indigo la End、苦難の季節を経て充実期へーーポップスに回帰した国際フォーラム公演レポート

indigo la End、国際フォーラムホールAレポ

 12月3日、indigo la End(以下、インディゴ)がワンマンライブ「蒼き花束」を東京国際フォーラムホールAで開催した。バンドにとって過去最大規模の会場ながら、チケットは見事にソールドアウトし、約5000人のファンが集結。しかも、この日は川谷絵音の誕生日ということもあって、ライブの途中でSEKAI NO OWARIのNakajin、キュウソネコカミのヤマサキセイヤ、Perfumeのあーちゃん、ウエンツ瑛士という川谷と親交のある4人からのビデオメッセージが上映され、ゲストとしてゲスの極み乙女。(以下、ゲス乙女)の休日課長が花束を抱えて登場する場面も(彼は元インディゴのメンバーでもある)。さらに、川谷とあーちゃんが知り合うきっかけを作り、川谷と同じくこの日が誕生日だったWEAVERの杉本雄治が登場し、ツインボーカルで「瞳に映らない」を披露と、サプライズ満載の一夜となった。

 ただ、よくよく考えると、これはなかなかにチャレンジングなことだったように思う。最初に書いた通り、この日はバンドにとって過去最大キャパのワンマンであり、初見のお客さんも多かったであろうことを考えれば、普通は一曲でも多くの曲を演奏して、バンドの世界観をアピールしようと考えそうなもの。ゲス乙女がそのキャラクター性もあってライブの中に様々なネタを持ち込んでいるのに対し、これまでのインディゴのライブはシンプルな構成のものが多く、今年に入ってワンマンの会場をライブハウスからホール中心に移したのも、じっくり音楽を味わってほしいという気持ちの表れだったはず。もちろん、この日は誕生日という特別な日だったわけだが、それにしても、これまでとは大きく様子の違うライブだったのだ。

 もちろん、この変化は決してネガティブなものではなく、明らかにポジティブなもの。少しこれまでを振り返ってみると、インディゴは川谷がゲス乙女を結成する以前から活動していたバンドだが、結果的にはゲス乙女が先にブレイク。昨年ゲス乙女と共にメジャーデビューを果たしたものの、その時点ではまだベースの後鳥亮介はサポートで、昨年8月に正式加入するも、今度は年末にドラムのオオタユウスケが脱退している。しかし、今年の3月に行われた中野サンプラザ公演で、サポートだった佐藤栄太郎の正式加入が発表され、ようやくメンバーが固定されると、7月のツアーでは渋谷公会堂でのワンマンを成功させるなど、ようやく活動が軌道に乗り始めた。その流れで掴んだ自信があったからこそ、この日のライブを誕生日の特別なものと位置付けることができたのだろう。

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