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西廣智一『日本ヘヴィメタル/ラウドロック今昔物語』第3回「coldrainが結実させたオリジナリティ」

coldrainは国内ラウドロックと海外メタルをどう融合させ、オリジナルな音楽を作り出したか

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西廣智一
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 LOUDNESS、X JAPANと80年代から活躍するレジェンドたちについて触れてきたこの連載。両バンドともヘヴィメタルサイドに寄った内容だったこともあり、ここから数回は昨今のラウドロックサイド寄りの話題をしていきたいと思う。

 というわけで、まず紹介するのは名古屋出身の5人組バンドcoldrain。彼らやCrossfaithといった“ゼロ年代”以降のバンドが、現在の国内ラウドロックシーンと海外のメタルシーンとの架け橋になっていることは紛れもない事実だろう。そんなcoldrainの本格的な海外進出は意外にも2014年以降のこと。2014年にBULLET FOR MY VALENTINEやBRING ME THE HORIZONなどが所属するイギリスの大手マネジメント『Raw Power Management』と契約したのを契機に、海外リリースやワールドツアーが続くことになる。

 それまでのcoldrainは2008年11月の1stシングル『Fiction』リリース以降、国内を中心に活動を展開。2008年というとX JAPANが東京ドーム3DAYS公演で華々しい復活を果たし、coldrainと同じレーベルに所属するマキシマム ザ ホルモンはシングル『爪爪爪/「F」』が大ヒット、DIR EN GREYが7thアルバム『UROBOROS』を世界17カ国で同時発売し、LOUDNESSのオリジナルドラマー樋口宗孝が急逝するという、今となってはヘヴィメタル/ラウドロックにおける転換期だった年だ。ちなみにCrossfaithはその翌年、2009年4月に1stアルバム『The Artificial theory for the Dramatic Beauty』をインディーズから発表している。

 coldrainはフロントマンMasato(Vo)を中心に、Y.K.C(G)、Sugi(G)、RxYxO(B)、Katsuma(Dr)という不動の5人で今日まで活動。ヘヴィメタルよりもポストハードコア、スクリーモ、エモなどの色合いを強く感じさせる1stフルアルバム『Final Destination』(2009年)こそ海外の同系統バンドからの影響が見え隠れするが、続く1stミニアルバム『Nothing Lasts Forever』(2010年)以降は作品を重ねるごとに独自のオリジナリティを確立させていく。海外モダンメタルや国内ラウドシーンの流行を適度に取り入れつつも、強度のあるギターリフとパワフルなビート、スクリームとクリーントーンを緩急自在に操るボーカル、日本人が好む“泣き”の歌メロ(これはエモというよりも旧来のヘヴィメタル的と言えるかもしれない)……こういった要素が若いファンから往年のメタルファンまで幅広い層に愛される要因ではないだろうか。

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