理研のAI for Science開発用スパコン名称が「理究」に決定 千利休と同じ読みで親しみやすさを重視

理研の新スパコン名称「理究」に決定

 理化学研究所が、AI(人工知能)を活用した科学研究、AI for Science開発用の新スーパーコンピュータの名称を「理究(りきゅう)」に決定したことを発表した。英語表記は「RIKYU」となる。

 「理究」は、理研最先端研究プラットフォーム連携(TRIP)事業本部 科学研究基盤モデル開発プログラム(AGIS)および計算科学研究センター(R-CCS)が、神戸市ポートアイランドの理研神戸地区に導入する計算機システムである。AIの学習や推論で多用される16ビットや8ビットの浮動小数点演算において、エクサスケール級「1秒間に10の18乗回(100京回以上)」の高い演算性能を備える。現在、7月の運用開始に向けて調整が進められている。

 名称には、自然現象の背後にある原理・法則である「理」を、AIとハイパフォーマンスコンピューティングを活用して探り、「究」めるという意味が込められている。基礎科学から応用まで幅広い研究を支える計算基盤を目指す理念を表した名称であり、茶人の千利休の「利休」と音が同じで親しみやすい点も選定理由となった。

 千利休の教えを伝えるとされる『利休道歌』には、「守・破・離」の語源とされる「規矩(きく)作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本を忘るな」という和歌がある。理研では、既存の知をAIが広範に機械学習することを「守」、学習したAIが研究に主体的に参加し新しい知を開拓することを「破」、AI for Scienceの巨大な探究の広がりにより人類とAIが科学の新領域を開拓していくことを「離」と捉え、「離れて、かつ、科学という本分を忘れない」という思いを名称に託したという。

 システム面では、NVIDIA GB200 NVL4を搭載した計算ノード400台(NVIDIA Blackwell GPU 1,600基)から構成され、NVIDIA Quantum-X800 InfiniBandによりノード間を最大3.2Tbpsの通信速度で接続する。倍精度浮動小数点演算(FP64)において64.16PFLOPS以上、8ビット浮動小数点演算(FP8)において15.539EFLOPS以上の性能を有する。AI向けの超並列計算に強みを持つ「理究」と大規模科学計算に強みを持つ「富岳」が連携することで、高度な科学研究基盤モデルの開発・活用への貢献が期待される。

 名称は2025年11月20日から12月22日までの募集期間に全国から寄せられた1,019件の応募から選定された。重複などを除いた有効候補数は856件で、内部委員と外部委員で構成するAI for Science開発用スーパーコンピュータ名称検討委員会が候補を選定し、AGISに参画する研究者の意見も踏まえた上で決定したという。今後はAGISプログラム内での科学研究基盤モデル開発のみならず、国内および国際協力のAI for Science研究に幅広く活用できるよう、利用体制を整備していくとしている。

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