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アーティスト×哲学者 V系カルチャーを語る(前編)

KAMIJO×國分功一郎の異色対談 ヴィジュアル系はいかにして海外で支持を広げてきたか

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対談
藤谷千明
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左、KAMIJO、右、國分功一郎。東京・某所にて。撮影:逸見隆明

 ヴィジュアル系バンドLAREINE、Versaillesのヴォーカリストとして活躍した後、2013年12月にソロでメジャーデビューを果たしたアーティスト、KAMIJO。スピノザやドゥルーズなどを研究する哲学者で、2011年10月に発表した著書『暇と退屈の倫理学』が異例のベストセラーとなった國分功一郎。一見すると接点のない二人であるが、國分はフランス留学中に現地のヴィジュアル系人気を目の当たりにし、VersaillesやKAMIJOの活動にも注目してきたという。今回の対談では、それぞれの視点から見たヴィジュアル系のユニークさ、特異性について語り合ってもらった。(編集部)

「ヴィジュアル系って極端な話、ブサイクだったら化粧をすればよい」(KAMIJO)

國分:僕がちょうどフランスに留学していたのが2000年から2005年で、当時僕の周りには日本語を勉強するフランス人学生が沢山いたんです。彼らはとにかくみんなヴィジュアル系が大好きなんですよ。向こうでも「Visualkei」って言うんですよね。一緒にカラオケに行くと、僕でも知らないようなヴィジュアル系バンドの曲を歌いまくっているんですよ(笑)。

KAMIJO:それは嬉しいですね。

國分:海外に発信されている文化の中でもヴィジュアル系はすごい普及率ですよね。なので、まずはVersaillesやソロ活動もふくめて海外でのKAMIJOさんの活動の受け入れられ方を聞かせてほしいのですが。

KAMIJO:「日本文化」というカテゴリの中で、「アニメ」と「ヴィジュアル系」はすごくわかりやすい形で海外の方に受け入れていただいていることは、これまでの自分自身の活動からも身にしみて感じてきました。その中でVersaillesはメタルサウンドを基本としていたので、サウンド的なバックボーンもふくめてしっかりと見てもらっていると思います。

國分:Versaillesの演奏は非常に高度ですよね。「おまえら格好だけだろ」みたいなヴィジュアル系への批判ってよくあるじゃないですか。だけど、ヴィジュアル系はX JAPANもそうだったんですけど、格好が常識破りであると同時に、技術もすごかった。

KAMIJO:どっちも負けちゃいけないと思っていました。僕たちがしているのは「音の自分」と「ヴィジュアルの自分」…、常に自分との戦い。両方1番じゃなきゃダメだと。それが相乗効果になっていると思います。

國分:なるほど、いいですねえ(笑)。

KAMIJO:ロックバンドである以上、とにかく目立って曲を聞いてもらわなければいけないじゃないですか。ヴィジュアル系って極端な話ですね、ブサイクだったら化粧をすればよくて、演奏が下手だったら練習すればいい。それはすべて理想を求めているんです。その形が「ヴィジュアル系」だと思っています。理想というのは「見る」ものではなく、それを追い求めて形にしていくもの。アニメもそうじゃないですか。存在しないものを絵に描いて動かすというのは理想の追求ですよね。常に理想を求めていかないと。

國分:しかもそれで海外でも商業的に成功しているわけですからすごいですよね。かつての日本のミュージシャンたちにとっても「海外進出」は大きなテーマだった。当然ヴィジュアル系以前にもそういったケースは無いわけではなく、たとえばハードロックだったらLOUDNESSだったり、VOW WOWも海外で評価を受けています。でもそれは、なんとなく「向こう(米英)に認めてもらう」という感じだったと思います。

KAMIJO:向こうの「ロック」に形を合わせるということですよね。

     
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