デザイン秀逸で低音もピカイチ 「KEF」が誇るBluetoothスピーカー『Muo(第二世代)』徹底レビュー

KEFスピーカー『Muo(第二世代)』レビュー

 イギリスのオーディオブランド「KEF」から、ポータブルBluetoothスピーカーの『Muo(第2世代)』が発表された。著名なインダストリアルデザイナーであるロス・ラブグローブ氏によってデザインされた美しいフォルムが特長で、KEFの最高級スピーカー『Muon』からインスピレーションを受けたモデルだという。

 本体は幅約21cm、高さ約8cm、奥行約6m(横置きした場合)といった大きさで、同社の60年以上に渡る音響技術を活かし、クリアな音質、緻密な中音域、力強い低音といったKEFならではのサウンドを、いつでもどこでも楽しむことができる。重さは約740g。

 もともとKEFでは10年前に初代機の『Muo』を発売、美しい本体デザインと、独自のUni-Qドライバーを使った高音質が人気を集めた。新製品の『Muo(第2世代)』は本体デザインを受け継ぎながら、スピーカーユニットなどを一新して新しいサウンドを獲得している。

iPhoneを使って接続
BluetoothコーデックのSBC、AAC、aptX Adaptiveに対応。今回はiPhone17 ProとAACでつないでApple Musicを再生した

美しいフォルムの本体に、高音質のための技術を満載

 スリムな本体の右側(縦置きした場合は上側)に19mmのドーム型ツイーターを、左側(下側)には58mm×117mmのレーストラック型ウーファー(独自のP-Flexテクノロジーも採用)を搭載し、ポータブルサイズながら、部屋いっぱいに広がる音と強力な低音を実現できるそうだ。

 またKEF独自のDSPアルゴリズム、Music Integrity Engine(MIE)も搭載されている。MIEは入力された音楽信号を高速で分析し、搭載されたユニットのポテンシャルを最大限に引き出すよう調整を加えるもので、音の完全性とディテール向上を可能にしてくれる。

 音楽信号はBluetooth伝送とUSB-Cケーブルの有線接続に対応。BluetoothのコーデックはSBC、AAC、さらにaptX Adaptiveを使って48kHz/24ビットのハイレゾ相当の信号を伝送できるので、aptX対応の再生機と組み合わせれば、より高音質での音楽鑑賞が可能になる。USB-C有線接続時にも48kHz/24ビット信号を再生できるそうだ。

本体背面に、持ち運び用のストラップも装備する。写真右側には、充電/USB再生に使えるUSB-C端子とBluetoothボタンを搭載している。

内蔵バッテリーで最大24時間再生が可能 朝から夜まで音楽を楽しめる

 内蔵バッテリーでの連続再生時間はなんと24時間で、朝から夜まで音楽を鳴らしていても構わない。2時間でフル充電、15分の急速充電で最大3時間の音楽再生が楽しめる点も嬉しい。

 本体はIP67の防水・防塵規格をクリアしており、雨、砂、こぼれた液体などからも製品を保護してくれる。またマイナス20°Cから45°Cの範囲で動作するとのことで、凍てつく冬や灼熱の熱波の中などのあらゆる環境でも優れたパフォーマンスを発揮してくれる。

 音楽再生中に着信があった場合でも、電話に対応できるハンズフリーフォン機能も搭載された。ノイズとエコーキャンセリング機能を備えた内蔵マイクにより、すべての言葉をクリアーに伝えてくれるので、Bluetoothスピーカーを使ったリモート会議などでも活躍するだろう。

 本体背面にキャリーストラップも付属し、手に下げて移動したり、フックや木の枝にかけて使ってもいい。7種類のカラー仕上げ(シルバー・ダスク、アンバー・ヘイズ、オレンジ・ムーン、ブルー・オーラ、モス・グリーン、ココア・ブラウン、ミッドナイト・ブラック)から選べるのも、常に身近に使うアイテムとしてありがたい。

本体カラー
左からアンバー・ヘイズ、モス・グリーン、シルバー・ダスク、ブルー・オーラ、ココア・ブラウン、オレンジ・ムーン、ミッドナイト・ブラック

クリアなサウンドで、声のニュアンスまでしっかり再現してくれる

 『Muo(第2世代)』の試聴機を借用できたので、iPhone17 Proとペアリングして、ストリーミングサービスのApple Musicから、Uru「手紙」、藤井 風「Hachikō」を再生する。ボリュームはiPhone17 Proの表示で60%〜70%くらいにセットした。

 机の上に置いて1mほど離れた場所で聴くと、Uruの声がひじょうにクリアで、ささやくようなトーンから歌い上げる部分までの声の表現がしっかり感じ取れる。楽器の音はどちらかというと抑え気味で、Uruの声を主役に据えた再生だと思う。

 藤井 風ではボーカルはそこまで主張せず、演奏のひとつの要素としてラップの勢い、テンポの良さを演出している。とはいえ声が聴き取りにくいといったことではないので、もともとの楽曲としての音作りの違いを素直に再現しているのだろう。

ストラップを使って木に吊るす
『Muo(第2世代)』はストラップで吊り下げて使うこともできる。この状態では(低音は薄くなるが)、より広がりのある音を聴かせてくれた。

多彩な使い方に対応し、アクティブに音を楽しめる魅力的なアイテム

 KISS「ブラック・ダイヤモンド」やクイーン「ホテル・カリフォルニア」では低音が予想以上にしっかり再現され、当時のロックテイストが漂ってくる。ピーター・クリスやドン・ヘンリーのボーカルでも、胸板の厚さまで感じ取れる。仕事をしながら、80年代の楽曲を『Muo(第2世代)』で流しっぱなしにしてもいいかも、と思わせてくれるサウンドだ。

 試しに、ストラップで壁のフックにぶら下げた状態で「ホテル・カリフォルニア」を再生してみた。テーブルの支えがなくなるぶん低音はやや寂しくなるが、12畳ほどのリビング全体に心地良いサウンドを届けてくれる。これなら『Muo(第2世代)』を2台ぶら下げてステレオ再生するのも面白そうだ。

 『Muo(第2世代)』は最近のポータブルBluetoothスピーカーとしては大き目の部類に入るかもしれないが、そのぶん低音にゆとりがあるし、ボーカルの力強さも備えている。全体として優しいテイストの音でもあるので、快適に音楽に触れていたいという方や、常にラジオやポッドキャストを聞いていたいという場合には最適なアイテムになるだろう。

参考情報
商品名:ポータブルBluetoothスピーカー
型名:『Muo(第二世代)』
発売日:10月7日(一般発売)
価格:3万9600円(税込)
https://jp.kef.com/products/muo

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