くるり、BUMP、アジカン……それぞれのアニバーサリーイヤーの動き

 2016年は、結成からデビューなど、様々なバンドのアニバーサリーイヤーが目立つ年である。“周年”とはバンドにとってどういう位置付けなのだろうか。主に20周年を迎えるアーティストを中心に、今年のバンド活動を軸に考えてみたい。

 くるりは、1996年9月に京都府内の大学のサークル内で結成し、今年で結成20年目を迎えた。また、自らが主催するイベント『京都音楽博覧会』も今年9月で10回目の開催に至る。同月には、デビュー曲「東京」から最新作「琥珀色の街、上海蟹の朝」まで、これまでの全シングル曲を収録したオールタイムベスト『くるりの20回転』のリリースも控えている。そして、くるりが昨年から精力的に取り組んでいるのが、コンセプトライブシリーズ『NOW AND THEN』だ。同企画はくるりが、“過去を振り返ったうえで、これからを創っていく”という意思を込めたもので、これまでに1stアルバム『さよならストレンジャー』、2ndアルバム『図鑑』、3rdアルバム『TEAM ROCK』と4thアルバム『THE WORLD IS MINE』、5thアルバム『アンテナ』の再現ライブを各地で開催している。くるりは、過去作再現ツアーで自身の音楽活動を振り返っているが、R&BやHIPHOPのテイストを含む「琥珀色の街、上海蟹の朝」の新鮮さや、交響楽団とのコラボなど新しい活動にも取り組んでおり、自らの音楽活動を総括しながら、新たなフェーズへ向かおうとする姿勢が見られる。

 BUMP OF CHICKENは、初めてライブを行った1996年2月11日を結成記念日とし、ちょうど20年目となる同日に、『BUMP OF CHICKEN 結成20周年記念Special Live「20」』を幕張メッセで盛大に開催。新旧織り交ぜたセットリストを披露し、2002年アルバム『jupiter』から「ベル」をライブ初披露するなど、ファンへのたくさんの愛と感謝が凝縮された1日となった。その後も、初のスタジアムツアー『BUMP OF CHICKEN STADIUM TOUR 2016 “BFLY”』では、総動員数が約30万人に及び、日産スタジアム公演は2日間だけで14万人が集結した。その後も同ライブで披露した新曲「アリア」が現在放送中のTBS日曜劇場『仰げば尊し』の主題歌として起用され、今秋スタートのTVアニメ『3月のライオン』のオープニングテーマを書き下ろすことも決定している。彼らはこれからもこの勢いをとどめることなく、多くの人々に新たな音楽を届けていくだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる