レノボ、「Lenovo Legion Gen 10シリーズ」を起点にゲーミングPCの戦略をさらに強化

レノボはゲーミングPCブランド・Legionの第10世代となる新製品の発表と体験会をesports銀座スタジオにて開催した。その内容を製品の詳細データ、Lenovoのゲーミング戦略を発表した。







冒頭、コンシューマ事業部 コンシューマ製品戦略リードの三島達夫氏がLEGIONブランドの今後ゲーマーの戦略を説明。PCゲーマー人口はLEGIONブランドをスタートした2015年と2023年では世界、日本共に30%以上の成長があるという。また、Gaming PCのカテゴリにおいてLEGIONは世界第一の28.6%のシェアで二位と10ポイントの差をつけている。



一方、現在のGaming PCのターゲットカスタマーを分類した結果、Gaming PCのみならず、幅広いエコシステムの展開が必要と判断。Gaming PCのLEGIONではなくGamingのLEGIONに変貌する。
そこで、レノボゲーミングとして統一された価値と経験の提供となるOne Design、One Portal、One Experienceが今後必要になるとした。先のターゲットカスタマーに合わせた商品展開として、今回はLegion Pro、Legion,LOQという製品を紹介すると細川氏にバトンタッチした。




今回、販売開始となったノートPCに関してはコンシューマー事業部ゲーミングPM担当Sr.スペシャリストの細川 英夫氏が解説した。今回紹介されたのはCompetitive Gamer向けの『Legion Pro 7i/5i』とImmersed Gamer向けの『Legion 5i/7i』、そしてAspirational Gamer向けのLOQとなる。今回発表された製品はすべてIntel CPU製品だ。
大雑把に分類するとLegion Proシリーズは最大TDP 250WのパフォーマンスでCore Ultra HXシリーズのCPUを搭載し、GPUも上位製品を使用。Legionシリーズはスリム&ライトとなり最大TDP 200W。CPUは上位製品同等のCore Ultra HXシリーズのCPUを搭載しているが、消費電力の関係で性能はやや下がり、GPUも中位の製品を使用している。LOQはコスパ優先のバランス派で、最大TDPは160Wだ。


他社との差別化要因もいくつか紹介していた。まずAIを活用した冷却技術で、これはシリーズ毎に異なるが、最上位のLegion ProシリーズではLEGION COLDFRONT VAPORというベイパーチャンバーによって冷却性能を上げ、トリプルファンをAIコントロールすることで-7dBの静音を達成したという。これによって、体がさわる部分を中心に温度も下げることを実現した。

また独自のAIチップを使用し、従来ならBIOS変更が必要なシステムレベルの制御を行い、環境やプレイ状況で多数のゲームタイトルにおける性能向上を実現する。
そのためのAIチップの開発は2021年からスタートしており、今回のGen.10製品ではLOQにLA1と呼ばれるチップ、Legion 5iにはLA3チップ、Legion 7i、Legion Pro 5i/7iにはLA3とLA1を併用、そしてLegion Pro 9iではLA3-Pチップを組み込んで、パフォーマンスやFPSの最適化などを実現した。


これらの調整はLenovo VANTAGEというアプリで設定が可能だ。パフォーマンス調整はFn+Qボタンでワンタッチで変更可能で、電源ボタンの色で判別できるようになっている。設定は多岐にわたり、GPUのオーバークロックも行えるのは頼もしいだろう。

ディスプレイは今回全面的にOLEDを採用している。特にLegionとLegion Proは他社に先駆けてVESA TRUEBLACK 1000の認証を得ている。また、通常利用時は60Hz、ゲーム時は165Hz/240Hzにするアダプティブリフレッシュレートに対応しており、不必要な電力消費を抑えている。

キーボードに関しては1.5mmのキーストロークを確保しているほか、一部のキートップをセラミックのキートップに変更するキットを別売する。これはキートップ(二色)とその下のパンタグラフ部分も合わせて交換できるものだ。
残念ながら会場に交換例サンプルが見つからなかったが、自分だけのパソコンを作る意味では面白い取り組みだ。

最後にサポートとしてLegion Ultimate Supportを取り上げていた。これは24時間いつでも日本語対応できるゲーム専用のサポートデスクとなっている。本体の設定だけでなく、ゲームプレイのTIPSやSteam/Discordの設定とPCゲームに関するお悩みを解決できるという。
これも他社のサポートとは深度が異なる。ゲームに対してどれだけの知識と経験を持つスタッフがいるのかわからないが、少なくともゲーム初心者には心強いだろう。

今回はゲストにインテル マーケティング本部長の上野晶子氏も登壇。今回採用された製品に使用されているIntel Core Ultra 200シリーズプロセッサは高いパフォーマンスとバッテリー寿命の両立を実現しているだけでなく、CPUとGPUに加え、今後のAIに欠かせないNPUも入っており、この3つを協調させることで多くの処理が可能になると発言。
本製品群は過去の世代と比較してゲーミング体験を大きく向上させているだけでなく、クリエイティビティにも有用だ。これらの2つの領域に対して、ゲームベンダーやパソコンソフトメーカーと協力したキャンペーンを実施している。またクリエイター支援のためのコミュニティ「インテル ブルー カーペット」を運用中で、その中にはレノボの製品を使っているクリエイターもいると紹介していた。


日本市場は少々特殊なところがあり、世界ではLEGIONがトップブランドなのに対し、日本市場では国内BTOメーカーがかなりのシェアを取っている。
そこで「日本市場における取り組み」について伺ったところ「今後オフラインイベントやインフルエンサー連携強化で認知度を上げる」という回答が得られた。今回インフルエンサーの招待があったのはこの一環だと言えるだろう。




なお、今回のイベントではLegionの公式アンバサダーである動画配信・俳優・モデルのスタンミ氏も登場。参加インフルエンサーとのゲームステージや、インフルエンサーでは普段見ることのない「LEGIONノートパソコンの中身の解説」も行われた。






















