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『日本ヘヴィメタル/ラウドロック今昔物語』第2回「メタルサイドから見たX JAPANの魅力」

メタルの視点から見た、X JAPANの功績とは? ディスコグラフィーと活動遍歴から改めて考える

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LOUDNESS
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 LOUDNESSについて書いた連載第1回が非常に好評だったと聞く。とてもありがたい話だ。事実、「連載楽しみにしてます!」「ここでメタルを勉強します!」というポジティブな声から「次がVOW WOWじゃなかったら許さん」のようなリクエストまで届くほど。しかし、今のシーンを踏まえつつ過去を振り返ると、自分的には最初に紹介しなければならないバンドはLOUDNESSとX(X JAPAN)の2組なんだと、連載開始前から決めていた。これだけはどうしても覆すことはできない。

 というわけで、今回はXをメタル側からの視点で語ってみたいと思う。彼らはヴィジュアル系の流れで語られることが多いのだが、Xとの出会いをきっかけに楽器を始めた、バンドを始めたというミュージシャンがV系以外にもメジャー/インディーズ問わず数多く存在するのも事実。現在のラウドロックにも少なからず影響を与えているだろうし、一周回って彼らに影響を受けた若手メタルバンドもいることだろう。また最近ではBABYMETALを通じてXを再評価する動きすらある。そしてその影響は国内のみならず、海外にまで波及。昨年秋に一部メタルファンの間で話題を呼んだ“アメリカのヴィジュアル系”バンド、SALEMS LOTTもその1組だ。彼らは80年代のジャパメタ、90年代のV系からの影響を感じさせるスタイルで、ファッションは80年代半ばのXそのもの。ライブではXの「オルガスム」を日本語でカバーしている(ちなみに彼ら、10月末には全米ツアー中のLOUDNESSと共演を果たす予定だ)。

Salems Lott – S.S. (Sonic Shock)

 ヘヴィメタルバンドとしてのXは、“LOUDNESS以降の流れを作った”という意味では、良くも悪くも日本のメタルシーンに多大なる影響を与えてきた。良い意味で言うと、ヘヴィメタルというものをお茶の間に広めるのに一役買ったということ。これは80年後半以降にXと聖飢魔IIがヒットチャートの上位入りしたこと、そしてテレビ番組にも積極的に出演したことが大きい。また空前のバンドブームが勃発した時期と重なり、ロックバンドが表舞台に次々と飛び出していくには絶好のタイミングだった。

 しかし、こういったメディア露出が増えたことが諸刃の剣となり、「ヘビメタ」という蔑称で嘲笑されていたのも事実。これが悪い意味での影響だ。Xはメジャーデビュー前からバラエティ番組に出演するなどして知名度を上げようとした。結果、バンドとしての認知度は高まったが、同時にメタルシーン全体がコミカルなものとして捉えられてしまうような誤解を与えることにもなった。こういったことが重なり、Xはメタル村から“非国民”的扱いを受けることになる。

 では音楽的にはどうだったのか。Xが1988年にインディーズのExtacy Recordsから発表した1stアルバム『Vanishing Vision』は、当時のインディーズとしては記録的なセールスを上げている。すでにバラエティ番組で色モノのレッテルが付いていた彼らが音楽的に優れていることを証明するにはうってつけの1枚で、スピードメタル/パワーメタルを軸にした楽曲の数々には親しみやすいメロディが乗せられており、時にはスラッシュメタル色を強めた高速ビートを、時にはピアノをフィーチャーしたクラシカルなバラードを聴かせる。さらには演奏技術の高さを前面に打ち出したインスト曲まであり、すでにこの時点でXとしての個性はほぼ完成している。また歌詞も前半(アナログA面)は日本語詞、後半(同B面)は英語詞という構成が、のちの海外進出を考えると興味深い。

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