなかである程度イメージみたいなものがはっきりあって。

ーーすごい。

のび太:で、サビのメロディに関しては、僕の歌の高音のラのシャープあたりの、その微妙にかすれるかかすれないかの感じの声がいちばんカッコ良く聴こえるから、そこが最高点になるようなメロディにしましょうといったように、すごく細部まで僕らの音楽を分析してくださって。その設計図をもとに作っているので、実はやりやすかったところもあって(笑)。

山さん:確かに(笑)。でも、今まで聞いたなかで、いちばん細かい指示だったような気がしますよね。

ーーそれってもはや、音楽プロデューサーじゃないですか。

のび太:今まで僕は、結構好き勝手にサビのメロディを作っていたというか、単純に「あ、 こういう感じのメロディいいな」と思って作っていたんですよね。だから、そういうラのシャープが最高点になるようにメロディを考えたりするっていうのは、今までなかったというか。

中井:聴き手がカタルシスを感じる瞬間から逆算してメロディを作るということですよね。

のび太:そうです。中井さんは、何で僕らの音楽のことを、そんなにちゃんと分析できているんですか?

中井:もともと音楽は好きなんです。WHITE ASHの曲では、「Casablanca」がすごくカッコ良いなと感じました。

ーーひょっとして、もともとバンドマンだったとか?

中井:あ、はい。といっても学生の頃の話です。今は、いろんな縁があって、XFLAGのサウンド面の仕事を担当させていただいています。

ーーサウンド面の仕事というと?

中井:XFLAGというのは「モンスターストライク」ですとか「ブラナイDASH」、「マーベル ツムツム」といったスマホゲームアプリを提供している組織で、僕はその中で「音楽」に関わる業務に従事しています。アプリ内のBGM・SE制作はもちろんのこと、今回のようにアニメ版「モンスターストライク」のタイアップソングを制作したり、 「モンスト」のテーマソングを吹奏楽アレンジして楽譜を無料配布する施策を行ったこともあります。9月25日に開催するイベント・XFLAG PARK(※)では、WHITE ASHのライブも開催されますし、ほかにも様々な音楽にまつわるコンテンツが催されますので、それらにも携わったりしています。

ーースマホアプリを音楽面から広げていくような?

中井:まさに、おっしゃる通りですね。「モンスト」にまだ触れたことのない方々に対しても「音楽」という切り口であれば興味・関心を持ってもらうことができるのではないか、と考えています。WHITE ASHさんのような方々と一緒に取り組みをすることで、音楽好きの方やバンド好きの方にも、「モンストって何だろう」という風に、何かが伝わっていけばいいなと期待しているんです。

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※XFLAG PARKとは
『モンスターストライク』などを提供するXFLAGスタジオが贈る、ゲームイベントの枠を完全に超えた、全く新しい”ケタハズレ”なLIVEエンターテインメントショー。2016年9月25日(日)開催。完全事前応募制で、9月2日まで応募受付中。詳細はXFLAG PARK特設サイト(https://park.xflag.com/)へ。

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