クリエイターの秘密基地を訪ねて 日常と作品をつなぐこだわりの空間【イラストレーター・456】

机は自分だけの空間。仕事をするもよし、遊ぶもよし。どこに何を置くか、どうしてそれを手にとったのか、その一つひとつが“自分”を作っていく。
今回は、イラストレーターの456氏にインタビュー。たくさんのモニターに囲まれながらも温かみのある雰囲気と、DIYを駆使したこだわりの空間について語ってもらった。
【連載:わたしをつくるデスク(第1回)】
456
イラストレーター。「日常と非日常の間」をコンセプトに作品を制作。広告、書籍装画、CDジャケット、キャラクターデザイン、商品パッケージイラストなど幅広く手がけ、活躍中。
DIYで作り上げた世界にひとつの空間
ーーこだわりのデスク環境についてお伺いする本企画ですが、456さんの部屋は全体的に優しく温かみのある雰囲気ですね。
456:ありがとうございます。築40年ほどの戸建てになるので、どこか懐かしさが残っているのかもしれません。
住み始めた当初は、“ザ・昭和”な柄の壁紙が貼ってあったんですけど、それでは自分のテンションが上がらないなと思い、壁から床まですべてDIYをしました。漆喰を塗ったときは大変でしたが、それが一番楽しかったですね。
ーーそんな大掛かりなDIYをされたんですね……!
456:そうなんです。あと今年はアナログ作品の制作もおこなっていたので、本棚にしていた押入れを制作スペースにしました。まだちょっと使いにくいところがあるので、今後そこもDIYで改善していくつもりです。
ーー仕事の変化によって部屋の使い方を変えているんですね。アナログとデジタルを使い分けるというのも、イラストレーターらしい空間の使い方というか。思い入れのあるアイテムや、自分ならではのアイテムはありますか?
456:仕事に通ずる部分は大いにありますね。部屋全体を資料として扱っているので、部屋の写真と僕の作品を見てもらうと、「あのアイテムだ!」ってわかると思います(笑)。
456:なかでも一番変なのは、「本物の学校の机」が置いてあることじゃないでしょうか。僕は学生向けの仕事をすることが多いのですが、学校の机はとくに描くのが大変なので、フリーランスになってすぐに購入しました。資料はなるべく自分で用意することが大切だと思っているので、部屋のアイテムも資料にする前提で購入することが多いです。
ーーデスクまわりでとくに意識していることはありますか?
456:デスクは1日のなかで一番多く過ごしている場所なので、仕事のしやすさも大事ですが、モチベーションのために自分の好きなもので囲んでいます。とくにスヌーピーなどの犬グッズが大好きなので、まわりにたくさん置いているのがこだわりですね。
あと、とにかく物が多いので、家具は逆にシンプルなものを選んでいます。機材が基本的に黒に偏ってしまうので、全体の雰囲気は「黒×木材」でまとまるように意識しています。
ーー456さんの部屋は、温かさのなかに無機質なデバイスが自然と存在していますよね。ちなみに機材はどんなものを使っているのでしょうか?
456:メインPCはiMacを使っていて、こちらでイラスト制作をおこなっています。Macはなんとなく「かっこいい!」という理由で選ぶ人が多いと思うのですが、例に漏れず僕もそのひとりです。モニターがたくさん並んでいるのも、仕事がバリバリできる人感があって気に入っています(笑)。
実際使ってみて、iPhoneと連動して簡単にデータが送れるところが便利だなと感じています。イラストの資料はいつも自分で撮影をしているので、その点は助かっていますね。
Windowsはゲーム用に購入しましたが、いまは3Dをいじる際に使用するのと、Webミーティングのときに使用しています。ゲームのために用意した機材が無駄にならなくて良かったです(笑)。
ーーデスクの写真をXで投稿していた際、机はDIYで制作したとコメントをされていましたが、こちらも素敵な机ですね。
#絵描きさんの作業環境が見たい pic.twitter.com/g9bVdy4YJR
— 456 (@456log) March 2, 2024
456:シンプルな机なんですけど、僕も気に入っています。友人が所持していた廃材を再利用して、好きな色で塗装して、脚を買ってつけました。友人が左右に謎の切り込みを入れて、最初は「余計なことをして……」と思っていたのですが、いまや充電コードがいい感じに引っかかるので、結果オーライですね(笑)。
ーーXにデスクの写真を投稿してから、変化したところはありますか?
456:最近はマルシェの出店などでイベント友達が増えたので、そのアイテムや作品が増えました。あと、観葉植物はXに投稿したときから5倍以上に増えました。いまは庭やベランダで管理しているんですけど、冬に取り込むことを考えるとゾッとします……。
ーー植物がお好きなんですね。
456:植物を育てるのが息抜きになっています。ちょっと休憩したいなと思ったら、気分転換も兼ねてお水をあげたり、メンテナンスをしています。
ーー今後変えていきたい空間などはありますか?
456:アナログ作品を制作するスペースを強化したいですね。これからはもっとアナログ作品の制作をおこなって、人の手で作られたものの温かみを発信できたらなと考えています。なので、デジタルとアナログ、どちらも万全の体制で制作をおこなえる環境作りをしたいなと思っていますね。
■関連リンク
456公式WEBサイト:http://makina7.com/
456公式X:https://x.com/456log
456公式Instagram:https://www.instagram.com/456log/

































