【東京ゲームダンジョン9:イベントレポート】ブラックジャックで戦うRPGから上下左右斜めに繋がるポーカーまでさまざまなゲームが楽しめた

2025年8月3日、浜松町にて東京ゲームダンジョン9が開かれた。
本イベントはインディーゲームの展示会だ。出展に際して作品審査はなく、誰でも気軽に出展できるため、非常にバラエティに富んだ作品が並ぶ。
今回はその中から筆者が気になった作品をいくつか紹介しよう。
Voyage Router
『Voyage Router』は、ナビゲーション型ローグライクと銘打たれたSF探索ゲームだ。
プレイヤーはナビゲーターのアンドロイド「ティコ」の指示を受けつつ、次元海峡と呼ばれる空間で探索を進める。次元海峡で手に入れたエーテルパールという資源を持ち帰り、プレイヤーが乗っている機体を徐々に強化していくのだ。

探索はターンベースで進行する。次元海峡の地形はランダムで変化し、通るたびにさまざまなダメージを負うことになる。なるべく低いダメージで済むように計算しながら進んでいこう。
探索中、青白く輝くモンスター「ザイア」や強力な「ヌシ・ザイア」が出現し、戦闘になる。戦闘は自動で処理されるので、自機が勝利できるかハラハラしながら見守ることになるのだ。

プレイヤーはルート構築と地図の活用が肝要で、環境や敵の強化に応じて柔軟に経路を変更する必要がある。試遊版のラストでは、自機が臨界状態に達したヌシ・ザイアに飲み込まれてしまうという、この先の展開が気になる終わり方だった。興味のある方は、今のうちにウィッシュリストに入れておこう。
ビーストギャングポーカー
『ビーストギャングポーカー』は、5×5マスで展開するユニークなポーカー型パズルゲームだ。

プレイヤーは52枚のスタンダードなトランプデッキを駆使し、ポーカーの役を作っていく。ユニークなのは、カードを置けるセルが5×5の25個存在し、上下左右斜めのラインすべてに役の成立判定があるのだ。左右でフラッシュ、上下でストレート、斜めでスリーペア……なんていうこともできてしまう。
だんだんとカードが埋まっていくが、好きなタイミングで「チェックハンド」というボタンを押すと、役が成立しているカードが消滅し、その分だけスコアを獲得できる。

シンプルなルールながら、高得点を獲得するのは非常に難しいゲームだった。ビジュアルもスタイリッシュであり、熱中すること間違いなしである。
本作はすでにスマートフォン向けに販売しているので、ぜひとも遊んでみてほしい。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.kisoutenguys.BGP&pcampaignid=web_share
Vignart
『Vignart』は錯視をテーマとしたアイテム探しゲームだ。

画面上に散りばめられたアイテムの中から、提示されたリストに沿って目的物を探し出すのが目的だが、その通りの形のアイテムは存在しない。なので、角度を変えてみることで、いくつかのアイテムが重なってそれらしい形になっているポイントを見つけるのだ。
通常のアイテム探しゲームよりも見落としやすく、直感と観察力が試されるが、ヒント機能が実装されており、詰まった際には適宜サポートが得られるため、テンポよく遊ぶことができた。

「あと少しで見つかる!」という絶妙な歯ごたえを維持しつつ、見つかったときの気持ちよさもちゃんと感じられた。
現在販売中で、短時間で楽しめるカジュアルなゲームを求めるユーザーには最適な一本である。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.StudioShimazu.Vignart&pcampaignid=web_share
Brave Junction
『Brave Junction』はブラックジャックの要素を戦闘に持ち込んだ異色RPGである。

プレイヤーはビキニアーマー姿の元気な少女を操作し、制限時間内にデッキからカードを引き、21に近い手を作り出すのだ。
もちろん、モンスターも同時に手を作ってくるのだが、スライムのようなザコはそもそも17までしか作れないので、簡単に倒すことができる(モンスターよりも強い手を作ればダメージが通るが、バーストすると逆にダメージを受けてしまう)。
しかし、ゲームが進むと、攻撃力が高かったり、状態異常を付けてきたりするモンスターが登場するので、油断は禁物だ。

プレイヤー側も単にブラックジャックをするだけでなく、武器や防具の装備や、スキルやストックを駆使してカードを操作することができる。RPGの遊びとブラックジャックの遊びがいい感じにマッチしていた作品だった。
キャラクターも可愛らしく、ポップな雰囲気の作品なので、多くのユーザーにリーチすることだろう。こちらも今のうちにウィッシュリストに入れておこう。
君は無慈悲な豚の女王
『君は無慈悲な豚の女王』は、ラインディフェンス系のシューティングゲームだ。主人公は聖女のロッティ。辺境の魔の森を浄化する任務に就かされる。

ゲーム自体はシンプルで、画面上部から襲い掛かってくる魔物たちを魔法の弾で撃ち倒していく。結界が敷かれているラインまで魔物の侵入を許してしまうと、結界がダメージを受けてしまい、最終的に破壊されてしまう。

攻略に失敗すると、オークたちに殺されてしまうかと思いきや、ただ単に暴れるのに飽きていたオークは、ロッティに浄化される(彼らは“イカされる”と表現している)ことに快感を覚えてしまったようで、ロッティが強くなれるように特訓をつけると言い始める。

この特訓という名のお仕置きフェイズが本作の肝だ。トレーニングウェアに着替えたロッティがオークに押さえつけられて股割りをしている様がなんともエロティックで、恥ずかしさとしんどさに顔を歪めるところもなかなか乙である。
本作もすでに販売中なので、不憫な少女が頑張る展開が好きな紳士の方々は、ぜひともチェックしてほしい。
以上、東京ゲームダンジョン9から5作品ほどピックアップさせていただいた。今回も意欲作が並んでおり、とても楽しい展示会だった。






















