Nothingの新スマホ『Phone (4a)/Pro』インプレッション 似て非なる2台、その選び方はシンプルだった

新作Nothingは選び方もスマートに

 イギリス発祥のスマートフォンブランドNothing(ナッシング)は、2つの新型スマートフォン『Phone (4a)』『Phone (4a) Pro』をまもなく日本市場で発売する。

 この2つのスマートフォンは、どちらもミッドレンジに位置するスマートフォンとして今年3月にグローバルで発表されたもので、約1ヶ月遅れる形で日本市場への投入が決定した。

 Nothingといえば、その独特な筐体デザインに加えて、コストパフォーマンスに優れたお手頃感が特徴。特に好調を牽引しているのが、その特徴を前面に押し出した「a」シリーズだ。今年は、日本で初めて「Pro」モデルの投入も決定しており、国内のコミュニティからの注目度は以前にも増して大きくなっている。

 筆者は、日本市場への投入決定に先がけて『Phone (4a)』『Phone (4a) Pro』の実機を試す機会を得た。そこで本稿では、約1週間ほど使ってみて感じたインプレッションをお届けしたいと思う。

『Nothin Phone (4a)』インプレッションーー「らしさ」を取るか、「質感」を取るか

『Phone (4a)』ブルー

 今回発表された2機種のうちベースモデルとなる『Phone (4a)』は、Nothingらしいシースルーデザインを前面に押し出した1台だ。

 内部構造をあえて見せるバックパネルは健在で、視覚的な楽しさが強い。手に取った瞬間に「これがNothingだ」と分かるアイコン性は、やはり魅力的だ。

『Phone (4a) Pro』 アルミニウム製ユニボディとマット仕上げ

 一方の『Phone (4a) Pro』は、方向性が大きく異なる。アルミニウム製ユニボディとマット仕上げによって、見た目の派手さよりも質感の良さに軸足を置いたデザイン。光の当たり方で微妙に変わる色味や、手に伝わる剛性感は、ワンランク上の仕上がりを感じさせる。

 同じシリーズでありながら、ここまでキャラクターを分けてきたのは興味深い。直感的に「見た目で選ぶなら『Phone (4a)』、所有感で選ぶなら『Phone (4a) Pro』」と判断できるラインアップになっている。

Glyphは「光るギミック」から「情報インターフェース」へ

背面の発光機構「Glyph(グリフ)」

 Nothingといえば背面の発光機構「Glyph(グリフ)」が象徴的だが、今回の進化も方向性がハッキリしている。

 『Phone (4a)』は従来を踏襲した6分割の「Glyph Bar」で、通知などをシンプルに整理して表示する。一方、『Phone (4a) Pro』はドット表示の「Glyph Matrix」を採用し、より情報量の多い表現が可能になった。

 実際に触れてみると、劇的に使い勝手が変わるわけではない。ただし、通知や進捗を「なんとなく光る」から「意味を持って表示する」段階へと一歩進んだのは確かだ。ギミックからUIへ——この進化の方向は、今後のNothing製品全体にも影響してきそうだ。

ミッドレンジ帯でも光学3.5倍・ロスレス7倍ズーム撮影に対応

『Phone (4a)』背面カメラ

 今回のもうひとつのポイントがカメラだ。両モデルともメイン+超広角+望遠の3眼構成で、Nothingとしてこの価格帯で初めてペリスコープ望遠を搭載し、光学3.5倍・ロスレス7倍という実用的なズーム域をカバーしている。

 ミッドレンジモデルで「実用的な望遠カメラ」が使える安心感は大きい。街中で少し離れた被写体を切り取る、看板のディテールを拾う、人物を自然な距離感で撮る。そうした日常シーンでの使い勝手が着実に向上している。

 『Phone (4a)』でもクリアで自然な描写が楽しめるが、『Phone (4a) Pro』はもう一段余裕がある。とくに暗いシーンでは違いが出やすく、ノイズの出方や明暗のつながりがより滑らかで、安心してシャッターを切れる仕上がりだ。

 その他の特徴としては、パフォーマンス (SoC) は両機種とも「Snapdragon 7s Gen 4」を搭載し、日常利用では差を感じにくい。SNS、動画、アプリ切り替えといった一般的な使い方をする上でストレスはなく、ミッドレンジとして十分以上の快適さだ。

 バッテリー容量の増加や放熱設計の改善も日々の使いやすさを支えており、「長く安心して使える」方向にしっかり進化している点も好印象だった。

シンプルに「何を重視するか」で選べるラインアップ

『Phone (4a) Pro』を持っている様子

 今回の『Phone (4a)』シリーズを触っていて感じたのは、「スペック比較で悩ませない」設計だ。

 細かな違いを並べてユーザーに判断を委ねるラインアップが多いなか、この「Phone (4a)」シリーズは、価値基準そのものを分かりやすく提示している。

  • デザインや楽しさを重視するなら『Phone (4a)』
  • 質感や体験の完成度を求めるなら『Phone (4a) Pro』

 ミッドレンジ市場は成熟しつつあり、「全部入り」では差別化が難しくなっている。その中でNothingは、「何を重視するか」をユーザーに委ねつつ、選択肢を明確に提示することで、新しい分かりやすさを作り出している。

 見た目か、質感か——。この分かりやすい問いに対して、自分の価値観で答えを出せる。それこそが、「Phone (4a)」シリーズのいちばんの魅力なのかもしれない。

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