EDIFIERがブランド30周年イベント開催 テクノロジーファーストで生み出した“いい音”、山﨑賢人「いつも聴いています」

山﨑賢人がアンバサダーのEDIFIERとは?

 EDIFIERは先日、創業30周年記念発表会を開催した。さらに俳優の山﨑賢人を迎えた新CM発表会&トークショーも行われた。

 EDIFIERは1996年に中国・北京で創業したブランドで、ヘッドホンやイヤホン、パワードスピーカーといった製品の設計・製造を手掛けている。日本でもショッピングサイトや量販店に製品が並んでいるし、ポップアップストアなども展開しているので、注目している方も多いだろう。

 発表会では、EDIFIER Globalグループ 副社長 兼 製品開発統括責任者の温 煜 Stanley(オン・イク・スタンリー)氏が、30 年間のEdifierの歩みを紹介してくれた。

EDIFIER Globalグループ 副社長 兼 製品開発統括責任者の温 煜 Stanley(オン・イク・スタンリー)氏
EDIFIER Globalグループ 副社長 兼 製品開発統括責任者の温 煜 Stanley(オン・イク・スタンリー)氏

 温氏は「EDIFIERは、この30年間、ただ一つのことに情熱を注いできました。それは、『音響技術の研究開発とイノベーション』に完全にフォーカスすることです」と話した。

 さらに、「1998年にグローバル戦略に着手し、現在では80以上の国と地域で製品を展開しております。2025年の輸出売上は前年比で約30%の成長を記録しました。中国国内市場においても、当社のマルチメディアスピーカーは約50%のトップシェアを誇り、完全ワイヤレスイヤホンは常に出荷台数トップ3に名を連ねております」と同社製品が世界中で愛されていることをアピールしていた。

会場にある製品とそれぞれの受賞歴
発表会の会場には、EDIFIERの歴史を彩った製品がそれぞれの受賞歴といっしょに展示されていた

 その成長の背景にあるのが、「開発から製造までを網羅するテクノロジー・エコシステム」だ。イヤホンやスピーカーの基礎研究やドライバー設計に始まり、回路開発、アルゴリズムの最適化まで自社で完結した開発体制を構築している。さらに、日本のヘッドホンブランド「STAX」の買収や、アメリカの平面磁界型ヘッドホンの先駆者「Audeze」への出資を通じて、世界最高峰の音響リソースを統合。これにより、2025年末時点で、全世界で580件を超える特許を保有したそうだ。

 温氏はEDIFIERが今ではグローバルなテクノロジー・オーディオ企業へと成長を遂げたことを誇りつつ、「30年という歳月はひとつの通過点に過ぎません。私たちはこれからも、音の可能性に限界を設けることなく、挑戦を続けてまいります」と力強く宣言していた。

アクティブスピーカー、ポータブルBluetoothスピーカー
アクティブスピーカー、ポータブルBluetoothスピーカーといった製品もずらりと展示。こちらもEDIFIERの人気カテゴリーだ

 続いてブランドアンバサダーの山﨑賢人氏が登壇、自身が出演したCMの感想が語られた。山﨑氏は、「すごくおしゃれに撮っていただきました。ファッションシューティングのように自由な動きもありながらの撮影でしたが、完成したCMもスタイリッシュで、商品もその世界観にちゃんと溶け込んで表現できているかなって思います」と、満足のいく仕上がりだったようだ。

 新製品の『M90』については、「仕上げがレザーっぽくて、インテリアにも馴染むというか、そんな感じもいいですね。音もクリアで、撮影の時にも音楽を鳴らして、リラックスした雰囲気で撮影できてよかったです」と、サウンドも気に入っている様子だった。

ブランドアンバサダーの山崎賢人
山﨑賢人さんは、昨年に続いてEDIFIERのブランドアンバサダーに就任。撮影の現場でも『M90』(写真右)を使ってお気に入り音楽を再生したとのこと

 また山﨑氏は今年32歳で、EDIFIERとほぼ同世代ということになる。それを踏まえて、30代になって自身が進化した点を聞かれ、「アクションです。20代からアクション作品に関わることは多かったんですが、そういった経験をしてきたので、今ならできることや知識も増えています。体も元気に動くいい時期だと思うので、さらに頑張りたいと思います」と、今後の豊富を語っていた。

EDIFIERの“いい音”のためのこだわりを、温 煜氏に直撃インタビュー

ーー創業30周年おめでとうございます。EDIFIERは日本市場でも信頼されているブランドで、コストパフォーマンスに優れ、音質も優れていると思います。若い世代がハイファイオーディオに参入するきっかけになるのではないでしょうか。

温氏:ありがとうございます。われわれは中国企業ですが、この30年間、中国の社会は多くの変化に直面し、同時に企業もさまざまな課題に直面してきました。そのような環境下で事業を営むことは、決して簡単なことではありませんでした。

 特に中国のオーディオ業界は、歴史が長く、文化も複雑なため、オーディオに対する意見や認識が異なるグループが多くあります。そのため、この市場で生き残るのはなかなか難しいのです。

ーー新製品のアクティブスピーカー『M90』と、9月に発売予定のワイヤレスヘッドホン『WH950NB Pro』について教えてください。

温氏:当社はテクノロジーファーストを掲げる企業であり、製品開発においては技術を最優先しています。このふたつは技術面については、“先駆的”というより、“成熟した”という表現の方がふさわしいと思います。例えば『M90』は、『M60』の用途を拡大しようとする取り組みですが、技術面については成熟しているのです。『M60』が大きな成功を収めたので、お客様からのフィードバックを元に『M90』を開発しました。

アクティブスピーカー『M90』30周年記念プレート付きの限定モデル
アクティブスピーカー『M90』(4万6980円、税込)は、W133✕H212✕D225mmのコンパクトなサイズで、ハイレゾ音源の再生も可能。写真は30周年記念プレート付きの限定モデル(限定モデルの日本発売は未定)

ーー技術を重視しているという点について伺います。EDIFIERでは具体的にどんな取り組みを行っているのでしょう?

