NANAのテック・アルテミス 仕事に役立つBizテック観測所(第22回)
OPPO、折り目ゼロに迫るフォルダブルスマホを日本投入 8年間の集大成『Find N6』が示す完成度

OPPOは4月中旬、ハイエンドフォルダブルスマートフォン『OPPO Find N6』を国内で順次発売すると発表した。これまで海外展開にとどまっていた「Find N」シリーズが、日本市場に投入されるのは今回が初めてとなる。
価格は税込31万8000円。カラーラインアップはステラーチタニウムとブロッサムオレンジの2色展開だ。
8年越しで日本投入に踏み切った理由とは

OPPOが折りたたみスマートフォンの開発に着手したのは2018年。以降8年にわたり約600億円を投じ、関連特許は3500件以上にのぼる。
折りたたみスマホといえば、「折り目」「厚みや重さ」「バッテリー持ち」といった課題が長く指摘されてきた。そうした評価に対し、オウガ・ジャパンの河野謙三専務取締役は「折りたたみだから何かを我慢する。そういう時代を終わらせたかった」と語る。
弱点を残したまま市場に出すのではなく、解消しきるまで磨き込む。そのために8年という時間と巨額の投資を費やしてきた。
そのうえで、日本投入のタイミングについても「世界で最も品質に厳しい日本のお客様だからこそ、8年間の集大成を届ける場所はここしかない」と断言。海外ではすでに世代を重ねてきたが、納得できる完成度に達するまで国内展開は見送ってきた。品質への自信と、日本市場への強い意識がにじむ。
「限りなくゼロ」の折り目を目指したディスプレイと2億画素カメラ
本体は閉じた状態で約8.9mm、開くと約4.2mm。重量は約225gと、折りたたみ機としては扱いやすいサイズに収まる。バッテリーは6000mAhと大容量で、80Wの急速充電と50Wのワイヤレス充電に対応。さらにマイナス20度でも動作する耐環境性能も備えている。
メインディスプレイは約8.1インチ、カバーは約6.6インチで、いずれも120Hz駆動の有機ELを採用。防水性能はIPX9に対応し、高温・高圧の噴流水にも耐える仕様だ。
今回の発表会で大きなテーマとして掲げられていたのが、ディスプレイの完成度だ。発表会の冒頭では、折りたたみスマホに付きまとってきた「折り目が気になる」という不満を解消することが、今回の最優先事項だったと説明された。
その中核となるのが、独自の「第2世代チタニウムヒンジ」と「オートスムージングフレックスガラス」の組み合わせだ。ヒンジは業界でも珍しい4軸の対称構造を採用し、開閉時に画面へかかる力を均等に分散。構造レベルから折り目の発生を抑える設計になっている。
さらに細部では、0.05mm単位での精密加工にも踏み込んだ。ヒンジ表面のわずかな段差を埋めるためにチップ製造にも用いられる高分子3Dプリント技術を取り入れ、プレート間の差を極限まで抑制。フラットさを追い込むためのアプローチが随所に見られる。
ディスプレイ側の素材にも工夫がある。採用された「オートスムージングフレックスガラス」は、柔軟性だけでなく剛性も備えた「記憶ガラス」で、展開時にはほぼ元の形状へと戻る特性を持つ。長期間の使用でも折り目が深くなりにくい点は、従来モデルとの差として強調されていた。
こうした積み重ねの結果として、ドイツの認証機関TÜV Rheinlandによる試験では「最もフラットなディスプレイ」として認証を取得。あわせて60万回の開閉試験もクリアしており、見た目だけでなく耐久性の裏付けも示されている。
カメラはスウェーデンのハッセルブラッドと共同開発。約2億画素の広角に加えて、約5000万画素のペリスコープ望遠、同じく約5000万画素の超広角、さらに色再現を補助するマルチスペクトルカメラを組み合わせた4眼構成だ。望遠はAI補正により最大120倍のデジタルズームに対応する。
チップセットには「Snapdragon 8 Elite Gen 5」を採用し、メモリは16GB、ストレージは512GBを搭載。全体としてフラッグシップにふさわしい構成だ。
ソフトウェアでは、情報を整理・可視化する「AI Mind Space」や、手書きの図をチャート化できる「OPPO AI Pen Kit」などを用意。大画面を活かした作業用途も意識した機能が並ぶ。OSはColorOS 16を採用し、5回のOSアップデートと6年間のセキュリティ更新を保証する。iPhoneなどのiOS端末とデータ共有ができる「O+ Connect」にも対応する。
発表会後のハンズオンでは、『OPPO Find N6』の実機に触れることができたのだが、やはりディスプレイのフラットさは強く印象に残るポイントだった。
角度や光の当たり方によってわずかなラインは認識できるものの、通常の操作や視認の中で折り目が気になる場面はほとんどない。折りたたみスマートフォンに対する従来のイメージを大きく塗り替える仕上がりと言える。
一般的なスマホに比べたら高価なのは間違いないが、完成度の高い折りたたみスマートフォンの購入を検討しているなら『OPPO Find N6』は選択肢のひとつに入れるべきだろう。
なお、今回の発表会では、カメラ性能をさらに強化したフラッグシップ『OPPO Find X9 Ultra』を2026年夏に投入する計画も明かされた。折りたたみとカメラ、それぞれの領域で主力モデルを展開していく戦略がうかがえる。




























