AKB48が芸能の原点に回帰!? 新曲「ハート・エレキ」がGSサウンドとなったワケ

 AKB48の33枚目のシングル『ハート・エレキ』が10月30日にリリースされる。サウンド、衣装、ジャケット、ダンスともに60年代のGS(グループサウンズ)を徹底的に意識した作りで、前作の「恋するフォーチュン・クッキー」が80年代ディスコだったことを考えると、さらに時代をさかのぼった1曲となっている。

 AKBはここ数年、季節やイベントに合わせて発売するシングルの傾向を決めてきた。春は「桜の木になろう」「GIVE ME FIVE!」など、タイアップも関連した桜・卒業系の曲である。夏は「さよならクロール」「真夏のSound Goods!」など、AKBフォーマットによるアッパーチューン。

 9月には選抜総選挙の結果を受けて、前田敦子の「言い訳Maybe」「フライングゲット」、大島優子「ヘビーローテーション」「ギンガムチェック」、指原莉乃「恋するフォーチュン・クッキー」と、センターを務めるメンバーのイメージに合わせた曲。そして10月下旬から11月上旬には秋らしいシングルを1枚挟み、12月には「チャンスの順番」「上からマリコ」「永遠プレッシャー」と、じゃんけん選抜による企画物的要素が強い曲がリリースされてきた。

 その中でも注目したいのは、今回のタイミングでもある秋の一枚だ。これまで「UZA」「風は吹いている」「Beginner」「RIVER」などが秋の楽曲としてリリースされてきたが、その曲調はかなりバリエーションに富んでいて、AKBシングルの中では“攻めの姿勢”を感じさせる作品群となっているのである。

 秋という季節柄、作品にテーマを持たせにくいため、必然的に曲のバリエーションが増えていった面もあるだろう。しかし、それ以上に秋の作品には必ず「今のAKBで出来ることへの挑戦と、世間へのメッセージ」が含まれているように感じられるのだ。それは例えばハイレベルなダンスであったり、新しい音へのアプローチであったり、被災地支援などの社会的メッセージだったり……AKBはその時に突きつけられている現実にどう挑み、どう乗り越えて行くのか。それが作品で表現されている気がしてならない。

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