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デビューアルバム『Black Cranberry』インタビュー

JAZEE MINORが語る、ラップにおける日本語の強み「シンプルな音のとり方をするとハマる」

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若手ラッパーの注目株として知られるJAZEE MINOR。

 ANARCHY、NORIKIYO、SALU、サイプレス上野など、日本語ヒップホップシーンを牽引する数々のラッパーたちと共演し、その存在感をシーンに示してきたJAZEE MINORが、自身初となるアルバム『Black Cranberry』を8月6日にリリースした。これまでの共演作ではシンガーとしての側面が特に評価されてきたJAZEE MINORだが、今作ではAKLOらを客演に迎え、スキルフルなラップもたっぷりと披露している。その音楽的な幅広さはいかにして培われてきたのか。新作についてはもちろん、自身の音楽ルーツから単身NYに渡った時の経験、さらには日本語ラップならではの面白さや可能性についてまで、大いに語ってもらった。

「日本語をいかに英語の音としてハメていくかを考えている」

JAZEE MINOR "100" feat. AKLO(Official Video)

――初アルバム『Black Cranberry』は、これまで客演で歌っていたJAZEE MINORとは一味違う印象を抱かせる作品でした。

JAZEE MINOR(以下、JM):そうですね。これまで客演では、メロディを付けてフックを歌うことが多かったので、そのイメージが先行してシンガーみたいな印象を与えていたと思うし、自分でもそういう狙いはあったんですけど、今回のアルバムではそうじゃない部分——たとえばバースでのラップとか、そういう部分に力を注ぎました。自分が持っている自分の印象と、人が思っている自分の印象の間にギャップが出てきてたところでもあったので、その差を埋められるようにも意識しています。

――アルバムを通して一貫したトーンはあるけれど、楽曲の幅は広いですね。前半は明るくてテンションが高めだけど、後半になるに連れて哀愁系のメロウな雰囲気になっていく。4曲目「Ride wiz me」では、レゲエ的なアプローチもしていますね。この“幅広さ”はどこから?

JM:小学生の時に兄の部屋からフージーズとか聴こえてきたりして、ブラックミュージックに段々興味を持ち始めたんですよね。中学の頃になるとヒップホップバブルが来て、それこそDragon AshとかZeebraが絶頂期だった。それで「ヒップホップってこんなに日本に根付いているんだ」って思ってヘッズになって、友達とみんなで色々堀ったりした。でも、当時はヒップホップの勢いがすごすぎて、みんなが聴くようになってたから、それにちょっと嫌気がさして、逆にロックとか聴くようになっていったんです(笑)。それでギター買って、自分で耳コピして演奏したりしてたんですよね。そこで幅広さが培われたというか、自分の中に表現方法は色々あるんだってことを自覚しました。今でこそフックにメロディ付けて歌うラッパーは珍しくないけれど、自分の場合はキャリアをスタートした段階からそういうことを意識的にしていましたね。

――フロウは英語のラップに近い部分もありますね。こういう節回しってどうやって作るんですか?

JM:リリックを書き始めた時から意識していることなんですが、普段日本語で話している言葉を、いかに英語の音としてハメていくか、ということは考えています。逆に英語を聴いて、この音って日本語の音でもあるよな、とか気付いたり。一度、言葉を音として捉えて、曲の中に当てはめていく感じですね。ただ、フロウを意識しすぎるとつじつまの合わない文法になったりもするので、その辺のバランスは気を付けています。もちろん、音楽だからそういう言い方もできるって考えもアリだと思うけど、極力普段使う言葉で当てはめた方が自分の場合はしっくりきますね。

――リード曲『100 feat. AKLO』では、AKLOと共演しています。

JM:この曲は先行配信シングルなので、みんなに見せたことがないところをまず見せたかったんですよね。それでラップで名前が売れていて、かつ自分と相性が良さそうな人と一緒に作りたいと思って、AKLO君にお願いしました。案の定レベルが高かったですね。たとえばリズムの取り方、抜くところは抜いて、逆にハメるところはビシっとハメてくる。そういう緩急の付け方とか、すごく勉強になりましたし、それが欲しくてAKLO君を呼んだので、狙い通りの曲に仕上がりました。

――内容的には決意表明というか、強い意思を感じるリリックですね。

JM:そうですね。自分の中で“100”っていう言葉には2つの解釈があって、ひとつは“I keep it 100”、つまり自分の100を出せるように、ありのままでいたいっていう意味と、もうひとつはそれとは別に、100点満点を狙っていきたいという意味もあります。ブリッジの部分は“100”を点数として解釈したリリックで、ラストでは2つの解釈をうまくまとめられたかなって思います。

――サウンド的には最新のUSサウンドの影響が色濃くて、スペーシーなシンセや、特有の浮遊感のあるビートが印象的でした。

JM:今回トラックを作ってもらったJIGG君やA-KAYさんはそれこそUSノリで、音の鳴りも良くてアガる感じですね。後半ではMONBEE君に2曲作ってもらっているんですけど、彼の作る曲はむしろ日本的で、哀愁があるというか、日本人が好むメロディ感覚があると思います。前半は底抜けに明るい曲を並べて、後半はクールに締めたかったんですけど、それが狙い通りに作れた感じです。サウンドでもちゃんとストーリーが出来ていると思うので、ぜひ通して聴いてみてほしいですね。

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