温氏:私たちは、ほぼすべてを社内で研究・開発しています。チップなどを除いてですが、それでもソフトウェア、アプリケーションソフト、オペレーティングシステム、AI関連アルゴリズムなど、たくさんのテーマがあります。中でも、ドライバーや音響素材には注目しています。当社には約400人の研究開発チームがあり、技術こそがキーだと考えています。

――2012年にSTAXを買収しました。その狙いは?

温氏:STAXを買収した後も、運営は完全に自主性に任せて、独立性を尊重しています。彼らは、私たちと比べると開発に時間をかけますが、物づくりが正確で、製品の細部に至るまで非常に几帳面です。われわれはSTAXから多くのことを学び、技術面や理解の深まりという点で大きな恩恵を受けています。また、SATXを通じて日本人を理解できるようになりました。STAXは、われわれと日本文化の架け橋なのです。

ワイヤレスヘッドホン
EDIFIERではワイヤレスヘッドホンもたくさんラインナップしている。今年9月には、さらに『WH950NB Pro』を発売予定

――ところで、EDIFIERでスピーカーやオーディオ機器を開発する際に、最終的な音決めはどのように進めているんでしょうか?

温氏:弊社には、製品ジャンルごとに“黄金の耳”を持ったチームがあり、そこで話し合って音を決めています。設計の完成度が95%を超えると、もはや“正しい”とか“間違っている”といった区別はなくなって、あくまで好みの問題になるのです。“黄金の耳”チームには、様々なタイプの人材が集まっていて、基準となるパフォーマンスは確保されています。

ーー先ほど上映された紹介ビデオには、本格的な無響室も写っていました。そこではどんなことを行っているのでしょう。

温氏:技術的なベースラインに到達するための検証です。しかし、測定ばかりに気を取られてはいけません。ベースラインを上回るかどうかは、依然として人々の認識次第ですので。

『MP230』
『MP230』(1万1990円、税込)は、48mmフルレンジスピーカーをステレオで搭載したBluetoothスピーカーで、山﨑賢人さんも愛用中とか

ーースピーカーの開発で重視しているポイントはどこでしょう。

温氏:『M90』では伝統的な構造を採用し、シルクドームツイーターとロングストロークウーファーが採用されています。しかし、『AIRPULSE』やハイエンドの『Sシリーズ』では話は別です。というのも、スピーカーの音色はユニットなどの素材の特性によるところが大きく、異なる素材を使用すると、音の方向性がまったく異なってきます。ですから開発に際しては、価格帯やユニット構成の違いに基づいて判断しています。

 私たちには技術的な基準があり、さらに“黄金の耳”を持つチームが、すべての製品を完成させるための、“黄金のタッチ”を加えてくれます。だからこそ、これほど長い間オーディオビジネスに携わってこられたのです。

ーー温さんのお気に入りの製品、おすすめモデルがあったら教えていただけますか。

温氏:たくさんありますよ! 当社には独自の製品や新製品など、多種多様なラインナップがありますからね(笑)。今後登場する『Sシリーズ』では、新しい平面磁気ツイーターを採用する予定です。これにより、まったく異なるサウンドが実現します。

ーーでは、温さんが好きな音楽ジャンルは何ですか?

温氏:いろんな音楽を聴きますが、年を重ねるにつれて軽やかな曲が好きになってきました。お気に入りの作曲家の一人はハンス・ジマー、映画のサウンドトラックも聴きます。

温 煜 Stanley(おん いく スタンリー)氏
温 煜 Stanley(おん いく スタンリー)氏。いきなりの直撃インタビューにも、気さくに応じてくれました

――サントラに関連して思い出しましたが、先日ホームシアターの取材で、プロジェクターと『M90』の組み合わせを体験しました。YouTubeやNetflixでライブや映画を見ましたが、圧巻のプレゼンテーションでした。

温氏:ありがとうございます。

――『M90』はコンパクトサイズですが、80インチ画面と組み合わせても充分なパフォーマンスを備えていることがわかりました。ただ、特にアクション映画などでは低音が少し物足りなかったんです。

温氏:弊社はサブウーファーも準備していますので、そちらを使っていただくのはいかがでしょう。

――日本のリビングでは、サブウーファーを設置するスペースが準備できないことも多いんです。『M90』をダブルウーファー化して、もっと低音の量感を出せるような製品開発は難しいですか? あのサイズのトールボーイスピーカーがあったらいいと思うのですが。

温氏:なるほど、いいアイデアですね。検討してみます。

■関連動画
新CM『30周年、ブランドの新章へ 篇』
https://www.youtube.com/watch?v=o_3GkJAI3ng

■関連リンク
https://www.edifier.jp

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