イヤーカフ型の魅力が凝縮されたワイヤレスイヤホン『HUAWEI FreeClip』は邦楽からロック、クラシックまで、どんなジャンルも心地よく聴ける

お洒落なイヤーカフ型『HUAWEI FreeClip』

 イヤホンの新しい装着スタイルとして注目を集めているイヤーカフ型。ここではその中から、ファーウェイ『HUAWEI FreeClip』を紹介したい。

 まずイヤーカフ型とは、ドライバー部とアンプ・バッテリー部のふたつをワイヤーでつないだ、アルファベットの「C」のような形をしたイヤホンのこと。ドライバー部を耳の窪みに入れ、アンプ・バッテリー部で耳を挟むようにして装着することで、音楽を効率よく鼓膜に届けつつ、外の音もシャットアウトしないという特徴を持っている。

 イヤーカフ型イヤホンが登場したのは2020年前後だったが、『HUAWEI FreeClip』はまだ製品数が少なかった2023年末にクラウドファンディングを実施して話題となり、翌年2月に正式発売されてからは、このスタイルの認知・普及に大きく貢献してきた。発売から1年以上経過した今でもイヤーカフ型の定番モデルとして高い人気を誇っている。

『HUAWEI FreeClip』のイヤホン。写真の球体部分にドライバーが、楕円形の部分にアンプ回路やバッテリーが内蔵されている。このふたつで耳(耳輪)を挟んで装着する仕組みだ

着け心地も抜群で、アクセサリーの邪魔もしない!これなら長時間着けたままでいられる

 最大のポイントは優れた装着感で、本体は片方5.6gと、とにかく軽い! 充電ケースも45.5gしかないので、ポケットに入れて持ち歩いても気にならない。イヤホン本体は上に書いた通り、ふたつのパーツを形状記憶合金製ワイヤーでつないだ「C-bridge Design」を採用。耳を挟む強さも工夫されていて、長時間つけていても痛くならなかった。一方で、ジョギングやジムでの運動中に使ってもずれないくらいの安定性も備えている。

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 イヤホン本体はコンパクトで、街中で装着していてもまったく目立たない。またメガネのツルやピアスなどのアクセサリーと干渉することもないので、特に女性には喜ばれるだろう。ちなみに『HUAWEI FreeClip』には左用、右用といった区別はなく、装着の際に自動的に左右を識別してくれる。これは多くのイヤーカフ型も同様だが、イヤホンを使う場合に左右を意識しなくてもいいのは本当に嬉しい。

 スペック面では、約10.8mmのデュアルマグネット・ダイナミック型ドライバーを搭載し、コンパクトながら充実した低音を目指している。BluetoothコーデックはSBCとAAC、さらにファーウェイ独自のL2HCにも対応しているので、対応機器(ファーウェイ製スマホ)との組み合わせではハイレゾ相当の伝送が可能になるそうだ。

HUAWEI FreeClipをレビュー

やっぱり声の再現がいい!最近のお薦めから、70〜80’sまで、どんなジャンルも楽しめる

 では、肝心の音質はどうか。今回はiPhone16とペアリングして、Apple Musicの楽曲を聴いてみた(コーデックはAAC)。充電ケースの蓋を開けた状態で右側にあるボタンをLEDが白く点灯するまで長押しするとペアリング状態になるので、あとはiPhone側で『HUAWEI FreeClip』を選ぶだけと設定も簡単だ。

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 お薦めプレイリストからアイナ・ジ・エンド「革命道中 - On The Way」、テイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」「Shake It Off」を再生する。アイナ・ジ・エンドは、憑依系ボーカル(といっていいと思う)らしい情感が声に出ているし、テイラー・スウィフトは澄んだ歌声とキレの良さ、演奏との一体感が楽しい。

 70〜80年代の洋楽から、KISS「Rock and Roll All Night」、ABBA「Dancing Queen」、マイケル・ジャクソン「Billie Jean」をチェック。KISSではドラムや演奏の迫力はもう少し欲しいけど、ライブ会場の雰囲気が音に溢れている。ABBAの歌声は綺麗でつややか、この曲らしいノリもいい。マイケルは80年代的なテンポ感が見事に再現されている。

 邦楽から松任谷由実「守ってあげたい」、サザンオールスターズ「TSUNAMI」、LISA「紅蓮華」などもチェックした。ユーミンの声が若々しくナチュラルな質感で、サザンでは桑田佳祐らしいかすれ気味のニュアンスもしっかり表現できている。LISAも歌い上げる様子が目に浮かぶようだ。

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ケースはUSB-Cとワイヤレスという2種類の充電方法に対応。フル充電の場合、イヤホン単体で約8時間、本体+ケース込みで約36時間の再生が可能とのことだ

クラシックや空間オーディオ音源が、広さを伴って浮かび上がる

 クラシックから、「チャイコフスキー、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」も聴いてみる。ひじょうにクリーンな演奏という印象で、静かな空間の中にバイオリンの美しい響きが広がっていく様がしっかり描き出されてくる。

 空間オーディオのハンス・ジマー『F1/エフワン』サントラでは、確かに音が頭の周りに広がって聴こえてくる。さすがに映画館やコンサートホールのような……とまではいかないが、残響感も豊かで空間オーディオとしての演出までちゃんと感じ取れた。

 なお『HUAWEI FreeClip』は、ドライバー部先端の開口部から鼓膜に向けて音を放射している。この開口部の向きによって音の聴こえ方に違いがあるので、ぜひご自身に最適な装着位置、向きを見つけていただきたい。

 『HUAWEI FreeClip』は、どのジャンルの曲を再生しても、音場のクリーンさと、人の声やニュアンスの再現の良さが持ち味だ。特に声は男性・女性を問わず自然で、ボーカル曲との相性がいい。耳をふさがないこともあって低音はやや抑えめで、ロックなどではもう少し低音の迫力が欲しくはなるが、ビート感、音楽のキレはしっかり再現されるので、ノリの良い音楽として楽しめる。

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ドライバー部先端には小さな穴が並んでおり、ここから音を放出する仕組み。その反対側には音漏れを抑えるための逆音波を再生する開口部も搭載している

外出中はもちろん、ビジネス会議まで幅広く活躍してくれる

 ここまでは室内での試聴の印象だが、電車やバスの中でも音の方向性は同じだった。もちろん騒音の多いところでは音楽が聴き取りにくくなるので、ついついボリュームは上げ気味になる。だが、搭載された逆音波システムによって音漏れは抑えられていて、隣に人が座っていてもまったく気にしている様子はなかった。

 もうひとつ、『HUAWEI FreeClip』はリモート会議でも活躍する。声の再現性の良さ、独自のマイクシステム&通話ノイズリダクションアルゴリズムおかげで会話もスムーズだし、声を張らなくても済むのが快適だ。

 ずっと着けていても気にならない快適な装着性、ながら聴きから音楽鑑賞まで楽しめる音質など、『HUAWEI FreeClip』はイヤーカフ型の魅力を凝縮したモデルと言っても過言ではない。音楽に没頭するという使い方ではないけれど、いつも心地よい音に触れていられる、そんな魅力を持ったアイテムだ。

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カラーバリエーションは4種類で、左からローズゴールド、ベージュ、パープル、ブラック

 

●参考情報

商品名:ワイヤレスイヤホン
型名:『HUAWEI FreeClip』
価格:市場想定価格2万7,800円(税込)
https://consumer.huawei.com/jp/audio/freeclip/

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