「ヴィジュアルシーンの中にも居場所がなかった」Plastic Treeが振り返る20年の軌跡

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ヴィジュアルシーンに留まらない活躍をするPlastic Tree。

 2013年に結成20周年を迎えたロックバンド・Plastic Tree(以下、プラスティックトゥリー)。ニューアルバム『echo』を2014年3月5日にリリースする彼らは、ゴシックな世界観やUKギターロックをベースに、シューゲイザーやグランジなど様々な音楽的バックグラウンドを見え隠れさせながら、シーンの中で常に独自の存在感を放ち続ける。出発点であったビジュアルシーンに留まらず、今や国内外で幅広いリスナーに支持される理由とは何なのか。20年のキャリアを紐解きながら、バンドの創設メンバーである有村竜太朗(Vo&Gt)と長谷川正(Ba)に語ってもらった。

このバンドは出来たときから、人間に例えると人格が完成されていた

——2013年で結成20周年を迎えたということで、まずどうしてプラスティックトゥリーというバンドが活動休止もなく20年間走り続けられたのかというところを伺っていこうかと思います。振り返ってみて、一番の要因というのはどんなところにあるとお考えですか?

有村竜太朗(以下、有村):うちのバンドの場合はまず『バンドやりたい』っていうのがあって。そこから好きな音楽とか映画とか、そういうノリが合ったっていうところから始めているんです。同級生で、とか、幼なじみで、っていうんじゃないので。もともとみんなバンドやってて、そこで生まれた『楽器うまいよね』とか『いい曲書くね』とか『面白い歌歌うね』というところでバンドが生まれて。そのときの関係がずっと続いてるんですよね、全部の意味で。例えば違うところは違うし、ハモるとこはハモるし、っていう。結局ベーシックな部分っていうのはあんまり変わんない気がします。

——バンドによってはメンバーの最大公約数的なところで作品を作ってるバンドもあるし、メンバー各々の個性がばらばらなのを生かしているバンドもあって。プラスティックトゥリーは音楽面でもメンバーそれぞれの色が凄く強いと感じるんですが。

長谷川正(以下、長谷川):もちろん最大公約数的な音楽性っていうのもあって。それが所謂UKロックとか、ギターロックとかプロフィールに書かれてたもので、それが最初のころのプラスティックトゥリーの音楽性の全てだったのかもしれないです。今はジャンルでいえばもっといろんなことが出来るようになったんですけど、メンバーで集まって『これカッコいいよね』っていう、至ってシンプルな面もバンドとして持ってるんですよね。

——デビューの時からずっとコンスタントにリリースをされていて、ともすればルーティーンになってしまうこともあるのではないかと思うんですけど。でもプラスティックトゥリーの場合は、常に最新型のバンドの姿が作品に表れていますよね。

長谷川:おそらくプラスティックトゥリーってバンドが出来たときから、このバンドは人間に例えると人格が完成されちゃってて。メンバーが抜けたり、海外で公演したり、武道館のステージに立てたりとか、節目節目にいろんな出来事はあるにしても、バンドの人格を覆すような経験ってなくって。だからそう思うと、さっき言ったようにバンドが20年休まず続けられたっていうのも、やっぱりバンドが凄くシンプルな理由で、やりたいから生まれたっていうのもあります。

——なるほど。

長谷川:このバンドやりたいから、っていう、ただそれだけで20年間やってきて、『どんな音楽ができるんだろう?』っていうのを作品を作る度に見つけたりするのも自分たちの楽しみのひとつで。『今度はこういうことやってみたらどうかなあ』とか、作品を作る度に新しいことも提示できるし、バンドを作ったときから変わらない、音楽でこういう世界観を作りたい、ってことも、常に平行して出来てるような気がするんですよね。

——それは別の見方をすると、常に未完成であるという想いがあるんですか?

有村:ああ、それはあるかもしれないですね。どのバンドもそうだと思うんですけど、このメンツが集まってるから生まれるっていう部分がいつもあって、飽きないっていうか。作業としては確かに長くやってるとルーティーン的なところも生まれてくるんですけど、そういう感じになったら新しいものやってみようってなるので。メンバーそれぞれ他のところで吸収したり、時には互いに吸収し合ったりしてます。

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